表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
2章 冷やし中k……新人冒険者始めました
53/202

番外ネキ 2章の人物達

 “ゴブリンとは違うのだよ、ゴブリンとは!”


「追い剥ぎゴブリンたち」


 森に隠れては丁度よさそうなカモを野生の勘で判断し、脅して食物を残せばそれで良し、でなければ袋叩きによる狩りを行う。

 アルを超絶カモ認定し、執拗に追いかけた。


 追いかけて良いところまでは行ったものの、タマによる「高い高い(他界他界)」を全員貰い、漏れなく落下死。


 後のタマの不法投棄を三馬鹿が偶然拾うことになるのだがそれはまた別の話。


 余談だがゴブ肉は食べられないことは無い。肉が筋張っていて且つドブ臭くとてもオススメできる食材ではないが……


 これは彼らの好物である地球で言うドングリによく似た木の実「ドブグリ」の実を食す為、肉にドブグリの匂いと味が移るのではないかと推測されている。


 ドブグリが生存のため、強かにえぐ渋くなったように、彼らも捕食者に食べられにくくなるための野生の知恵かもしれない。


 ちなみに彼らきちんと雌雄が有り、彼等には彼らの美醜感覚があるので、人は食べ物であり苗床ではない。


 人間に例えると竹輪を裂けるまで散々に嬲り倒してそれを食べるようなもの。

 竹輪に欲情はしない。 食べ物で遊ぶのは駄目。




 ――――


 “運は良いがモテない兄”


「アル」


 弟のマルとは2歳離れの畑違いの兄弟。


 商人である父に憧れ「親方」と呼び一人前目指して研鑽中の商人見習い。


 持ち前の豪運もあってか多少危険を知りつつも楽をしようとする癖があり、何度もゴブリンの生息域の森を往来していたが、遂に見つかり、カモにされた。


 が。


 偶然タマが居合わせるという豪運っぷりを遺憾無く発揮して怪我ひとつなく助かる。


 顔立ちはマルとさして変わらないのだが、行いが行いなので良い人が居ない。



 ――――



 “実直な東の門番”


「サジャン」


 早朝から夕方が勤務時間の東門担当の体格の良い門番。


 東の森は初心者行きつけのスポットなのもあり、初心者冒険者などによく声掛けを行い面倒を見ている。


 地味に元冒険者でもあり、ランクはB。


 妻との結婚の際に、不安定な冒険者稼業では心配させてはいけないと思案して、門番の定職に着くことになった。


 妻が昼の弁当を届けに来る際、たまたま遊びに来ていたタマと談笑しているのを発見されて、ヤキモチを焼かれてしまったので弁明のため、公衆の面前で妻への愛を囁くという事件が起こり後日東門付近の壁に謎の拳の跡がたくさん見つかり補修工事が多発するという謎の珍事もあった。



 ――――



 “髪には神が宿る”


「マリー」


 ギルドの初心者向けカウンターに座る丸眼鏡でおっとりした雰囲気を放つ受付嬢。


 定かではないが王都に働くという姉の影響で無類の髪フェチになったという。


 ギルドの職員だけあって結構な実力者。


 タマの髪に小宇宙(コスモ)を感じている。


 多分タマが「髪を嗅がせてやるから所長のケツに爆竹を詰めろ」と言えば喜んで爆竹を詰める。逃げて。所長逃げて。

 


 ――――


 “素直で出来るモテる弟”


「マル」


 先人たちの話はよく聞き、決して若さに驕らず、いざと言う時は漢気も出せる少年。


 今時なかなか居ない素直で好感が持てるレアな駆け出し冒険者。


 幼なじみ2人に対してもしっかりと責任を持つつもりで接しており、鈍感難聴などとは程遠いモテ男。


 気配りもできるのでそりゃあモテて当然。


 兄によく爪の垢をせがまれて困っている。(そんなものを飲めば当然腹を壊すため)


 将来は間違いなく優秀な冒険者に成る。



 ――――


 “強気なツインテ魔法使い”


「ミリー」


 マルとアイダとは幼なじみ。得意魔法は火と雷。


 マルには強気で接してはいるが、たまに出すマルの男らしさにイチコロ。


 普段押してくるくせに押されると弱いタイプ。


 アイダは姉妹みたいなものなので許容。


 タマがセントーで余計なことを吹き込んだのでマルが浮気したら多分刺す。


 ハイライトのない瞳で間違いなく刺す。



 ――――


 “天真爛漫なほんわり系ヒーラー”


「アイダ」


 ツン気味なミリーとは逆におっとりのんびりしているマイペース系少女。

   得意魔法は水と聖。


 やや控えめなミリーに対し、胸部の発育が年の割に良い。


 戦闘ではバフ掛けと回復を担当。


 頭が緩いわけではなく、寧ろとても聡い。


 無邪気は演技ではなく素。


 本能的に動く分、タマと通じる何かが有り、気の置けない友達。


 ミリーとは姉妹みたいなものなので、マルがやらかしたらアイダもミリーの真似をして間違いなく刺す。 ハイライトはさすがにある。


 でも刺す。


 シンクロ率バッチリの姉妹によりマルには逃げ場は、無い。



 ――――


 “不屈のガッツの超絶ポジティブハゲトリオ”


「クソーザ 、コーナ、メクジー」


 言わずもがな三馬鹿。切っても切れない絆で結ばれた三人。


 カレールーとご飯と福神漬けのセットみたいな奴ら。


 ビールで言うなら麦芽とホップと水。


 名前の割に実はそこまで弱くなく、投げ斧の扱いが上手。三段撃ちよろしく間断ない斧は獲物の実力を発揮される前に倒してしまう。


 存外戦闘力はあったのだが、いかんせん人の話をよく聞かない、つーか全然聞かない。

 という癖が災いしてDランクに留まっていた。


 タマたちのクエストに割って入った理由は、「初心者がいきなりオークとか危ないからもっと実力付けてからにしなさい。そこのお嬢には俺達が薬草採取から教えてあげるので心配しないで良いですよ」


 という訳が入る。


 まあ、それも頭突きで流したせいで本能型の三馬鹿に好かれてしまったのだが。


 弟子入りしてからはタマの命令は絶対なので、相対的に人の話を聞くようになった。

 福祉活動もあり、もりもりと住民たちの評価が良くなっていく。


 公園に来るちびっ子たちからは「いぬはげのおじちゃん」と呼ばれ、懐かれている。




 ――――


 “ギャラリー”


「その場に居た冒険者たち」


 初めはどっかのお嬢様が冷やかしに来ただけかと思っていたが、タマのノリが思ってたのと違い、好ましかったのですぐに気にいった。

   飲み友達。 腕相撲大会常連多数。

   今日もぐるんぐるん大回転している。




 ――――


 “タージェル家の門番”


「ゴーン」


 若い頃から永くタージェル家に仕えている門番。


 マルが産まれるよりも前から仕えており、モテる男のマルをよくからかって楽しんでいる。


 からかわれるマルの方も冗談だと理解しているので、気兼ねなく会話でき、信頼できる人の1人。



 ――――


 “瞬速の猛禽”


「サクル」


 一応ギルドの所長。一応。


 飄々(ひょうひょう)としてふざけた言動が多い軽いおじさんに見えるが、冒険者時代は大剣を両手に持ち、戦場を鉄の翼で瞬く間に駆け抜け一騎当千の活躍をしたことから、猛禽と揶揄され恐れられ、それから何やかんや色々あって所長に就任した。


 眼帯はオッドアイの目を隠すため。隠している目は、まさに鳥の目の如く周囲の状況を把握できるほどよく見える。


 マリーにケツ爆竹される可能性が微レ存。


 にげて。超逃げて。



 ――――


 異世界のthe 肉”


「ポークオーク」


 オークと言えば肉。肉と言えばオーク。雑食性ではあるが基本的には果物や木の実を好んで食すので肉は美味しい。


 人々のお腹を安価で満たしてくれる有難い存在。


 森の深部にはオークの集落があるが、全滅させるとひいては自分たちの首を絞めることになるので、群から巣立った若いはぐれの個体が主に討伐の対象になっている。




 東の森に生息しているのはポークヘッド種と言われる種である。他にもイノヘッド種とマンヘッド種が居るが、分類上は纏めてオークと称される。


 イノ種とマン種は大陸に亜人として認知され、人の一種として認められている。


 イノとマンからしてみれば、親戚のおじさんがいつも普段から全裸で居るようなもので、知恵もそこまで無いことから、同じオーク種と呼んでほしくないと内心思われている。




 一応ごく稀に亜人として進化したポーク種も居るらしいが、基本この世界は意思疎通できない生き物は人権など微塵もないので留意されたし。




 余談だが、亜人のゴブリンも存在している。低能なそっくりさんのせいで世間の風当たりが強いのが悩みらしい。



 ――――


 “徒歩で来た”


「オーガー」


 後述のクローマクがダンジョンの魔物をどうにか従えられないかの実験の最中、暴走して結構な距離を歩いてきたオーガー。


 暴走していたので寝ずにそのまま徹夜テンションで襲い掛かったまでは良かったが、タマが早く帰りたいのでコカされて首置いてけのコンボで酒代に生まれ変わった。



 ――――



 “完璧な計画だったのに何か降ってきた”


「クローマク&ツカッパーと魔術部隊の皆さん」


 ヨシヒコが居る方の国で何やかんや悪いことして逆恨みでヨシヒコに復讐すべく、怪しいダンジョンマスターの案に乗った。


 一応上に立つものとしては部下を思いやったりできるので、部下からの信頼は厚い。


 捕まりにくい国境付近の洞窟に隠れてはオーガーを量産し、タマのお昼寝場所を奪おうとしたのでタマに暴れられて計画がおじゃんになった。


 なんとか逃げ帰ったは良いが遂にヨシヒコに所在がバレてお縄に。


 フルネームは「ワールイ・クローマク」&「リンベ・ツカッパー」


 魔術部隊の服装は白装束にトンガリ覆面の怪しい仕様。



 ――――



 “チンピア&チンかき”


「チャモン&ヨイシヨ」


 のっぽとチビの凸凹コンビ。 主にカモそうな冒険者らに因縁を付けてから恫喝することを得意としているが、遂に地雷を踏んで木っ端微塵に社会的に死んだ。


 余談だがチャモンの方は先になるほど細く、ヨイシヨの方は短めで先が急角度で曲っている。


 何がとは言えないので察してほしい。


 波打っていたらフランベルジュとか言われてたかもれない。


 タマに剥かれて周囲の視線に耐えられなくなって外に出たら案の定しょっぴかれた。


 叩けば埃が出るような生活をしていたため、現在は隷属の首輪を嵌められて犯罪奴隷落ちしている。


 お勤め終わると開放されるので頑張ってね。


 ――――



 “絶対零度の氷魔女”


「カーノーン」


 フカシの街のギルドの副所長。


 どっちかって言うと副所長の方が所長よりパワーバランスが強い。実質所長だコレ。


 見た目が少々取っ掛かりづらい以外は器量良し仕事も完璧その他諸々非の打ち所のないほどよくできた人間。


 朝のご飯に何食べたいかリクエストしたら夕飯も食べたい物を察して作れるほど有能。


 一を聞いて十を知るを地で行く人。


 冷血と思われているが実は割と熱血。

 特に氷魔法が頭一つ抜けて強力。


 冒険者時代は「絶対零度」と言われ畏れられていた。

 ランクはA。


 別段歳食ってるわけではないのだが、異世界での特有基準により行き遅れとそろそろ言われそうなのでもう適当に所長を捕まえようかと画策している。


 と言うか実はもう八割外堀を埋めているのでサクルは詰んでいる。


 猛禽は既に籠に。



 ――――


 “情報通のセバスチャンっぽい人”


「へクマ」


 アルとマルの父親。1代で大商人になった相当のやり手。

 サクルとは親友。稀にお互い空いている時は酒を酌み交わしながらお互いに起きた面白い出来事を肴に夜を明かす。


 街に来たコーイチの有能さに即座に気が付き、以後右腕としてここまで成り上がったのにコーイチも一役買っている。


 行く末はこの街を王都にも劣らない大都市にすべく画策している。


 タマのお陰により公園の食樹のヤッシーにビジネスの匂いを嗅ぎとっていて、大農園と街の人たちの雇用により経済の活性化計画も水面下でこなしている。


 妻が2人居るがどちらとも関係はすこぶる良好。


 近々サクルに結婚祝いの良い酒でも贈ろうかと予測する。



 ――――


 “竹輪と鉄アレイの魔術師”


「コーイチ」


 うっかり地球の神様の手違いで逝ってしまったので示談交渉宜しく異世界転生させてもらった忍者系高校男子。


 取り敢えず一番近くの街だったフカシで適当に冒険者やってこれから決めていくかと考えてる際に、早速へクマにヘッドハンティングされた。


 本人も裏でコソコソしながら人に仕えるのが当然な家系であったため、これ幸いと就職。

 以後、へクマの腹心として大活躍。


 忍者と言えば軒並みこなせて、どこからともなく竹輪と鉄アレイを際限なく召喚できる。

 大きさと速度を多少は弄れるので、鉄アレイは結構どころではない凶器と化す。


 竹輪は……毎日は飽きるので稀にパック詰めして魔王国に流して儲けている。


 売値=儲け なのでとても美味しい。 無論竹輪も。


 意地を張らずに大人しくタマを背負って運べば良かったのでは? と悪魔が囁いた。


 天使は鉄アレイ山盛り持っていって少しつつかせてくれ。と言えば良いのでは? と囁いた。



 ――――


 “お酒フレンズ”


「ペドロ オロロソ フィノ&アモンテ」


 専ら昼から酒を飲んでいるランクBの熟練冒険者たち。


 ペドロが剣士、オロロソが魔法使い、フィノ&アモンテが盗賊。


 フィノとアモンテは双子の兄弟。


 ペドロは腕相撲常連者筆頭。よくグルングルンしている。


 先日、遂に見惚れるほどのジャンピング土下座をかまし、遂にお情けで少し触らせてもらった。

 その時は感動に打ち震えたと後に語る。


 代償として同僚と受付嬢たちにすこぶる軽蔑された。


 しばらくのあいだ受付嬢たちから汚物扱いされたと言う。


 ――――



 “最近屋台から店舗に成れた”


「串屋のおっちゃん」


 味のすこぶる濃ゆいジャンクな味付けが売りの串屋のおっちゃん。


 タマの影響で連日串屋に並ぶ者が増えに増え、儲けまくりで遂に店を構えるまでになった。

 これには奥さんも大喜びしてタマの敬虔な信徒と化したらしい。


 できた店には連日人が大賑わいで嬉しい悲鳴を上げている。



 ――――


 “タマ姉ちゃんは尊敬する人”


「街のちびっ子たち」


 初めはヤッシーをどうにかして開けようとしていた数人だけだったが、増えに増えて公園付近のみならず結構な範囲の子供たちが傘下に入ることとなった。


 先着制では争いが起きるために、タマが店長に言って店の手伝いをしたらジュースを飲めるように制度を変えた。


 よく起きてる時のタマに遊んでもらっていてタマによく懐いている。


 三馬鹿に対してもすぐに受け入れ、いぬはげおじちゃんと鬼ごっこ諸々楽しく遊んでいる。


 ちなみにタマが暇つぶしで作った竹とんぼが一大ブームを起こした。


 ――――


 “笑いが止まらない”


「ヤッシー屋の店長」


 タマが来てからウハウハ。あまつさえタージェル商会にスカウトされて更にウハウハ。


 最近タマを幸運の女神様と祀り始めた。


 公園にタマの像を建てようとしているぐらい儲けている。


 ーーーー


 “ふざけ過ぎたあらすじ”


「ゴージその他諸々」


 また忘れた頃にぶっ込んでくるよ(ボソッ



 ――――


 “たまに草陰から見てる”


「町人たち」


 どこの世界にも物好きは居るらしい。


 ――――


 “普通のリアクションしてくれた”


「ラトロー」


 Bランクの盗賊。キャラ紹介でやたらと高ランクばかりだが、常人はCなのでBからは並外れてくるので留意されたし。


 マルたちの経験値積みのために初心者ダンジョンに付き添ってくれた盗賊。

   が、タンク職を楽したいがために連れてくる条件を付けたばかりに、戦車に例えるとティーガーを頼んだらマウスどころかラーテのようなヤベー奴が来た。


 知らない方用にさっくりと説明させていただくと、


 ティーガー(高さ3m 全長8.4m 重さ57t)


 マウス (高さ3.6m 全長10m 重さ187t)




 ラーテ (高さ14m 全長35m 重さ1000t)


 である。


 気になる方は調べていただくとマウスでも充分大きいことが分かるであろう。


 当然マルたちとは違ってタマの非常識っぷりを知らないので良いリアクションを取ってくれた。


 ダンジョン探索後、次の日の朝は頭髪が多めに抜けて焦ったらしい。


 ――――


 “貫手でお陀仏”


「スライム」


 結構何処にでも居る単細胞生物。

 アメーバ状の個体やゼリー状、その他諸々個体により千差万別の非常に種類が多い生物。


 厄介なのが高等な個体と単細胞生物との判別が初見ではつかないこと。被討伐の数も多いがスライムによる事故死も非常に多い。


 特に高等な個体はダンジョンの天井に潜み奇襲、獲物の窒息死を狙う種も確認されている。


 普段は中性であるが、食事の際には身体が酸性に変化して溶けうるものなら何でも捕食する。

 刃物などで攻撃する際は、振りきらないと刺激に反応したゲルによってなまくらにされるので注意。


 核は空気に触れると絶命してしまうので破壊が難しいようなら工夫して抜き取ってしまうのも有効な方法である。


 ――――


 “ワンタンメン”


「スケルトン」


 上記のスライムと同じようにただの動く人骨から不死王まで個体差がスライム同様激しい種。


 半ば魔法生物のようなもので、多少魔法に耐性があり、筋肉は存在しないが骨を繋ぐ魔力の糸により稼働する。


 心臓部たる魔力は頭蓋部分に留まるため、頭蓋を破壊すれば行動不可になり、実質的な死亡になる。


 生物としての構造はスライムに近しいので、コアを持つ個体は頭蓋が弱点にはならないので事前に把握するべし。


 スケルトン1口に言っても、魔物として発生するスケルトンと、人が亡くなってスケルトンになる2種が存在する。


 強い冒険者などがダンジョンなどで亡くなった場合、強者ほど魂が強靭な傾向にあるので非常にスケルトン化しやすく、場合によっては生前より強くなっていて注意が必要。


 もっとも、強靭ということは自我すら残している場合が多いので、実は亜人として認められている個体も多々いる。


 ――――


 “ギッチギチ”


「すし詰めゴブリンたち」


 なまじ道路脇が落とし穴なばっかりに……全員落とされた。


 逃げた個体も丁寧に穴に投げ込まれた。


 合掌。



 ――――


 “名前負け”


「ボス・スライム」


 電撃無効の初見殺し、肉厚たっぷりのゲルボディ、危うくなれば再生、と結構な嫌らしいボスのはずなのに。


 に。三分以下クッキングされた。


 身体を伸ばして叩きつけという普通なら対処しにくい攻撃だったが、もりもりと身体をタマに持っていかれて速攻ピンチに陥る。


 下がって立て直そうとするも、対策されていたのであっさりとコアを砕かれお陀仏。


 ボスとは何だったのか……



 ――――


 “この人に踏まれたい冒険者アンケート(水面下)1位”


「サフラン」


 マリーの横のカウンターに座っているジト目ショトカの受付嬢。


 眠そうな目をしているがこれで十分開いている(本人談)とのこと。


 一般受付のカウンターなので凄く忙しい。仕事量も多いはずなのだが焦らずしっかりとこなしているので周囲からの評価が高い。


 何故だかは知らないがやたらと踏まれたがる酔狂な集団が居るとの噂。


 サフラン自体は加虐体質でも何でもない。


 でも踏まれたがる輩が何故か居る。



 ――――


 “クルックー”


「ポッポーたち」


 鳩。


   諸事情によりよくクソーザたちに群がる。


 ――――


 “生乾き”


「デスリス」


 皮。


   初心者用ダンジョンの近くの中級者ダンジョン産。


 ――――


 “在庫処分できて有難い”


「武器屋のおっちゃん」


 腕は悪くない方。寧ろ良い。


 普段からいろいろ模索して鉄の配合や焼入れなど研究をしているので割かし2級品がたくさんできる。


 上手くいった品は店に商品として並ぶ。


 値段の割に良質で評判良し、使い込んだ武器防具も修理手入れを丁寧にしてくれるので更に評判良し。


 ――――


 “食べてコロリ、更に食べた個体を食べてコロリ”


殺竜草(さつりゅうそう)


 草。


   毒草。


 黒に黄色の警戒色でアスパラガスのような形の草。


 触るだけでも大変危険。毒が身体に入ると電撃が走ったような筋肉痙攣を起こし、同時に呼吸困難で大型の生物すら死亡する代物。


 毒素が生物の消化器官では非常に分解されにくく、また、毒素が肉に集まる性質があるので、二次被害の可能性があり大変危険。


 そこかしこに生えるわけではなくて色々と特殊な環境が揃って初めて生えてくる割と珍しい植物。


 小腹が空いたタマにサラダスティックにされた。


 ーーーー



 “幼妻という単語が似合いすぎるガンテツの嫁”


「シトリ」


 どこからどう見ても美幼女。


 でもガンテツの嫁で立派な大人。


 ガンテツとは恋愛結婚で現在子供が一人できたが未だ熱々。


 ガンテツが鎚を振っている間は店番をしながら片手間に商品のアクセサリーなどを作っている。


 ドワーフ種は洞窟を掘るために、小さく強靭な体躯に進化した種である。

 男はより採掘に特化し、女は掘り出した鉱石の加工など得意分野が異なる。


 簡潔に分けると、男は鍛冶が得意で女は細やかな装飾品の加工などが例に挙がる。 一般論なので鍛冶が得意な女性や装飾品の作成の得意な男性も勿論居る。


 ドワーフの男と言えば立派に蓄えた髭が特徴的であるが、採掘の際に砕けた鉱石の破片が急所である首に当たらないよう、防具の役割として発達したのではないかと推測されている。


 さて、気になるドワーフたちの美的感覚だが、男はより筋骨隆々で立派な髭であるほど、女は男の庇護欲を掻き立てるように華奢で可憐であるほどモテる。


 華奢で可憐と先程書き記したが、筋繊維や骨密度など、純人間種とは相当に差があるのでドワーフの女性でもリーチを補うために体躯以上の巨大な武器を軽々と扱うので、実際の戦闘能力は相当に高い。


 余談だが娘は母親似。 並べばそれは姉妹の如く。


「やっぱりガンテツ氏の遺伝子入っていないのではござらんか?」


「あ? よく見ろよく。 目元とかワシそっくりじゃろ!」


「はあ……」


 ――――


 “語尾とかその他諸々残念なイケメン”


「ダイチ」


挿絵(By みてみん)


痛鎧のヤベー奴。


 シンシア大陸の勇者。属性は土(適当)。


  一昔前は転移などがあったらしいが神界で転移は誘拐。ということが決定され、それ以降は地球で何らかの要因により死亡した質の高い魂(善悪は問わず)が転生者に選ばれ異世界の質を向上させるために送られる。


 どのような行動を取ってもそれは世界にとって+になるので、と言うより人がやることはそれこそ自然の摂理。


 世界の質の向上、という仕事をこなしてもらうために、転生者は常人では持ちえぬ力「神力」を神様から分けてもらえる。


「神力」はいつしか呼び名が変わり「チート」と呼ばれるようになり転生者同士で浸透してしまったので、現在ではまず「神力」とは呼ばれない。


 勇者になる者は不意に覚醒するので、覚醒次第勇者に任命される。


 勇者と呼称しているが、その実とてもざっくり言うと国のための便利屋公務員。


 基本的には自由だが危険な魔物や国同士の争いでは呼び出される。


 前世はアニメやら何やら超守備範囲の広いオタク。 だが、運動もできた。友達も居た。


 が、如何せん紳士。YESロリータNOタッチ。でも飴でさらおうとする。


 よ う じ ょ 大好き。 ドワーフの国とか生まれ故郷よりも好き。


 国籍移したいとまで考えていた。というか国籍移そうとした。


 生前の死亡要因は通学路に突っ込んできた暴走車から児童を守るために車に突っ込んで抱えた児童ごとぶっ飛ばされたが、児童に衝撃を行かさないように2回転半捻りしつつ着地。 児童の被害を0に抑えた後、肉体の限界を超えていたので北の斗の拳の王よろしく拳を天に掲げて成し遂げて昇天。


 死後、地球神から後輩神への魂の引渡しの後、転生部屋で後輩神がスクロール中の画面からドワーフの国を一瞬で見つけ、頼み込んでシンシア大陸の方に生まれ落ちた。


 勇者としての活動後、目指したドワーフの国まで往くのに森人(エルフ)夜人(魔族)、獣人の三つ巴戦争を終結させて、隣合う各国を纏めて1つの国にまで纏めあげた。

 ─まではよかったが。


 なんだかんだ有ってそれぞれの国のトップの娘の3人がダイチの嫁になった。


 3人ともきちんと愛しており優劣はない。


 現在はその4人で旅をしている。




 ――――


 “素直になれないツンアーチャー”


「リーフ」


挿絵(By みてみん)


 森夜獣戦争の際何やかんやあってダイチ惚れた嫁その1。


 エルフのイメージ通りに風と緑と弓の扱いに長ける。


 矢を魔法をで創り出す事ができ、その放つ渾身の一矢は矢とは呼べぬほどの威力を出す。


 狭い森の中で胸部は矢を放つために邪魔になるので進化の際に置いてきた。 ひんぬrエフンエフン。 何でもない。


 他の3人のアクが強過ぎるせいで必然的に常識担当。


 普段は堅物だが、ダイチと2人の時は軟化。つまりデレる。



 ――――


 “クーデレ?魔術師”




「ナハト」


挿絵(By みてみん)



 魔族と言ってもそれはもう種類が多いので1括りとして魔族と呼ばれる。 彼女は夜人族という闇の魔術に長けた種族。


 人との差異は肌が薄紫なのと額に小さな角があるぐらいの差しか無い。


 夜人族と言っても魔族の遺伝子体系は特殊で、親から代々受け継いできた遺伝子のうち、先祖の遺伝子が覚醒するということがよくある。ので、親から違う種が産まれるのは普通のこと。


 族長の娘だけあって、その魔力は相当。


 昼などでも戦闘能力は高いが夜、又は少しの明かりがある方が更に戦闘能力が増す。薄暗いダンジョン内でも遺憾無く能力を発揮する。


 此奴も何やかんやあってダイチに惚れた。


 人前でリーフが素直になれないのを知っていてガンガンダイチに甘える。 よく喧嘩しているように見えるが、3人は小さい頃からの友達で戦争を鎮めたダイチにとても感謝している。


 ちなみに族長の名前は「ヘルブラッド」


 その昔先祖の「ビャウ・チューニ」に倣い独特のセンスが彼らの美的センスに合致するという。


「ジャギ・ガーン」という神を祀る信仰があるとかないとか。 シルバーのアクセサリーが好き。



 ――――


 “パーティのマスコット”


「ケッタ」


挿絵(By みてみん)


 ネッコ。


 猫種の獣人。


 獣人も魔族と同様種類が多いのでひと括りに獣人と呼ばれる。


 個体によりけりだが、ほぼ獣寄りの獣人でも耳と尻尾しかついていないような獣人でも別段差異はない。


 獣寄りの獣人は毛皮が防具の役割を果たすので、戦闘など荒事に向いている。


 逆に耳と尻尾のみの種は素早くしなやかな動きを得意とする。


 どちらも人より遥かに優れた戦闘能力を有するが、思考がやや本能的という種の特徴もある。


 勿論例外も居るが、種全体では細やかな思考やまどろっこしいことが嫌い。


 此奴も何やかんやあってダイチに惚れた。


 族長共々ダイチの繰り出す「ツナ缶」という食物に墜とされた。


(ツナ缶をくれる)ダイチが好き。なくても好き。


 もちろんリーフもナハトも大好き。


 3種族の内獣人たちが一番早くダイチの「チャウ・テュール」や「ドギーアソ」やその他諸々の食物の活躍により墜ちた。


 餌付けとも言う。


 ――――



 “耳血”


「ファントムゴートの皆さん」


 最近フカシからニッコロの山の間でブイブイ言わせてた手練盗賊団の人たち。


 どれだけ山狩しても拠点が無かったことから、「姿なき盗賊団」と畏れられていた。


 が。


 あえなくエンカウントした相手が万能地雷さんよりやべ〜やつだった。

 運が悪すぎた。


 踏んだ地雷が対人どころではなく核地雷。


 なまじこれからのお楽しみを想像しながらタマを眺めてたためにタマの適当なアイデアで全員気絶させられてお縄に。


 悪いことは続かない。インガオホー。


 現在は皆大好き隷属の首輪で鉱山奴隷行きが決定。



 ――――


 “タマのデカさに少し驚いた”


「ニッコロのギルド受付嬢」


 名前はノーチェ。


 あの後紙鉄砲を地味に気に入った。


 ――――


 “エールも滴るいい男”


「エール男」


 名前はクロコス。


 結構なランクの有名人だった。


 タマの返答次第でどうしたもんかと思っていたが、初心者らしからぬ雰囲気をタマから感じ取り、尚且つ面白く返され奢り金もくれたので気分を良くしまた皆と飲み始めた。



 ――――


 “はみ出るマッスル”


「トーマス」


 衛兵の詰所の横に建てられた事務所のカウンターに佇むマッスル。


 人より少々大きいためカウンターからはみ出す。


 性格は温厚で知的。且つその体躯も伊達ではないので衛兵の皆から重宝されている。 特に事務作業。


 仕事場で話題の彼女に握手してもらって仲間に自慢できた。


 その日だけ俺も事務作業担当しとけば良かったと悔やむ仲間も居たという。


 機関車とはなんの関係もない。



 ――――


 “カモネギ大行進”


「オーガー×約1000」


挿絵(By みてみん)


左上のアレ(破片)


 赤やらチョイチョイたくさんいたが漏れなくタマのハンマーの餌食に。


 南無三。


 雑に造られたため、取り敢えず目の前の障害を排除してから目的に進むように命令されていた。


 自然分解する前にコーイチが仕舞ったので商会の懐が物凄く潤うこととなる。


 ――――


 “でかァァァい! 説明不要ッ!!”


「レッドオーガー・ジャイアント」


 危険はAとかなりヤバい魔物だったのだが。

 例により相手の方がヤバかった。


 コカされてからの首ワンパンとか初登場オーガー君と殺られ方ダブってんな此奴。




 ――――


 “ちょろい”


「ドワーフの国の門番」


 賄賂に陥落。


 ――――


 “チラッとだけ登場”


「ヨシヒコ」


挿絵(By みてみん)


 後述の次郎ことロッジと時を同じくして転生したランランチップ大陸の勇者。 属性は火。


 正義感が強く真っ直ぐな青年。

 ある日突然勇者として目覚め、前世の記憶も思い出す。


 ヨシヒコの国にクローマクのような輩が蔓延していたため、改革に奔走し、最近革命を起こした。


 現在は逃げ出した悪党の捕縛に奔走している。


 中性的な見た目をしており、カップルと間違われて通り魔に次郎共々滅多刺しにされて死亡した。


 ホモではない(重要)



 ――――


 “復讐のダンジョンマスター”


「ロッジ」


(※立ち絵次章)


 ヨシヒコとは前世では親友同士だった。


 覚醒前は普通に過ごしていたが、覚醒と同時に頭に角が生え、他の人から魔物と蔑まれ殺されそうになり、命からがら逃げだす。


 同時期にヨシヒコは勇者ともてはやされ歓迎され、一方自分は角があるということだけで何度も死ぬような目に遭い、次第にどこへ向けたらいいのか分からない黒い感情はヨシヒコに向くようになった。


 革命が終わり、親友の次郎が転生してきているのを知ったヨシヒコだが、時すでに遅く、次郎は人と相反する存在と成っていた。


 直接の戦闘能力ではヨシヒコに及ばないので今は力を蓄えるべく姿を隠す。


 ――――


 “メイドロボ”


「カマリエラ」


 ロッジがダンジョンマスターの力を使いこなす最中の廃ダンジョンの奥に眠っていた自動人形(オートマータ)


 白骨と化し、スケルトンになっても動けなくなるまで夢を追い求めた人形師の書き置きを見、自身から創り出したダンジョンコアをカマリエラに埋込み、生命を与え、動くダンジョンとしてダンジョンマスターの半身たる存在としてカマリエラに銘を与えた。


 偶然ではあるがこれによりロッジはダンジョンマスターの欠点であるその場所から動けないというダンジョンマスター唯一の欠点を解消し、さらに他のダンジョンを内部から乗っ取るという芸当ができるようになる。


 自動人形と記述したが、完全に自我が有りもはや1つの生命体。


   趣味はマスターたるロッジの世話焼き。


 朝の朝食作りからボタンが解れかけていれば縫い、出掛ける時はハンカチなどのチェックは忘れない。寝る前に歯磨きもキチンとさせる。


 あまり雑に磨いて終わるとカマリエラが膝枕で無理くり磨きに来るのでロッジはしっかりと歯を磨くようになった。


 ロッジがキメている場面でも襟袖がおかしかったりポケットがはみ出ていたりすると遠慮なく直しに来る。



 ――――



 “腹黒クレイジーサイコレズヤドカリ幼女”


「ヘスン・ジャイシュハーミット」「ぎーと」


挿絵(By みてみん)


 飼い主も飼い主ならペットもペットでやべー奴。


 とにもかくにも主人のタマが大好き。


 彼女が望めばアルドの尻に爆竹を詰めるのも躊躇いなくやる。


「君」呼びなのは飼い主が完全に雄だと思ってたから。


 Sランクの魔物のみが成し得る人化の術だが、如何にSランクとも言えど数十年かかって覚える術を、主人に撫でてもらいたいという欲望と根性でものの数日でやり遂げた猛者。


 実際には彼女 “たち” なのだが、この件に関してはいずれ判明するので今は伏せておくことにする。


 見た目はボーイッシュなとても愛らしい幼女。喋らなければ凄く可愛い。


   喋らなければ、だが。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ