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ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
3章 家に帰ろう 寄り道腕自慢大会編
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76ネキ タマ 作業員と化す

 前回のあらすじ


 食欲に負けまし、た!



 ――――


 ここは例のコロセウム、王都アイダホ自慢の万人が夢を見、そして散り幾多の屍の上に1人のみが栄光を掴める場所。


 そして、()()()()



 工事現場。



 薄暗い中、石を砕く音、人のやり取りの怒号、汗水流し多くの人が新しいフィールドを建設する中。



「おーい! 姐さーん! その切り出したヤツはこっちにもってきてくれー!」


「おーう、任しときな」



 なんかタマが居た。


 平たくも巨大な石板をひょい、と ウェイトレスがピザを持ってくるように軽々と指定された場所に運んでいく。


「はいスラー、スラー……オッケーい!」


 石切工の親方の合図に合わせてゆっくり、ゆっくりと下ろし、隣接する既設の巨大石板と寸分の高さのズレ無く設置し、フィールドの施工を進める。


「スゲーな姐さん! 何奴も此奴も切り出してもらった石板ピッタピタじゃないかよ!」


「へへー。そうだろ? 綺麗に切ることにゃ自信があっからよー」


「姐さんが来てから毎日馬鹿みてぇな速度で仕事が進みやがるからビックリだよ俺ら」


「最初の姐さん来た時はただのノッポのねーちゃんが冷やかしに来ただけだと思ったもんなぁ」


「最初にお前がティラリ嬢の連れてきた姐さんに突っかかったんだっけ?」


「うーん、その話は止めてくれ。小指1本で投げ捨てられたのは嫁にバレたら笑われちまう」


「うん? お前の嫁さんにこないだ仕事帰りに出逢ったから話しちまったが?」


「おいいいいい!? 道理で最近ニヤニヤしてやがると思ったら!」


「おい、手前らぁ! 楽ばっかしてないで姐さんが運んでくれたヤツ加工しやがれぇ!」


「「「あいよぉ、親方!」」」


 親方の号令の下、複数の石工が金槌とノミを持ち、既にタマが置いていた四角柱に群がり、あっという間に立派な柱へと変貌させてはまた別の加工待ちの品へと群がる。


 タマが巨大な岩石板へと魔法で成型されたゴーレムから注文の大きさへ寸分の狂いも無く熱線で切り出してはひょいひょいと運搬。

 それから微調整の加工やフィールドのパーツへと石工によって加工。

 異常としか表現しようの無い速度にてどんどんと新闘技場が出来上がってゆく。


 ─どうしてこうなったかは数日前に遡る。



 何だかんだあって、腕自慢大会とかいう、おやつのGET権を手に入れた俺は後、本戦にだけはキチンと出場してくださいね?

 とだけ釘を刺されて、向こうから何かしら連絡があるからそれまでは王都さえ出なければ好きにしてて良い。


 ということで遊んで回ろうかなー? とか思っていたが、気になることがあって調べることにしたタマ。


 ま、翌日適当にギルドに行って聞いただけなんだけどね。

 あと、昨日の観戦してた人から応援の声がちょいちょいあったくらい。


 ほんで、闘技場建設ちうとか言ってたけどあのゴーレム何処で使ってんの? と、聞いたら、建設作業の募集に参加したら分かりますよ。 と、言われたので、んーまぁええやろ。と思い作業員募集の貼紙をボードからもぎ取って、受付のおねーさんに提出してお仕事受けた次第。


 あ、お仕事受けた後は前回の経験を活かして地図描いてもらいました。ハイ。


 ……でも此処、俺が間違って入った入口の反対側だよなぁ?


 向こうの偉い人(監督)には募集で来たと伝えておくから、渡した時判を押されたチラシ見せればいい。と言われて到着後しばらく待ってたら〜……いかにも貴族みてーなツインテの先がドリルになった可愛らしいお嬢様が俺の前まで1人歩いてきたわけよ。


「……貴女が、連絡にあった募集を見てきた人。で間違いないでしょうか?」


「んだ。ほれ、見せろって言われたチラシだ」


「……はい。確かに証拠の判が押されていますね。ですが。私がこう申しますのもおかしいでしょうが、女性の貴女が本当に募集を見て来たのですか? 現場は力仕事に、気難しい職人の方が大勢居ます。 いくら私の指示と言っても彼らは納得しないでしょう。ソレを、貴女は理解したうえで此処に来ましたか?」


「知ったことじゃねえな。力仕事? 取り敢えず俺の仕事を見てから判断してくれとしか言えん。 気難しい野郎共? そんなん何処でも居んだろぉが。喧嘩売ってくるなら買って黙らしゃ良いんだよ」


 へっ。と半ば吐き捨てるように言い放つタマ。


 その様子を見て、少し驚いた後、感心して頷き、


「なるほど。その様子ならいきなり現場に押し込んでも問題無さそうですね。申し遅れましたが、私はブランブラ・ティラ・ティラリと、申します。古くからこのコロセウムの建築に関わってきたブランブラ家の現当主でございます。……宜しければ貴女のお名前を」


 綺麗な動作でタマ深々とお辞儀をするティラリ。


「タマって言う、人よりちょっとだけデケぇ変な女さ。ところでアンタは俺より若そうなのに当主なのか?」


「……まぁ、本来は兄が()りますが何分自分勝手でして……当主の座を蹴って冒険者になって遊んでおります」


「はぁ、難儀なもんよな。それは悪いことを聞いたな、すまん」


「いえ、本当のことですので。それでは私の後についてきてください、現場に案内しますので」


 ティラリの嬢ちゃんに言われて大人しく後をついていくことしばらく。


 薄暗い階段を下りきった其処は、野郎共の熱気漂い、汗水飛び散る騒がしい巨大な地下空間の作業現場であった。


 巨大な真四角の岩石からやっとこさ切り出し、男数人で丸太に載せ少しずつ転がしてはフィールドを設営していくという、原始的と言うか昔ながらのと言うかピラミッドの建設かよとかそんな印象。


 後で聞いた話なんだけど、魔法でゴーレムを巨大なブロックにした後は下手に魔法で形を弄ると破損時に魔法で修復する時に綺麗な形にならないんだとか。


 わかりやすく言うなら針金を一度曲げて伸ばしても癖が残るような感じだな。 なるほどだから原始的その方法で造らなきゃいけないわけだ。


「それでは、向こうに立っている白い鉢巻を巻いた頭髪の無い筋骨隆々のおじ様が此処の親方ですので頑張って作業してください。以降の雇用は親方の意見を参考にしますので、それでは」


「あいよ。……あ、因みに今、地下で造ってるじゃん? コレ意味あんの?」


「そうですわね。初見の方なら地上の闘技場ではなく何故地下に? となりますね。 ですが心配ありません。我が家の当主だけに反応する秘密の合言葉により、この地形がせり上がり、地上のフィールドが崩落して地下と完全に入れ替わります」


「合言葉?」


「ええ。 私が魔力を込めて唱えなければ起動しませんので大丈夫ですよ。 合言葉は ♪ワンダバダバワンダバダバ……です」


 ……科〇特捜隊の出撃音かな?



 当主はM78星雲から来てそうだな。



「……先祖の名前は?」


「偉大なる祖の名前は“ブランブラ・モロダシ・ボン”様ですが?」


 なるほどぉ。納得の名前だな。


 そして、ティラリのお嬢と別れた後は鉢巻の親方に挨拶に行って後はお約束の絡まれ喧嘩買いーの、石の切り出しアピールと運搬能力のアピールしたらそりゃあもう大喜びで肩叩かれたわ。




 っつーわけで俺は今建設作業に勤しんでるわけよ。


 いやぁ、やっぱり造るって楽しいね!









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