お父さんが忙しそうに仕事に行きました
前回のあらすじ
異能で友達がいないなら同族のいる学校に行けばいいじゃない。
(王族風)
「でも学費が、目茶苦茶高くなかった?」
「いや、高かったけど、駆が生まれる前にお父さんが
やってた仕事に戻ってくるなら学費は免除してやるって前の上司
に言われたからね」
そうかそれなら安心して学校にいける。
「でもなぁ…困った事があって。駆の向うでの学費以外、工面出来そうに無いんだ。」
「え?」
「だから向うでは学校の食堂を手伝って欲しい。普通はできないんだが
学園長とお父さんは仲がいいから…たぶん。」
なんか不安になる小声が聞こえた気がする。
「わかった。でも僕なんかが食堂で働いても大丈夫なの?資格とか色々と面倒なことに
ならない?」
「そこらへんは大丈夫だ。学園周辺の土地の管理権は学園長にあるから。大概の法律は日本と違う」
「そう。なら大丈夫だね。」
「ああ、親の贔屓目を無しにしても駆は全方面に優秀だからな。」
褒めてもらって顔を綻ばせるとお父さんも笑う。
転入試験はどうかなとか、友達できるかなとか不安でいっぱいだけど聞かなくては
いけない事がある。
「転入はいつからなの?」
「お父さんの仕事の関係もあるから明日からだ。」
「ん?明日って聞こえたんだけど。聞き間違い?」
いくら何でも急だ。有難いけど。
「明日だぞ。ついでに寮暮らしになると思うから準備しろよ。」
「うう…色々と急だけどわかった。準備してくるね。包丁とか鍋とかもて言っていい?」
「ああ、いいぞ。それと明日は朝早くに学校の用務員さんが迎えに来てくれるから、
そのつもりでいろよ。」
「うん、わかった。今日は準備したら寝るね。」
さて準備して寝るか。
でも自分の異能の使い方をもう少し見ておこうかな。なんせ魔術学園だ何があるか分からないし。
「あっ忘れてた。」
バックに物を詰める僕に、父さんが紙を持って近づいてくる。
何の紙だ?転入届?まさか押し入れに隠した黒歴史ノートの一枚じゃ
無いだろうか!?
「これを近くの先生に明日見てもらってくれ。そしたら駆の異能が分かると思う。」
「うん…分かった。」
ついに、自分の能力が分かるのか。ドキドキするね。
「用意も終わったし寝るよ。お休み。」
「うん、お休み。父さんは今からもう家を出るからな。頑張れ。向うでは努力を怠るなよ。」
「分かった。お父さんも頑張ってね! 行ってらっしゃい。」
「ああ、行ってきます。」
父さんは行ったし準備も終わったし。出してみるか異能を。
頭でイメージする。テレビで見た軍用ナイフを。それを出そうと考える。
するとゴトッとした感触が伝わってくる。
「よし、成功」
五年前と変わらずに異能を発動できた。
「うう…久々だとしんどいな。」
そうこうしてる間に夜も、もう遅くなってきた。
「明日も早いしもう寝るか」
そう思いつつ急須にお茶を入れるのだった。
「あっ茶柱たった!」
次回は早くて平日遅くても土日に投稿しますね
はよバトルしろとか 女の子ハァハァとか思うと思いますけど
次回は多少の戦闘と女の子が出てきます
あと駆の父さんは直樹といいます