求人は魔王から
「頼み?」
「ああ、あのミノタウルスを倒したのだから。さっきはすまなかったな。いきなり殺そうとして」
「さっきのことは気にするな。それで頼みとは?」
「我々・・・魔王軍を助けてほしい。」
「いったい何をすればいい」
「助けてくれるのか?」
「まだ決めたわけじゃないぜ。」
「では、まずは現状を教えておこう」
「頼んだ」
「今現在魔王軍はこの大陸の西に位置する、いわゆる魔界という場所にある。そしてちょうど一週間前
大陸の中でも巨大な聖王都アルキニシアが宣戦布告してきたのだ。なぜこのタイミングかわかるか?」
「・・・勇者召喚か。」
「そ、その通りだが。なぜわかった?」
「俺もその勇者だから。」
「なんだと!」
「いやなんだ。捨てられたから」
「そうなのか・・・悪いことを聞いた」
「確かに一回殺されたけど・・・」
「お前は何者だ。ただの勇者にしてはかなり、とてもおかしい」
「そうなのか?」
「おっと、話がそれたな。お前の言う通り魔王様を今度こそ亡き者にしようとしているのだ。さっきの
ミノタウルスも勇者の召喚士の眷属だ」
「ちょっと待ってくれ。Lv1であんなのを召喚できるのか?」
「そんなわけないだろう。あれを出そうと思ったらLv90はいる」
「俺がこっちに来てまだ1日もたってないんだが」
「ここと人のいる場所は次元が歪んでいるようでな。こっちの1分が向こうの世界の10年だった。なんてこともある。Lv90以上となると2年間くらいか」
「それでつまり俺に迎え撃って欲しいと」
「ああ。何とかならないだろうか」
「まあいいけど。一つだけ条件として戦い以外の事で俺を呼ばないこと。これだけだ」
「わかった。それなら何とかなるだろう。ああ、それと魔王様は闇の神だ。だからなのか忌み神と言う
スキルがあるが怖がらず接してくれ。これだけは約束してくれ。」
「問題ない。俺もそのスキルを持っているからな。」
「お、お前神だったのか」
「ああ。元人間だけどな」
「お前は本当に何者なのだ・・・」
「何回も言ってるだろ。俺はなるべく静かに暮らしたい元勇者だよ。」
「言うと思ったよ。そういえばまだ名乗っていないな。ゲイル・ファインドラグだ」
「オウカ・マガツだ。よろしくゲイル。」
「こちらこそだ」
奇妙なチームが作られた。