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ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
3章 家に帰ろう 寄り道腕自慢大会編
72/202

68ネキ 慣れた頃に事故は起きる

 前回のあらすじ


 もっもっもっもっ


 ダンジョン内で一心不乱にパンを頬張る。


 はっ!? これが噂に聞くダンジョンめr おっと! これ以上はやめとこ。


 後はゴーレムに投げた箱直してまた使うから返してくれとかそんなん。エコやね。


 ――――



 ♪パパパッパッパッパ、パァウァー!!



 取り敢えずと言うか何となくと言うか、適当にやったハイキックが飛来するゴーレムの腕を粉☆砕!


 足めっちゃ上がるわ。すっげー! 前世だったらミドル止まりだもん絶対。


「……腕が飛んで来た時はかなり肝が冷えたよ。タマさんが居るなら安心できそうだ」


「ってかタマさんアレ蹴り砕くとか半端ねえな!? 足平気なのか?」


「全然。後何発飛んできても問題無いわ」


「腕が後衛狙いだったのは内心焦ったが、なんか全然大丈夫そうだな。後一体も安心して狩れそうだ」


「ホヒッ、真正面から砕くとかマジパネェな……」



 おやつタイムからは、ゴーレムが割とタイミング良く連続で来たのでスミーさんとティンさんのコンビで順調に4体倒したところでのハプニングだった次第。


 ノーラスさんとカトラスさんが退避しようとしてたからアピールも兼ねて飛んでくる岩石塊に走って飛んでの空中ハイキック(失敗しても俺で岩止まるし)を敢行したわけよ。ま、上手くいって良かったね!


 そうこうしてるうちに向こう側でボカンボカンと連続爆破の音がして、討伐側に渡した収納袋へゴーレムが仕舞われていく。



「さて、コイツで4体目なわけだが、俺はともかくフル。魔力と道具は持つか?」


「後一体だろ? 余裕よ! カトラスさんのおかげで相当軽減されてるから余力6割って所だな。ワイヤーボムはまだまだ持ってるぜぇ? でもコレ使った後の手入れ大変なんだよ」


「大切な商売道具だからな。手入れはしてやらんと……と、何だか巡回が随分と早いな」


「……おい、最後の奴何だかちょっと形が違くね?」


 通路の奥から先程のゴーレムたちと同じようにゆっくりと歩いてくる討伐予定最後のゴーレム。

 他のゴーレムとさして見た目の違いは無いのだが、頭部の目にあたる部分が先程まで狩っていたバイザータイプではなく、ツインアイタイプになっており、特徴的な太く巨大な腕は更に半周りほど太く、他のゴーレムとは微妙に違う空気を醸し出していた。


「ふむ……頭部と腕が少々違うみたいだが……珍しい固体なのだろう」


「そうだな、別に色も変わりゃしねーしこっちに寄ってきたらサクッと仕留めて帰るか」


 そしてゴーレムがゆっくりと歩み寄り、そろそろ此方の攻撃射程内という所でスミャッキーがふと疑問を口にする。


「なぁ、フル。 ゴーレム狩りの奴はこんなにノロマ相手にどうして大怪我負ったんだろうな」


「あぁ? そりゃお前、事故ってのは不測のことが起きるから事故なんだよ。怪我した奴はたまたま強い奴に出くわし……」


「フル。冴えてるなお前、どうやら大当たり引いたようだぞ。アイツ、()()()()()()()()()()


 近寄ってきていたゴーレムはある位置でピタリと止まり頭部のみギギ……と、軋みを上げながら動かし、確実にデコイではなくスミャッキーとフルティンの方に、視線を向けて対象を捉えた。


 それと同時に両腕に亀裂が入り、バラバラと解けた後は大小様々な四角い岩石の()()が浮き、ゴーレムの周りで高速旋回し始める。


「……解った。ゴーレム狩りは間違いなく、アイツにやられた」


「ホヒッー! 謎が解けてスッキリしてる場合じゃねえ! アレは絶対やべぇ! 間違いなく俺ら目掛けてぶっ飛んでくんぞ!?」


「うむ。既に発射態勢に入っているな……如何せん隠れる場所が遠すぎる。量も凄まじい……柱に走ったところでお陀仏だな」


「余裕だなぁお前!?」


「慌てたところで妙案が浮かぶわけではないしな、もうすぐ5人纏めて瓦礫による圧殺か」


「爆発で迎撃しようかと思ったがもうやべぇ! ……来るぞ!」


「さて、何処まで落とせるか解らんが抵抗してみます「二人とも! 俺の所に来い!」


「良い回避法でもあるのか! タマさん!」


「いいから、早う来い! 間に合わなかったら面倒みねぇからな!」


 次の瞬間、ゴーレムの周囲で嵐の如く旋回していた岩石塊が軌道上から外れ、次々と此方に撃ち出される。 それは岩石の雪崩が如く、冒険者たちを呑み込まんと迫る。



「「……走れ!」」


 雪崩が来るのを察知し、スミャッキーとフルティンの2人は我武者羅にタマたち目掛けて走る。


 幸い距離はそこまで離れていなかったので、直ぐに合流はできたが、岩石群は目前へと迫っていた。



「はーい素直に聞いてくれてありがとうよ。じゃ、俺もちょっとくらいかっこいいところ見せてやらァ」


 言葉と同時に足元の巨大な石畳、そう、石畳と表現していいか分からぬほどの岩石の塊を、引っ張り起こして忍法で言うところの畳返しをするタマ。


 飛来した岩石群はそれ以上の分厚く頑強な物に阻まれ、全てタマの起こした石畳に受け止められた。


 そしてその一瞬の出来事に口をあんぐりと開け目が点になるスミャッキー、フルティン、ノーラス、カトラスの四人。


 それに対し、タマは、



「……助かったろ?」


 ニッ。と笑い親指を立ててドヤ顔で返した。

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