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ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
3章 家に帰ろう 寄り道腕自慢大会編
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番外ネキ 奴隷商潜入調査編(序章)

 前回のあらすじ


 レッスン(訓練)ゴリ(ゴリラ&)(リリー)



 ――――



 祭(大会)もいよいよ開催間近、連日から既に並ぶ屋台。


 勿論商売をしない理由はないので、定番の串肉やら魔王国からの珍しい食べ物、その他諸々の中。 特にお気に入りの食べやすいように1口大にカットされた“ショーユ”味の焼きモロコーシが並べられている干して乾燥させた大きな葉の器を片手に食べ歩きをしているタマ。


 芯まで柔らかく美味しく食べられるのがモロコーシの人気の秘密である。 ショーユの芳ばしさと甘く旨いモロコーシのハーモニーに舌鼓を打ちつつ、不意に齧った1切れの反対側をポロリと落としてしまう。



 コロコロ。コロリン。


 おお、勿体ない勿体ない。と、モロコーシを追いかけるタマ。


 だが、追いかけたモロコーシは排水溝に落ちる寸前でフッと消えてしまう。 消えたモロコーシの行方を探して排水溝を覗き込んだその先には─




やぁ、タマ殿(ハァイ、ジョージィ)。ごきげんよう」


 ほっぺたを不自然に膨らませ、モッチャモッチャと()()を咀嚼して居るリリーが居た。


 ――所変わり近くの公園――


「……なんでそんな所いたんすか?」


「なに、此処には排水溝に似せた地下通路がたくさんある。その内の1つだ。少々狭いのが難点だが」



 ほんとな! 排水溝からぬるりと出てきて自らポキポキと外した関節直す様はめっちゃホラーだよ!


 驚かれないのか? って聞いたら「日頃の行い」だってさ。

 俺の前世では幾ら日頃の行いがぐう聖でも排水溝から“きっと来るー”ってやったらパニックになりますよ。



「さいでっか。……で? 用があるとかなんとか」


「ああ、そうだったな。王がタマ殿の噂を聞き付け城に呼びたいそうだ。ただし公的では無く私的に。だそうだ」


「王様がぁ? 俺にィ?」


「そうだ(hshs)」


「……なんかこの間からキャラ変わりました?」


「私は私だ(hshs)。単純に吹っ切れただけで元からこうだぞ?(hshs)私の妹も多少似ていたであろう?」


「多少って言うかまんまっすね! なんで平然と俺がリリーさん膝枕してんすか。後膝枕はうつ伏せになるのはちょいと違うかと……お前らァ! 頭に木の枝付けても茂みからガッツリはみ出したら意味ないんだよなぁ! 魔道具(カメラ)止めろ! 魔道具(カメラ)!」



「団長! いい絵が撮れました!」「キマシ!」「キマシ!」

「此処にも記念碑を建てますか!?」


「いや、やめておけ。公園に勝手に物を建ててはいけないぞ」


「「「YES! BOSS!」」」


 いつの間にか第二団、戦乙女の面々に囲まれていた。


「……騎士団の団長がこんなんで王都民何も言わねーのか……あれ? どこいった? 公園に人居ねーぞ?」


「ご心配なくタマ様。しっかりと我らの団結力により人払いは済ませております」


 すげぇなお前ら!?


「あー……そう。仕事は?」


「勿論の事王都の治安を護るべくパトロールに励んでおります」


「先程も店の支払いを虫がどうのとの難癖を付けて踏み倒そうとしたしょっぱい輩をバッサr……鎮圧して参りました」


「死んで……ないよな?」


「勿論。治癒が得意な者も必ず編成に入っていますので腕の4~5本ぐらい折っても問題はありません」


 被害者(迷惑者)は阿修羅か何かかな?


「さて、大変名残惜しいが、明日。夕方頃にこの公園に来ていただきたい。王城への地下通路があるので私が王のもとまで案内しよう」


「ぽっと出の何処の馬の骨か分からない奴にそんな大事そうな道教えていいのか?」


「普通は教えん。 が、王がいいと言っているのだ。ならば構わないのであろう」


「はぁ……?」


「それに、“アブラマシマシチャーシューサンバイメンカタメオーモリ”と言っていた」


「うへぇ、ギットギトやんけ」


「ふむ。それに反応したなら連れてこいと言っていたからな。ということで決まりだな、何の用かは知らぬがタマ殿ならばさしたる問題ではないだろう」


「行かないと?」


「知らん。行った方がタマ殿が喜ぶような珍しい石でも報酬として寄越してくれるのではないか?」


「あっ。めっちゃ行きたい」


「了解した。では明日だな」



「やはりタマ様×団長が王道では……」

「いえ、そこで敢えての団長×タマ様です! 攻めと見せて実は受け! このギャップです!」

「いや、やはり王道こそ至高! 団長が壁ドンからの顎クイされる姿想像してご覧なさい! おっふ……」

「キマシ!」「キマシ!」「キマシ!」




「俺がリリーさんと話してる間何の話してんのお前らァ!? そんでリリーさんも離れて! いつの間にか金持ちが首に巻く毛皮みたいになってるからァ! 関節どうなってんすかね!?」




 そんな公園の午後。


 ――


  一方その頃王城執務室。


「うーん、リリー君に頼んだけども大丈夫じゃろうか……でも断れない眼力だったし……なんで吾輩がタマ君探してるのわかったんだろか……わからん! 全然わからん!」


「そんなことより早う判子押せアイダホ。ワシまだめっちゃ怒ってるからな? 終わるまで監視してやるからな」


「ヒィー! 老害に虐められる!」


「同い年だろがボケェ!」


 王様、仕事に追われる。


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