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ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
3章 家に帰ろう 寄り道腕自慢大会編
70/202

66ネキ 面子顔合わせ

 前回のあらすじ


 ふらふら街を彷徨(うろつ)いてたらあっという間に夜よな。


 酒場発見! 突撃!


 ま、ブドウ酒、多分ブドウ。美味いうまい。あとは頼んで鳥らしき照り焼き食って帰っただけだけど。


 ――――



 うーん……おはよう。


 防音とかの概念あるか分からんけど、朝になると皆動き始めるからその音でついでに起きちゃうんだよね。


 正午までにとか言ってたし余裕を持って行動! 遅刻は良くない。


 ほんで宿のおじさんに一言出かける旨を伝えてぼーちぼーちと散歩がてらの移動。朝でも通りには人が多いよなー。


 どこの世界でも朝からやることがたくさんあるのは同じよね。パン屋とか仕込みやら何やらでぜってー大変だよ。自営業だから残業代も何も無いわな……ん? パン屋? そーいやーパン久しく食べてないよな。


 フカシの街では柔らかい麦パンとかあったけどここに来るまでガッチガチに硬い保存に向く冒険者パンとかだったからなぁ。

 あ、俺は大好きです。硬い? 何その単語わちきわかんなーい。


 さて、朝飯がてらパン屋探すぞパン屋。街中では石食えねーしまぁ宿の中で摘んでるから飢餓(うえ)ることは無ぇ。いや、なんつーかやっぱり腹が減るとイライラするよね。自身に余裕が無いと振る舞いにも余裕なんて出せねーし、それは置いといて。


 ものを都合よく聞けるコツを教えてあげよう。

 先ずは声を掛けても問題無さそうな感じの奴を見つける。


「お兄さんお兄さん」


「ん? おお? 大きいね?」


「まー、よく言われるよ。でさ、ここら辺でパン売ってる所知らない? 朝食にどうしても食べたくてさー」


 そして質問をしながら相手の手を握ってそっと大銀貨1枚を握らせる。


 相手は一瞬驚くが……直ぐにニッコリと笑い、


「ここいらで評判の良いパン屋ならこの道をこう行って向こうにに曲がれば見えてくるよ」


「お、そっか。ありがとね、お兄さん」


 情報、ゲットだぜ!


「道教えるだけでこんな儲かるなら案内屋でもやっとけば良かったさ」


「はは。儲かるといいなぁ」


 ひらひらと手を振りながら別れ、目的の場所に向かう。


 ね? 簡単でしょ。


 人に物聞く時は銀貨握らせよーね。世界変わっても通じるぞい!


 そして道中カット! パン屋的な所発見! あ、硬くなさそうなパンも売ってる。たまにゃ食べてみるか。とりま麦パンだけどな。


 そして買う時にパンに合う肉も隣の屋台で焼いてるとの情報。パン屋の親父商売うめーな。勿論肉を挟まない理由は無い。

 頬にハムスターばりに頬張りながら歩いてギルド到着。

 ちょっと時間には早かったか……って、人いる? 早くない?



「おいーす」


「あ、タマ様。正午と申しましたが随分とお早いですね」


「ま、暇なんで早めに来たのさ。こちらの方々は昨日言ってた先客?」


「あ、はい。タマ様から見て右からノーラスさん、カトラスさん、スミャッキーさん、フルティンさんですね。皆様方、この方が昨日依頼に応じてくれたタマ様になります。同じBですので実力はあると思いますよ」


「ふむ、少々大きいが凛として美しい方だな。私の方がノーラスで私と似た格好の奴がカトラスだ。男にしては珍しい魔法使いでな、私が治癒魔法で、カトラスが補助魔法を得意とする」


「宜しく! 俺の紹介はノーラスがしたから省略だな」


 2人、白いローブを纏った良い体格の中年男性で、鼻髭の方がノーラスで顎髭の方がカトラスらしい。


「次は私だ。私の名はスミャッキーと言う。職業は魔物狩りで、火炎系の魔法を得意としている、今回のゴーレムに火はあまり効かないがまぁ、技は使いようだ、足手まといにはならんだろう」


 そう言って俺に握手を求めてくるのは鼻から下がマジ〇ガーZのようなマスクを着けた魔道士の男。

 ……そっから風とかでてこないっすかね?



「お、よろしくー……ところで、俺はそのマスクが凄い気になるが、聞いても?」


「ああ、構わないよ。魔物はね、炭化するまで燃やすと体に良くないガスが出たりするんだよね。それでこのマスクを付けてたらもう着けるのが当たり前になって今度は外すと落ち着かないのさ。ははっ」


「良いデザインしてんじゃーん」


「お? コレの良さが解るのかい?」


「ホヒッ、スミーのマスクをカッコイイたァ面白いねーちゃんだな! 俺はフルティンっつーもんだ。職業はバウンティハンター、まーわかりやすく言うと賞金稼ぎよ。悪い奴らとかを捕まえてカネ稼いでんのさ。得意なことは爆発魔法。派手に見えるが実際はとっても繊細な魔法なんだぜぇ?」


 特徴的な笑い方をするのは弾薬ベルトのような筒の連なった帯をX状にかけ、ベスト仕様の服には小物ポケットが付いており、そのポケット全てにも小さな筒が入っているバンダナを巻いたほうき頭の男。


「私のマスクの格好良さが捕まえた野郎の尻に爆竹を詰める悪趣味な男に理解できるわけは無いがね」


「ああん!? おめェこそ獲物がブスブスに焦げるまで焼きやがってよォ! 臭っせーんだよ! 毎回!この焦げ付き野郎が!」


「何だと!? 尻爆竹!」


「俺の崇高な趣味がコゲ男にわかるかっつの!」


「その言葉そっくり返すぞ爆竹!」


「「やるか!?」」


 おでこが着くほどガンをくれ合い、バチバチと火花を飛ばし合う2人。


「……受付のおねーさん、この仲がいい2人は?」


「あー、スミャッキーさんもフルティンさんも優秀な方なんですけど、どうしてもお互いの趣味が合わないらしくて……よくこうやって口論してるんですよ」


「喧嘩はするが二人とも相手のことは認めてないわけじゃないからタマさんも直ぐに慣れる」


「だねー」


 うんうんと頷くノーラスとカトラス。


「あそう? じゃぁ最後は俺ね。 俺はタマってモンよ。人よりチョイとデカいが力と丈夫さなら任せとけ」


「うむ。改めて宜しくだ、タマさん。 して、丈夫とはどの程度のものかね? 私とカトラスは後衛だから人のことをよく知っておかないといけないからね」


「うん? そーだなー……あ、俺、オーガーと素手で喧嘩して狩ったことあんぞ」


「「素手で!?」」


 驚くノーラスとカトラス。


「マジマジ。だから大抵なら真っ向から受けるぞ俺」


「見た目からは想像できない剛力なんだね」


「すげぇ頼りになるな……男が女性を頼りにするのはどうかと思うけども」


「あのねー。ノーラスさんとカトラスさん。 確かに一般的にはそうかもしんねーけど俺は後衛職が戦いにおいて大事だと思う。仮に俺が怪我してもそっちが治してくれればまだ戦えるじゃん。そこに男も女も無いの。強引な話だけど俺は会ったばっかの2人に背中預けるぞ?」


「……ノーラスよォ」


「うむ……なんと言うかとても豪気な女性だな」


「ところでノーラスさん。あの二人いつまで喧嘩してんの?」


「……多分そろそろ引き分けると思う」


 そこには未だEXI〇E(チュートレ)ばりの回転運動をしながらガンつけ合戦をしてる2人が居た。

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