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ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
3章 家に帰ろう 寄り道腕自慢大会編
58/202

54ネキ 伝説を作る女

 前回のあらすじ


 シンシア側の方がキャラ濃ゆすぎない?


 あいやどこも濃ゆいわうん




 ――――


 ♪あるー日ィ、森のなっか、くまさーんに、出あーシャッオラァ!


「ゴガァ!?」


 丁度良く泉を発見したら熊っぽい生き物が、泉に脱糞しようとしていたので、取り敢えずドロップキックをかました次第。


 やめろこの糞熊ァ!


 俺が知ってる熊より2、3倍デカいけど、どうせそれがこの世界の熊の標準かなんかだろ。


「ったく……」


 あっぶねぇー。 靴洗おうとしたら熊で拭いた感じになったじゃないかよ……一応水汲んで靴洗っとこ。


 ――


 さて。 靴も綺麗になってスッキリ。は? 桶はどうした? 桶なんてそこら辺の木倒してくり抜きゃすぐ作れるでしょ。


 泉に脱糞されるという危機は脱したし、改めて熊? の方を見る。


 ……うーん脇腹の良い所入って痙攣の虫の息ですね。こりゃーひでえや……やったやつは相当な極悪人ですな? 全くどんなヤツだよ……


 仕方ない。介錯してやろう。


 ワッショイ!


 タマが力の篭った掛け声と共に熊の頸椎に手刀をかましてぶち折って楽にしてあげようと画策。

 ちょっとした断末魔の悲鳴の後、熊は完全に動かなくなった。


 熊には災難だったかもしれないがこんな綺麗な泉に脱糞は俺ルールによりギルティ。

 悪いな、いきなりだが今から俺が法律だ。


 法案の改革を求める方は俺と拳にて語って、どうぞ。


 熊を仕留めた後、泉の方を見渡す。


 おー。かなり澄んでて良い泉なんじゃないの? ……誰も居ないか? 居ないな。


 周囲に獣や人が居ないことを確認して、タマは着ている服を脱いで水浴びの準備を始めた。


   人の居ない広いとこで水浴びってやってみたかったんだよね〜。 開放感あるし。


 自身の身体は発汗などしたことないがニッコロの街は素通りしたのでここ数日風呂に入ってない。 多少の埃などは体に着いてるだろうしタイミング的にも丁度良かったので、服もサッと洗って干すことにした。

 ガンテツが作ってくれた何とかクラゲ(もう忘れた)の服さー、どっからどう見ても布なくせに乾くのすんげー早いんだよね。 速乾性?


 洗って干してる間、水浴びでも楽しむか。


 そして水と言えばですが! 海は深すぎて怖いから此なら深度もそこそこだし、()()()()といきますか!


 ザブザブ水を掻き分けて湖の中心に向かって歩いていく。


 足、腰、肩、そして頭と水中に次第に沈み─


 そして。



 イェイ! 俺だよ。 今、湖の中心ぐらいにあぐらかいて、空からの陽光が湖の中に差し込んできている風景を楽しんでいる最中よー。


 こうして水の中沈んで息しなくても平気ってのは本当に人間辞めてるよね、俺。

   でもボンベすら付けずにただのんびりと水の感覚と木漏れ日を堪能できるので、価値はあるとおもうね〜。


 そんなこんなで、遂には大の字になってタマが寝ていると(光の屈折や謎の陽射しにより配慮されています)、急に泉の中に物が落ちてくる音がし、気持ちよーく寝ていたところに水が差される。

 まァ周り水しかないんですけど。


 ……んぁ? 斧? ……斧だな。 (きこり)とかが持ってそうな大きめの斧。 そしてすぐ様お決まりセットの樵も泉の中に落ちてきた。


 そうだよなー。 斧っつたら樵もセットだよなぁ……




 待て待て待て待て。

   樵の方は人だから溺れるやんけ!? とりま斧を拾い樵も拾い、泉の外に上る。


 すると周囲には熊。 熊熊熊。 先程の糞熊と同じ熊が数頭集まっていた。



 なんだ君たち。結構居たのね?


「……ぶはっ! ゲボっげほ!」


 タイミング良く水揚げした樵も飲み込んでいた水と血が混じった液体を吐き出して、未だ朧であるが意識を取り戻した。


 見たかんじ直ぐ揚げたからそんな水飲んでないだろうし、血も口の中少し切ったくらいか? それにしても周りの状況から察するにこの樵のおっさんは熊にでも襲われて吹っ飛ばされたか?


 拾ってきた斧は折れてるし、おっさんはそこまで大きな怪我じゃないから咄嗟に斧で受けて泉にでも落ちてきたんだろう。 たぶん。


 一方熊たちはタマが水の中から出てきたので少し驚いたようだが、獲物が倍になったと言わんばかりに吠えて悦び始めた。


 ……おん? そんな俺が美味そうに見えるんかおめーら。


 あ、そうか。俺今服着てないわ。

(※木漏れ日により配慮されています)


 せっかく拾ったおっさんコイツらにくれてやるのもなー……


 とか何とかタマが思考して追い払う算段を考えてるうちに、数頭が急に後ろを向いてムリムリと(りき)み爆撃準備を始める。

 それと同時に数頭がタマ目掛けて熊パンチを放つ。


 あ。 うん。 駄目だ。


   この脱糞熊殺すわ。


 なーにが熊パンチじゃ! こちとらタマパンチやぞ!


 かくして熊たちとタマの大乱闘が始まる。


 放たれた熊パンチは全て強引なクロスカウンター(ただのノーダメからのテレフォンパンチ)で沈め顎とは言わず頭蓋事砕いて残さず絶命。


 なんつーか、この世界の生き物ってある程度強いと自分より強い生き物に会っても逃げないヤツ居るんだよな。

 まぁ、時既にお寿司、いや、遅し。


 何の理由で糞するかはわかっていないがとりあえず爆撃準備してる個体を片っ端から仕留めていき、何とか水質を護ることに成功した。


 一悶着あったせいで全身熊汁まみれやんけ! あークソ!

 ほんま糞熊だったな(いろんな意味で)



 しばらく汁まみれのまま我慢し熊だった(配慮により熊には黒海苔が貼られています)物を1箇所にまとめ、泉から水を汲んで身体を洗い直すタマ。


 ……熊よーし。 もう居ないな。 おっさんはまぁ、まだ若干朦朧としてるけど、大した怪我じゃないしこんだけ暴れてりゃ熊以下の獣は寄ってこんやろ(適当)


 ……はぁ〜もう取り敢えず気分直しに泉の中沈んでこよ……



 そしてタマがザブザブと沈み、後には静寂な森と、泉と、黒海苔の山と、水揚げされた樵だけとなる。



 しばらくした後、歩けるまで回復した樵は村に帰った後、朦朧としていた意識の中、見ていた光景を村人の皆にこう語る。


 森の澄んだ泉には、とても美しい泉の女神様が住んでいる。

 女神様は綺麗な水や美味しい魚の恵みなどを与えてくれるが、泉を汚そうとする輩には絶対に容赦しない。

 近頃森に住み着き始めた月の汚熊の群が泉を(けが)そうとしたので、遂に激怒して熊たちを一頭残らず叩き潰してしまったそうだ。


 樵の話に村の人々は半信半疑だったが、熊たちの討伐依頼を受けて村に来た冒険者たちが山にされている熊たちの死体を発見し、皆女神様の存在を信じることとなった。


 以来、その村では泉を汚すことは禁忌とされ、泉の近くに祠が建てられ泉は村の人々にいつまでも大事にされ泉もその恵みを村の人々に与え続けたという。










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