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7ネキ  居着く。  ~そして全裸での出会い~

 前回のあらすじ。  


   集落に着きました。


 ――――


「ミんな、ただイま」



「おかエり」 「おかえリ」 「オかえり」 諸々……


   岩人(ストーンマン)ってもなんか個体差すごいな。 



   雄が目測身長2、5mから~3、5mくらい。

   アダンマの3m級が一番多い感じ。

   姿も結構違うね。

   あの緑色の奴は某機動戦士のゾゴ〇ク。

   頭なくて胴体にモノアイ一つとかいやむしろまんまやんけ。 腕伸びそう……


   3,5m級の奴は鈍い金色で肩がデカくて、ゴ〇ク…… こう、棘付き鉄球を止めそう。


   2,5m級のが、ア〇グ…… 地面掘りそう。   


   その、なんていうか……カラーリングは全然違うけどストーンマン創造したこの世界の神様って絶対前世の方の世界の機動戦士知ってるよね、知ってるよな?




   異世界だから版権も何もないけどさぁ!


   まぁ正直の感想言うと。  


   こいつらいいデザインしてんな。 俺も大好きだよ!


   どうでもいい情報だけどジオニストだったからね。 俺。   



   おっと話戻そう。

 んでたぶん体が半透明の硝子みたいな2~2,5m級の個体たちが雌だと思う。

   見た目は雄ほど個性がなくてみんなちょっとガタイがいいデッサン人形みたいな感じ。


「オカエり、アダンマ、かミさま、つレてキた?」


 おっと挨拶がみんな終わってこっちの話題になったようだ。

   ちなみに道中アダンマに聞いてみたが初対面なのに、なぜこんなにフレンドリーだったのか聞いてみたら、同族はシンパシーみたいな物を感じるらしく違う群れでも問題なく仲間。みたいな認識みたい。  


   それで例によって同じだけど上位的な何かを感じるらしく、ま〜た神様呼びされるわけである。


「うウん。チがウ。カミさま、じゃ、ナイ。ボス」


「ボス!!」 「ボス!」 「ボス!!」  「ボス!!」



 ナイスだアダンマ君! でも揃ってボスコールはやっぱり恥ずいぞ、やめちくり〜。


「えっと、今日から皆の仲間にさせてもらうんだけど、受け入れてくれてありがとな」 


   ちゃっかり住み込む宣言したが、実は入り口から謎の工房みたいなのがちらっと1軒だけ見えた。

   これは是非住み込んで調べるしかない。例の人の家? 


   まぁ戻ったばっかりらしいしまた来る前にしっかり掃除して出ていけば大丈夫だろ(根拠のない自信) よし大丈夫だ。



   とりあえず話を進めるために狩ってきたロックリザードの甲殻を中に持ってこうと急かす。


   そしたらまた諸手上げで喜ばれてボスコールが始まる。

   やーめーてー。内心超恥ずかしい。


   ちなみに取ってきた食べ物は皆で均等に分けた後、余った分は備蓄するとのこと。 


   どこにするんだって気になると思うけど、なんと雌の方は魔法が使える。

 魔法! そんなものもあるのか!(白々しい)

   〔ストーン・ウォール〕とかで大きい一枚出してそれを倒し、囲うように4面再度魔法で壁を作って、最後に天井にする壁を出して雄たちでかぶせてつなぎ目を魔法かけ直してくっつければ、家の出来上がり。 

   食糧庫も同じ手順で作られる。

 入口? もちろんくり抜くに決まってるやろ。




   ……箱ですやん。 なんて解ってることは言わないでほしい。

   そもそも彼らには雨風が凌げればいいのでその作りで十分らしいのだ。 食料だってまず腐るはずがないからね(鉱石だし)



   なんかもう初対面なのに、しばらく会ってなかった仲間に再会する感じで歓迎されるのは違和感ありまくりだけど向こうにとっては常識なのだからしゃーない。  


 ーーはいカット。


   そんなこんなで数日経ったよ。  


   いやー馴染むのに日数はかからなかったね。強いて言うなら3分くらいかな。(村の入り口の件)



   とりあえず一緒に過ごしてさらに解った生態つらつら。



   1日のサイクルが起きて飯もそもそ→日向ぼっこ→夜寝る   


   ホンマコレ。 日光受けることでエネルギー生成できるらしくて飯食って日に当たるのが一番成長するんだって。  

   番の個体はお互い手つないで日向ぼっこ。

   長年連れ添った熟年夫婦感がすごい。 和む。



   あーそうそう。そういえばきちんと子供の個体もおるねんで。

   成体前は皆色が灰色みたい。 


   例によってヒーローのごとく崇められてしまったけどもうそこら辺は悟って平然としてる。 


   いやー超可愛い。 子供はいいぞ!! クソ餓鬼は嫌いだが純真無垢な子供は良い。 


   ……あれ? 成体も大して変わらない気がするな? まぁ、いいか。


   気になってどうやって子供ができるのも思い切って聞いてみたが、凄かった。 


   なんでも番で手つないで日向ぼっこしてるうちにお互いの魔力がゆっくりゆっくり混ざって雌の方に自身の核とは別に小さな核ができると。 

   そんで出来上がった核を柔らかめの岩の中にやさしく埋め込むと、岩を吸収して体を形作り、新たな個体が誕生するらしい。 





   …… 



   手つないで一緒に居るだけで子供できるってファンシーかよぉ!!!!!!!

   もう好き。ストーンマン大好きすぎるわ俺。こんな可愛い生物見たことないぞ!!!


   なんでここの世界の人間此奴たち狩れるの? むしろ向こうが魔物なんじゃないのって思ってきた。 





   おっといけない。 テンション上がってついストーンマン保護団体(俺一人)発足しそうだったわ。






   さて、今度は謎の工房の話しよう。 


   工房って言ったけど中入るとほんと工房だったわ。 家具のサイズとかちょっと小さめ。 

   此処に来てるのって小柄な人なんだろうか。 


   鍛冶場? 金床とかでっけぇハンマーとかいっぱい置いてある。  

   特にびっくりしたのが炉? がずっと燃えてる。

   しかもデカい。工房の3分の1くらい炉になってんじゃねーのか?

   ずっと燃えてる理由はドラゴンマウンテンの中に燃えてる火山から魔法で空間つなげてーのうんぬんかんぬんだから、まんま火山の中らしい。

   ってアダンマ君もその人から聞いた受け売りだって。

   ほんですぐ横に焼いた鉄冷やす用の……油? 油だね。が並々注がれて溜まってる。

   これも結構なサイズなんだが此処で竜殺し(ドラゴンスレイヤー)でも作ってるんじゃなかろうか? 結構な設備やで。 

   後、ここに来るのが腕のいい鍛冶師っていうのも見て取れる。 


   だってよー、道具全部超綺麗に手入れされてんだもん。解る奴が見たら一発でわかるわコレ。 おっほーこれとか良い金槌やーん!? 美味そ……おっとっと。







   …………。


   と こ ろ で 、今俺は工房の


 炉の前に立ってるわけなんですよ。

   なんでかっていうとね。 本能が俺にささやいてくるのよ。 “炉に入れ” って。

 いやー入りたくてしょうがねぇ。


   普通そんなことしたら死ぬし焼身自殺まっしぐらなのだ! へけけ! とかならないでも親指立てながら溶鉱炉に沈むとかそんなんなりそうなんだけど、なんか全然いけそうな気がするー。

   というかさっきから行きたくてしょうがない。 


   さて。そうこう思ってる間に服は脱いだ。 

   大事な一張羅なのでたたんで横に置いてある。 服着たまま炉に入るとか正気じゃないからね。うん。裸でも正気じゃないけどな!!


   そして現在すっぽんぽん。 全裸ともいう。  


   よく朝起きたら女の子になってる! みたいなやつで自分のおっぱい堪能するとかあるけど、今度は自分の番になってみるといいよ。 

   全然興奮しない。今は生まれ変わって完全に性別違うわけだからそんなもんじゃないかな。

   とりあえず俺に関してはそんな感じ。 他は知らん。 


   気になるならあのTS神(髭)にでも聞いてくれ。


   さて、それは置いときさっそく入ってみるか。

   ちょっと手入れて熱かったらやーめよ。


 恐る恐る手を炉の前に入れてみる。

   いやまぁ、燃えてる炉の前に立っている時点で普通は熱いはずなのに熱くなかったからね。 

   どんだけ熱に強いんだこの体。 


 おじゃましまー……

   それじゃ、よいしょぉ!!


 特に意味はないけど両腕をクロスさせジャンプで屈みながら飛び込みーの。   


   綺麗な着地!  10点!!!(自画自賛) 



   ふむ……自分の体を見回してみるが、髪も全然燃えてねぇすげーなこりゃ。 

   呼吸も吸って吐いてる動作普通にできてるし喉も焼けん。

   しばらく息とめ……全然苦しくない。

 呼吸する必要あるんだろか?

   意識して止めたが意識しないと自然と呼吸してるし。

   マジでどうなってんの。 



   それにしても、ふぅ…… 

   人間の感覚に例えるならアレだ。

   風呂。

   暖かくて気持ちがいい。 


   そのまま大の字に寝そべる。うーん今の俺焼かれてるピザ。 いたりあーん。



「あ~まさか炉に入って風呂の感覚味わえるなんて予想もだにしなかったわほんま……」



   そのまま30分ほど焼かれて気持ちよさを堪能しつつ満足したので炉から出ることにした。 


「あ”~いい湯(?)だっt」


   ほこほこ(熱々)しつつ炉のすぐそばの焼き入れ用油に目を奪われる。 


 ドプンッ


 ジュボァァァァァァァァ!!!!!!!

 

   粘度の高い水の音からの、高温の物体が冷たい液体に投入された時の独特の蒸発音が鳴る。



   入るね!!!!! いいやもう入ったね!!!!!   



   ものすごい欲求に駆られて一にも二にもなく油に浸かる。 



「ッづぁぁあ~~~~~~~~~~~~~~~~……」     


 た、たまらん。身がギュッと引き締まる感覚、最高だわ。超気持ちいい。


   こう、入る前に比べてちょっとだけ、体が以前より強く? なった気がする。  


   気がするのであって定かではないが、それ抜きにしても最高である。サウナの後の水風呂って感じ。



   いーやー。此処の人にはわりぃけど良い施設やね此処。俺もうここに住むわ。   


   鉱石のポイントも教えてもらったし、よくいるトカゲはみんな日向ぼっこしてて日中暇になるから散歩がてら狩れるし(ついでに飯にもなるし)  


   何より此処の、のんびりとした空気が大好きなのだ。    


   後5年後に人来るっていうけどへーきへーき。

   来る前にはきちんと片づけしとくから!!  



   さぁ! いまここから俺ののんびりライフが今! はーじまーるよー。








 ――――――――5年後――――――――













「…………ワシの工房の油に浸かっとるアンタは……何者じゃ?」




「あっ」








 今、何年目だっけ……? 

 5年後に人来るの忘れてたぁ……

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― 新着の感想 ―
[良い点] 物語と言い、主人公の姉さんと言い、すげぇダイナミックに突き進むところが超楽しいです。 7話のラスト、のんびりスローライフだーっとか言っていきなり5年後になるくだりでズッコケた。もう椅子か…
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