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ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
3章 家に帰ろう 寄り道腕自慢大会編
63/202

59ネキ ダンジョンマスターの最悪な1日の始まり

 前回のあらすじ。


 良かったのか? ホイホイ誘われてきて。


 (ダンジョン)は冒険者だって転生者だって遠慮なく食っちまうぜ?




 ――――


 此処は王都とバガディールの中間に位置する誰も知らない未発見のダンジョン。 人が往来する頻度が非常に高いのに、誰にも知られていないダンジョン。


 その理由は入口にある。


 草原の真っ只中、入口が地下に有り見渡しただけでは絶対に解らない。 未発見なので、勿論名前も無い。

 太古の昔、コアを生成した人物が自身の遺産を守るために多数のゴーレムを造り、配置した。元より目立たない場所に作られていたため、地形が変わり土に埋もれ、平らな草原に変わり、誰にも気付かれずに現在までひっそりと稼働していた。


 この間までは。



 ロッジにより発見され、カマリエラによる乗っ取りの後、完全に制御下に置かれたダンジョンは、ロッジことダンジョンマスターの城と成り、ダンジョン内はロッジの腹の中と化した。


 街道から外れた所にあるそれは、中の改造が完了し、いざ人を迎え入れんと地面から入口が隆起して口を開ける。


 ダンジョンのルールとして、入口から出口(転送陣など)は必ず繋がってないといけないというルールがあるが、ロッジは()()()2()()作り、本来のコアに繋がる道、ボスルームから二股に分かれる2つの道の内、片方は特注の壁ゴーレムにより塞ぎ、自身のマイルームに繋がる道は完全に隠すという方法を取った。


 そして冗談で撒いてみた宝石に釣られて1人の転生者がダンジョンマスターの腹の中に誘われようとしていた。




 ……多分と言うかそれは食べたらお腹壊すと思いますよ。


 ――――


 全七階層、ダンジョン最奥のマイルームにて。




「……さて、あんな馬鹿げた方法で人が、しかも転生者が来るなんて僕も思わなかったよ」


「転生者皆マスターみたいに馬鹿なんじゃないですか?」


「さり気なく僕をdisるな……お、入口まで来たね。さーさーまずは定番の優しい罠から魔物、そしてだんだん鬼畜になる仕様! 直ぐには死んでくれるなよ? ……ん? アイツ入口の看板見てるけど僕そんなの建てたかな?」


「あ、ソレなら私が“この先財宝有り!”と、書いて立てました」


「そんなアホらしい立て看板見て駆け込む転生者なんているわけないじゃん!?」


「……喜んで中に駆けていきましたけど?」


 見たかと言わんばかりの表情のカマリエラ。


「居たわ……ごめん」


 両手で顔を隠してため息を吐くロッジ。


「やはり初見で感じた身震いは気のせいでしょうか……マスターに比肩するくらい能天気な方ですよこの人」


「やめて……さすがに僕はここまでお馬鹿みたいじゃないから。コイツ監視されてるとも知らずにとっても馬鹿そうな顔してるもん。美人の作りだけど、僕でもスキップしながらダンジョンに単身入らないから……」


「まぁ、マスター弄りは置いといて、先ずは第1階層ですね」


「ねぇ、今僕弄りって言った? 言ったよね?」


「気のせいですよマスター。忠実なる配下でマスターの半身たる私がそんなこと言うわけないじゃないですか。ほら、早速スイッチ式の矢のトラップに掛かりますよ」


「あ、もうここまで来てるのか……どれどれ、僕の改良したスイッチはタッチパネルのようになってて凹まないから悟られないぞ?」


 カチッ。



 カイーン!


「……弾かれました。マスター。対象、無傷でスキップを続けてます」


「え? は? なんで? ええい。この先はゴーレムエリアだ! 人が簡単に勝てるわけが無いブロンズゴーレムがたくさん居る、さて」


 ゴシャッ!


「ワンパンでゴーレムたち、コアを砕かれて沈黙しました」


「ま、まぁ。転生者だし、ブロンズゴーレムぐらいでは止まらないよね。この先は壁床全てタッチパネル式の飛び出す槍エリアだ。どうやって通り過ぎるかな? 飛ぶか? ワイヤー張って通り過ぎるか?」




 ギャンギャンギャンギャン!



「マスター。槍は全て刺さらず逸れました。対象、無傷で第二階層に降りた模様」


「コイツ防御力どうなってんの!? 僕でも刺さる槍よ! ソレ!」


「左様ですか? それっ(チクリ)あ、本当ですね」


「あ痛ぁぁぁ!? どっから持ってきたのソレ!」


「たくさんありましたので1本何かあった時に役に立つかと。早速使い道ありましたね」


「上司の尻を刺すのに使うんじゃない!」


「そんなことよりもマスター、第二階層の大岩トラップ、狭まる道トラップ、そして逃げてきた先の釣り天井トラップエリアに差し掛かりますよ」


「そんなことってお前……まあいい、さて、この隙を生じぬ三段重ね、どう攻略するかな?」



ドンッ!(受け止め)


ズゴゴゴゴ……(こじ開け)


ドシャアッ!!(難なくキャッチ)



「マスター。全て力技で攻略されました」


「なんだこのゴリラ女は!? ……その先はシルバーゴーレム軍団だが……」


ドコドコドコドコォ!!


「とても力強いショルダータックルですね。シルバー軍団、すべて撥ね飛ばされて第3階層に降りました」



「ワ〇オかよぉ!? 残像が見えるタックルってなんだよ!」


思わず台パンをするロッジ。


「マスター。私そろそろまずい気がしてきました。大人しく素通りしてもらって帰っていただくべきでは?」



「いや、まだだ! 此処から僕の本気モードだ! こうなったら意地でもこのゴリラ女には死んでもらう! そうでなきゃヨシヒコなんて殺せないさ!」



「左様ですか。それでは引き続き、監視を続けます」


「ククク……ちょっとくらい(ちから)が強くて頑丈如きで単身攻略できると思うなよ……」


「こういうのってフラグって言うんですよね? 分かります」


「やめろォ!」


――――



「矢がいきなり飛んでくるわ槍が生えてくるわ不思議なダンジョンだな此処。敵もゴーレムばっかだし、やはり奥にはオリハルコン(至高の旨味)とかが!? 期待値高いぞこりゃあ!」










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