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ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
3章 家に帰ろう 寄り道腕自慢大会編
88/202

84ネキ 復活のF

 前回のあらすじ


 ノー回転で真芯にぶつかってたら鉄球おじさん煎餅ができてたね!


(そんな可愛いものではない)




 ――――



『さーさようこそお越しくださいました紳士淑女の皆様方! 腕自慢大会本日2日目! 48人の猛者の中から更に猛者の24人が残りました! 早速トーナメント続けていきまっしょい! ……と言いたいところですが! それじゃぁつまらなーい! ということ、で! 此処からはルーレット方式で対戦相手決めちゃいましょー!』


 アンジュの合図で放送席にルーレット装置が運び込まれ、会場に設置してある巨大モニターにもルーレットの画面がタイムリーに写し出される。



『勿体ぶっても仕方ないので早速回しちゃいまーす! スタ〜ト! でれれれれれれれ……でん! ポチッとな! 先ずはゴードン選手を正面から撃破して人気爆上がり中! “眠れる鉄腕姫” タマ選手〜ッ! そ〜し〜て〜、でれれれれれれれ……でん! ポチー。 対戦相手はピーター選手を赤子扱い! かすり傷ひとつ受けずに勝利! 神速とはこのこと! “電光石火” のパヤオ選手ーッ! それでは両選手揃い次第開始致します!』



『選手入場までしばらくありますので、ちょっと両選手の解説でも語っちゃいましょうかね。 先ずはタマ選手。 彼女はシンシアの帰路の道中偶然祭りがあったので楽しそうなので飛び入り参加したそうです。 2つ名に関しては此処ひと月前から毎日同じ場所で寝てるとの情報で、誰が呼んだか眠り姫。この時期名物のやんちゃボーイズも豪腕から繰り出される指先一つでダウンさ! と合わさって“眠れる鉄腕姫” らしいですよ。


 そして相対するは魔王国からエントリー、 人とは違う逆足関節が超絶イカすぜパヤオ・ミャザキ選手! 怖そうな見た目とは裏腹に自然と子供を愛するナイスガイです! 参加理由は賞金の寄付目的だそうです! “電光石火”と呼ばれ神速のフットワークから放たれた金熊(ゴルデンベア・)(インパクト)はピーター選手を一撃で場外へと弾きました! ゴードン選手の鉄球を耐えきったタマ選手に通用するか〜!? えーはい。お待たせ致しました。私がくっちゃべってる間に両選手揃ってましたね。それでは銅鑼、どうぞ〜!』


 銅鑼の音が響き渡り試合が開始される。


「宜しくな。の一言でも言っときたいが、それより先に宣言しといてやろう。幾らパワーがあろうがそんなもん当たらなければどうということは無い」


 パヤオがリズムを刻むように軽い足取りでタマとの間合いを取る。


「お? あんた武器は持たないのか?」


「短剣1本だろうが俺にとっちゃ重くて邪魔なのさ。拳とこの身体が俺の武器さ、俺には解るぜ? 貴女もそうなんだろ」


「格好いいこと言うなぁ、 そういうの大好きだしそうだよ。あれば使うけど拳骨の方が好きさな」


「ほー? なら、その拳が当たるか試すと良い……っと! な? 当たらないだろう」


「めちゃくちゃはえーな。スゲーわ」


 パヤオが話をしている最中に踏み込んでからの大振りパンチで攻撃を試みるがパヤオの宣言どおりにタマはパヤオの残像に攻撃を当てるだけの結果となる。


「言っておくがいつかは疲れるだろうと思って消耗戦を狙うのは愚策と進言するぞ。普通の人とはスタミナが桁違いなんでな」


 反復横跳びを段々と高速化すると分身するように、パヤオがタマを挑発し、2人、3人、4人と残像分身を披露。


「さぁ! 幾らでも攻撃をしてくるといい! 貴女が疲労して満身創痍となった時、俺の全力の一撃、“金熊(ゴルデンベア・)(インパクト)”で仕留めてみせよう!」


 その後も、あからさまにビームは目立つから最終手段として見せたくはないらしく、適当に殴りかかっては回避され、イタチごっこが続いていた。


 初めは適当であったが段々と熱が入り、何としてでも素手で捕まえてやる! と、躍起になってきたタマである。


『パヤオ選手、ここでも機動力を発揮して避ける! 避ける避ける〜ッ! タマ選手、自慢のパワーを封じられそのままピーター選手の二の舞となってしまうのかー!?』


 方法としては全方位音波砲(唯の大声)の案もあったが棄却、どうにかして殴れないものかと思案する最中、此処でタマの頭上にナイスアイデア電球が灯る。


 攻撃を急に中止して距離を取ったタマをパヤオが不審に思う。


「……急に離れてどうした? 見た感じでは疲労には程遠いが」


「俺さぁ……気付いたんだよね。 俺が追う必要は無いって」


「何……?」


 パヤオに背を向けいきなりフィールドの角へと駆けるタマ。


『おっと!? タマ選手急にパヤオ選手に背を向けました! 棄権するつもりなのか!? それとも角に陣取り背水の陣とでもするのか〜ッ!?』



「残念! そのどっちでも、ねぇ、よっ!」


 体重マシマシのストンピングをフィールドの角へとぶち当て、石の目を読みながらどんどん微破砕を繰り返し、()()()()()()()()()()()()()()()()()()



『な、なんだーッ!? タマ選手フィールドを砕き始めました! これにはパヤオ選手も意味が分からずポカンとしています! かく言う私も意味が分かりません! ヤケになったかタマ選手!』


 尚も重機のようにめぐるましい速度にてガリガリドコドコと端を砕いては端を砕くという行為を繰り返す。


 呆気に取られていたパヤオ選手だが、半分ほど()()()()()()()()した辺りでタマの真意に気が付き焦り始める。


「これは……マズイ! 彼女を止めねば!」



 が。


 時既に遅し、どんなにパヤオからちょっかいを出されようが体重マシマシ状態のタマはやめない止まらない。


 なりふり構っていられずタマを止めようと試行錯誤したパヤオであったが健闘虚しく─




 現在のフィールドの大きさ、実に1メートル四方になってしまってさぁ大変。だがまだ小さくなる。


「♪ふんふんふーん」


「待ってくれ! それ以上は……」


「うっし。こんなもんで良いだろ」


 作業を終え、くるりと振り向き直す。パヤオとの距離現在5cm。

 満員電車さながらである。


「パヤオとか言ったな。俺と押し出し相撲しようか?」


 気持ちのいいタマの笑顔に対し、


「……馬鹿げてる、棄権はポリシーに反するのでいっそ一思いにやってくれ」


「あ、そう。そーれっ」


「おわっ……!?」


 ぽいーん☆ とバストアタックによりパヤオを押し出して日曜ナイトフィーバーのポーズで高らかに宣言。


「お前の脚は俺のおっぱいに負けたのだ。心せよ」


『決着〜! 成程納得! 相手が捉えられないのなら動けなくしてしまえば良いのです! そして勝負の決め手はボディアタック! パヤオ選手場外へと押し出されました! 足場をバリバリ砕いたのはツッコミどころ満載過ぎるのでスルーしましょう!』


「おっぱいに……負けた……」


 粉々になった場外にて突っ伏してショックを受けているパヤオ。


 まぁ、あんな負け方したらね、分からんでもない。



 そんな感じで勝ち残り、大会三日目。


 ちなみにスミャッキーさんは全身ローブの怪しい冒険者と当たって、魔法を撃たれてもお構い無しに突撃され、その圧倒的なパワーで片腕をもがれ何かしらの違和感を感じたので大人しく棄権したそうだ。


「アイツは何かが変だった、タマさんも気を付けろ」

 とか言われたけど何が変なんだろね? もしかしたらローブ脱いだら身長変わるとかか?



 そして本日の対戦相手。



「ホッヒヒヒ……まさかタマちゃんと当たることになるとはなぁ。悪いけど加減はしないぜ?」



「あんたは……モロティンさん!」


「ちゃうわ! フルティンじゃい!」




 龍と虎、タマとティンが相対してしまった。



 作品の品性が疑われて大変にヤバい。


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