迎えにきた用務員さんが強かった。
サボりました…。はいごめんなさい。
今回は女の子出るから許して…ね?ね?
朝起きると誰も居ないキッチンから
物音がした。
お父さんが忘れ物?忘れ物ならもっと
早くに取りにくるはず…まさか!泥棒!?
僕はその音に怯えつつ能力を発動する
イメージは拘束、タイプは近づかずにと。
やっぱり、昨日使いだしたばかりの能力での
武器の精製は遅れるな…
僕は気付いた近付く音に。正確には能力を
発動した瞬間に不思議な感覚がした。
自分が能力を使った時と似ている感覚だ。
能力の発現を急ぐ。
しかし気付くとその音は後ろから聞こえた…
そして、頸動脈辺りに鋭利で冷たい
ナニかが当たる感触があった。
「貴方は…誰ですか?返答によってこの刃を
突き刺します。」
「待って!?僕はこの家に住んでる佐藤駆です!
貴方こそ誰なんですか!?」
声質は女性の人に問いかける。
その時能力が発動する。手にあるのは
スタンガン。
大丈夫…バレてないはず。
そのままスタンガンを後ろに向け
引き金を引く。
「私がこんな物に気づいてないと
思いましたか?」
バチッ!と音が鳴り彼女の前で飛んでいった
物が跳ね返る。
「あはは…」
「貴方が佐藤駆と言える確認も取れました。
すみません紹介が遅れました。
私は夕餓月魔術高校の用務員の麻当柚希
と申します。」
麻当と名乗った彼女は僕に向かって
お辞儀をする。
ちょっと谷間が見えた。……男子高校生と
しては健全なはず。この状況で考えるのは
ちょっと場違いだと思うけど。
「あの。どうかしましたか?」
「いっ…いえ。ってもしかして5年ほど前に
テレビで活躍してらっしゃったあの麻当柚希さんですか?」
「……ええ、そうです。もう引退してただの
用務員ですが。 あっそうだ、勝手にキッチンを
借りてしまい申し訳ございません」
「え…ええ、でも何故キッチンに?」
まさか朝ご飯作ってくれたりとか…
余談だがお父さんは家事がからっきし
なので基本的に僕がいつもしている。
「朝ご飯を作ってました。今日は早くに学校に
行かなくては……」
「本当ですか!?自分で作ったご飯以外を
食べるのは何年ぶりかなぁ…♪」
「そっそうですか。もうご飯は出来てますが。
もう食べますか?」
「はい!」
朝食の後学校に行く前に麻当さんに訪ねる。
「そういえばどうやって学校まで?」
思えばどうやってここに来たのかすら謎だ。
夕餓月魔術高校のある夕月市までは250キロ
ほどあった気がするのだけれど。
「こういう事です。」
そう言って麻当さんは僕の後ろに
瞬間的に回り込む。
さっきの不思議な感覚はこれだったのか…
「私の能力は空間転移。
思い浮かべればどこだって行けます。
トイレだってお風呂だってね?」
ちょっとジョークも交えて教えてくれた。
少しだけ心を開いてくれたのかな?
「凄いです!あのテレビでの大脱出は
こうやってたんですね! 僕ずっと憧れてて!」
「面と向かって言われると照れますね…
さて準備は出来ましたか?」
「はい!もういつでも。準備okです!」
とはいったものの包丁って持っていって
いいのだろうか。ちょっと不安だ。
校則に刃物禁止とかあったら速攻呼び出しだ…
「じゃあ行きますよ。
[転移!夕餓月魔術高校!]」
視界が一瞬にして変わる。
少しこの感覚はビックリする。
見てた映像が一瞬で変わる見たいに。
「ここが夕餓月魔術高校です。ここは会議室
ですね。」
「そうなんですか。少し広いですね。」
辺りを見るともう一人いた。
僕をじっと見てくる。
「あの…彼女は誰ですか?見た感じ制服も
着ていない感じですし。」
「彼女も転入生ですよ。まだ見学ですけどね。」
彼女がこちらへ向かって歩いてくる。
よく見ると凄く可愛い。外国の人なのか
髪が水色だ。少し気の抜けた顔がこれまた
可愛い。幼さの残る顔なのに美しさもある。
そんな美少女が歩いてくる。
「……私は、アリサ。姫川アリサ。…よろしく
貴方は?」
彼女が話出した瞬間、うっすらと掠れる
ような声が響いてきた。
『お…………に……………ん…………す……………て』
ヅキッと頭が痛む。
「どうか…したの…?」
「いいや何でもないよ。僕は駆 佐藤駆。
もしこの学校に来たらよろしくね。」
「うん」
可愛い娘が目の前にいて少し
ドキマキしていると麻当さんが言ってくる。
「私は別の用が有るからもう行きますけど、
貴方たちは学校回っといてくださいね
仲も良さそうですし。予鈴がなったらここに
来てくださいね。」
それじゃあと言い残し言ってしまった。
「さて。行こうか。」
「うん」
可愛い美少女のアリサとの校内探索の事で
さっきの頭痛の時の声など忘れていた。
麻当柚希 テレビで活躍していたが。
異能者追放運動により立場を失う。
来週こそは…投稿したい!
そういえば駆の初デートなのでは…