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ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
3章 家に帰ろう 寄り道腕自慢大会編
55/202

51ネキ お家に帰るか

 前回のあらすじ


 三馬鹿、有罪 !

 ゲoター3 と化したタマ!


 3匹、犬神家!



 ――――


 また数日経ちーの。

 いつもの公園のベンチにて



 ……


 うーん……



 うん?


 うん。


 寝れん。


 参拝する人たちが凄い。 来る。とにかく来る。


 なんて言うか寝てて起きたらいつの間にかじーちゃんやばーちゃんとかのお供えが置いてある。 えぇ……


 アン、ポン、タン3匹のお陰でここ最近、高年齢層に俺信仰がすっかり浸透してきているっていうね。


 アイツらコレばっかりは何回止めろっつても俺の良さを説いてくるんだよ……住民に。

 子供たちはすげーすげー言うだけで別に普段から変わらない。

 街の大人たちは別に俺が神様じゃないの分かってるから普通として。

 ……おーいおめーら茂みからはみ出てんぞ。


 さっきも言ったじ様ば様。もうコレがヤバい。

 お供えがあるわすれ違えば手を合わせられるわあばばばばば。


 あんましにも公園に居づらくなって暇潰しがてらコーイチんとこにでも知恵借りようとへクマさんとこの商館に来た次第。


 あ、お供えはちびっこたちに全部あげてます。勿論じ様ば様には感謝して。

 いいおやつにはなるんじゃろ、沢山食べて育てよー。

 ――――


「と、言うわけで。何かいい案無いですかねコーイチ君」


 館のメイドさんに案内された部屋に入り、椅子を斜めにしてバランスを取る遊びをしつつ誰もいない部屋に向かって話す。



「うーん……目立ってくださいとは言いましたけど拝まれるとは此方も思わなかったすねー」


 天井の板が一枚、ポコッと外れてコーイチが逆さまに顔のみひょっこりと出現する。


「屋根裏、埃とか凄くない?」


「いえ。掃除してますんで綺麗っすよ」


「そんでさー、どうにかなんない?」


「えぇ……タマさんもうBなんですから依頼とか付近の中級ダンジョンとかありますでしょうに……」


「転生者全てがトラックに轢かれて且つ働き者だと思ったら大間違いだぞぉ」


「さいすか……なんか目的とかやることとかないんすか?」


 首のチョーカーを弄りつつ、ん? チョーカー? これ作ったのって……あっ。


「やることって言えば特に無……あー!」


「うおっ!? 声デカいっすよ! どしたんすか」


「ガンテツの所戻る約束してたの忘れてた!」


「えぇ……戻るつもりだったんすか。タマさんののんびり具合いから、僕てっきり此処に住むものだと思ってましたわ」


「急いでるわけじゃないからな。あー、そうだったそうだった、なんかもうすげーのんびりしづらくなったしガンテツんとこ向かうわ。俺」


「随分あっさり決めるっすね」


「“思い立ったが吉日”だぜー。さ、早速身支度して出よ」


「あータマさんタマさん、待って待って。まだこっちからの報酬渡してないっすよ」


「え? 別にくれるなら今ある分でお金でもくれれば良「ミスリル(ボソッ)」 よーし。別にゆっくり準備しても罰は当たらんしな、うん」


「ほーんと食い物に関してはブレないすね」


「そりゃ肉より石が旨いんだもんよ」


「まー、先程のこと詳しく言いますと、へクマの旦那から個人的に街を救ってくれたお礼として、腰付けの質のいいアイテムボックスポーチと、中にはたっぷり褒賞金の代わりに集めたミスリル鉱石が入ってます。あ、勿論それなりの金銀貨もありますよ」


「え? ポーチにカネもくれんの? 羽振り良すぎじゃない?」



「ところがどっこい。僕のアイテムボックスに仕舞ってあるオーガーの素材の儲けの計算するとお釣りが来るどころの話じゃないんすよ」


「あのはっ倒したオーガーたちって売れるの? マジでぇ?」


「ミンチに叩き潰すのははっ倒したなんて柔らかく表現しないと思うんすけどね? さておき、割とこの世界は食べられるなら何でも食べますし、感覚的には僕らが牛豚とか食べるような感覚ですね。ま、僕は前世から蛇や蛙とか普通でしたからなんともないっすけど。

 で、オーガーのお肉は人が食べるには固く獣臭すぎてオススメしません。が、魔物使いの飼ってる魔物とかにはご馳走です。

 僕の中では時間も経ちませんし腐ることは無いっす。

 んで、皮は岩のように丈夫なので鎧に、骨も武器や道具その他諸々に利用できます。 血も血でなんだかんだ売るルート有りますし。

 極めつけはジャイアント! 死体の状態が足の骨折と斬首のみ!

 普通のオーガーでも売れるのにコレが儲からない訳が無いっす!

 ……えー。長くなりましたが、こんな感じで今からめっちゃ儲かりますウチら」


「魔物って余すとこ無いんだな」


「そりゃもう。僕なんて死体仕舞えば血の1滴まで綺麗にボックス内で解体(ばらせ)ますからね。あ、こないだの眩しいハンマーも買い取りさせていただきます」


「え? 使い道あんの?」


「ええまあ、信仰広めるようで申し訳ないんすけど、なんかそのうちタマさんの像が建つみたいで、公園のいい所に建ちます。

 んで、その像のタマさんに持たせるんすよ。あ、普段は布掛けてハンマーの頭隠しますよ? ……ってな理由で観光名所的な所にします(にっこり)」


「うーん、コレ帰る決断して良かったなこりゃ」


「儲かります儲かります此方としてもタマは金運の神様っすよマニーマニィ」


「そのお手手の輪っかはやめなさい」


「あ、はい。それでは先程の物用意してしますんで、街に居れば僕の念話届きますからも少し崇められててくださいな」


「おーう。邪魔したね」


「いえいえ。それでは」



 そしてコーイチが引っ込むのと同時にまたポコッと天井板が嵌り。

 部屋が静かになる。


 ……うん? スルーしてたけどあいつ逆さのまま黄色いコイン状の物体、たくあん? 多分沢庵。 食いながら茶啜ってたな。


 ……よく考えるとスゲーんじゃね?




 ま、いいや。 そいや散歩道の石垣崩れかけてるんだよな。

 直しに行くか! 気になってしょーがないし。

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