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ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
2章 冷やし中k……新人冒険者始めました
45/202

44ネキ ちょっとした留守に限って家が火事になる様なやつ

  前回のあらすじ


  カッコつけでお金貨2枚は勿体なかった?

 良いんだよ細かい事たぁ!




 ――――――



  うーん。おはようございます……

 またはぐっもーにん。


  特に用事はないから二度寝でもするか……


  この微睡(まどろ)みがね、なんとも言えなくて……最高なんすよ……


  ウトウトと睡眠と覚醒の狭間を楽しみながら、昨日の出来事をぼんやりと思い出す。


  昨日はー、馬車押して早めに街に着いてー。コーイチとマルたちと別れてギルド行ってー。

 

  ……スヤァ。






  あ。 寝てた……


  えーと? あ、そうだ。 山賊とかいう面白い奴らにセクハラされて不愉快だったから憂さ晴らしも兼ねて気絶させたのはいいんだけど、叫び過ぎで街で魔物騒ぎで道が帰れなくなるの嫌だから早く通れるように説明したんだっけか……


  そいでギルドに居た人たちに迷惑かけたから格好つけしいで貰ったばっかの金貨あげて眠いから宿教えてもらったんだっけ……


  他は帰る前に衛兵さんが来たっけ……なんか言っ……


  あっ。



  そういや俺に事務所来いって言ってたわ!


  枕に涎の染みを作りながら焦点の合わない半目から一転。


  カッ! と目を見開き、そのまま勢い良く上半身をベッドから起こし完全に覚醒する。



「いつ来いって言ってなかったけど人の少ない午前中に行かなな」


  俺がもし衛兵だとして、人が来るならあまり忙しくないであろう時間帯に来てくれた方が対応しやすい。

  実際のところ解らんがさっさと行って用事を済ませてしまおう。


  のんびりの極意はやることやって暇になる。 ここ大事。


  そうと決めれば早速支度して事務所とやらに行きますか!


  ……えーと、外出用の服何処に仕舞ったっけ?

  キョロキョロと辺りを部屋を見回して詮索する。

  部屋に置いてある上着かけには上着しか掛けてない。

  無いな? 後はベッドの下くらいだけど。


  ………… あっ、あったわ。 ベッドの下に。


  なんでや? 寝る時に服邪魔だったから半分眠りながら脱ぎ投げた記憶は朧気にはあるが……


 ま、いいや。そんなこともあるだろ。


 あとはポーチとか色々着いてる(これが一番大事)ベルト巻いてーの身だしなみチェッ……此処は鏡置いてないんだわ。


 そういやだるまはベッドは柔らかいし風呂あるし(風呂の事聞いたら後で部屋にお湯持ってきますよっ言われた)なんだかんだスゲーいい所だったんだな。


 俺は汗かく体じゃねーからそんな汚れないし何よりなんかめんどいかったんで丁重にお湯はお断りした。


 そんなこんなで宿の人に鍵返して、道すがら通る人に衛兵さんの事務所の場所聞いてやってきました。


 そこは大きな詰所の横にある小さな建物だった。


 なんだ、俺が入ってきた方の入口の近くじゃん。さ、中入ろ。



「こんちゃーす」



「おや。美人さんがこんな所になんの用だい? 街で何かあったかな?」


 事務所とやらのドアを押すと、そこには筋肉モリモリモヒカンマッスルがカウンターに鎮座する。


 ……カウンター作り直した方がいいのでは? はみ出てますよ。


「事務員……さん?」


「いかにも。僕が此処の事務員だよ」


「デカくない?」


「そう言うお嬢さんこそ」


「はは。俺もデカいほうだったわ」


「はは。ところで用件は何ですかな?」


「あ、そうそう。昨日この街入る時に30……人? くらい捕まえてそっちに預かってもらえたんだけど、お礼くれるから来てくれってことで訪ねてきたんよ」


「なるほど。では貴女が昨日より噂になってる吊るしのお嬢さんですな」


「吊るし吊るし言ってるけどそんなこと話されることかね?」


「おや? もしかしてお嬢さん捕まえた奴らの仔細をごぞんじない?」


「山賊に種類でもあんのかよ、色違いか?」


「成程、お嬢さんはやはり強者(つわもの)ですね。僕見ても驚きませんでしたし」


「あんなもん30居ようが100居ようが同じだわ」


「はは、面白い方ですな。では、話を捕縛した山賊たちの説明にもどしても?」


「どうぞ」


「ありがとうございます。では、説明いたしますね。えーと、お嬢さんのままでは失礼でしょうし、お名前をお(うかが)いしても?」


「タマだよ」


「ありがとうございます。タマさんが捕えられた山賊はここ付近では一番の被害を出していた盗賊団なのですよ」


「へー」


「何度も討伐隊など出してはいましたが、あの山の何処を探しても根城が無く、定期的に被害が出ていたんです……」


「あんだけ居たのにアジトが無い?」

 

「ええはい。ですがタマさんのお陰でその謎も解けました」


「なんで?」



「昨晩調べたのですが、全員がこの街の住人でした……普段は普通に生活して山賊行為の時のみわざと汚らしい格好をして山に住んでるような振りをしていたんでしょうな。いやはや……住人が犯人だったとは大変嘆かわしいことですよ」


 デカい図体に似合わずモヒマッチョ(仮)は肩を落としてしょんぼりとする。


「ま、それもこれも貴女が全員捕まえてくれたのでこれから被害はほぼほぼ無くなると思います。山狩りに出す人数も無くなって私たちとして万々歳ですよ」


「俺としては偶然だったけどそりゃ良かった」


「ええ、なにせこれまで運良く探し当ても数人で且つ、即座に逃げるわで1人も捕まえられなかったですからどれだけ居るかも分からなかったんですよ」



「へー。あ、そうだ、ギルドの方にも言ったんだけど、あいつたち捕まえるのにちょっと暴れたから山から魔物騒動とか何とかなってるみたいだけど……」


「あ、その件に関しては捕縛して頂いた山賊共から聴取済みですので、ギルドの方にも連絡が行くかと思います。

 耳をやられていたので、治療して聞いたところ

「大きな女がいきなり吠えたと思ったら皆吹っ飛んで気が付いたら衛兵に捕まってた」

 だそうで」


「あ、うん。俺ね」


「何かあれば調査に行くのはギルドの義務ですから、道の封鎖などの責任はありませんのでご心配なさらないでも大丈夫ですよ。

 むしろ今までの被害を考えると本当にありがたいことですよタマさん」


「そう? それなら良かった」


「あ、そろそろ本題の御礼の話にしましょうか? 先程ご説明したことも踏まえまして、山賊たち1人頭大銀貨50枚が御礼金になります。

 合計で15枚の金貨になりますが、一人残らず捕まえてくれましたので、私たちからの感謝の意味も込めて金貨5枚、併せて金貨20枚になります。どうぞお受け取りください」


 モヒマッチョがカウンターの下からモソモソと金貨を並べ、確認させた後、小さな小袋に1枚1枚丁寧に詰め、金貨が詰まった袋をスっと優しく差し出す。



「えっ。こんなに貰っていいの?」


「ええ。貴女がやってくれたことはそれぐらいの価値があります。

 本当はもっと出したいところですが、あまり贔屓(ひいき)し過ぎるのは衛兵として良くないことなので……」


「いんや。俺としてもこれだけ貰えるとは思ってなかったよ。特にあんたたちからの5枚。この5枚だけでも捕まえた価値があるもんさ」


「はは。タマさんは嬉しいこと言ってくれますね。あともしよろしければで構いませんが、握手のお一つでも頂けますか?」


「うん? 1つでもいくらでも構わんがなして?」


 理由を聞きながらモヒマッチョに手を差し出す。


「僕みたいな人から握手頼まれて嫌な顔1つせずに応じてくれるなんてタマさんは本当に気持ちのいい人ですね。割と僕見た目のせいで訪ねてくる人に怖がられるんですよ。ははっ」


「そりゃお前そんな筋肉モリモリがこんな建物に詰まってたらびびるわなっ……と!」



 握手したモヒマッチョをそのまま椅子から強引に少し浮かせて元に戻す。


「お、おおッ……!」


 元に戻ったモヒマッチョが驚いた顔をする。

 悪戯成功ってとこだね。



「どうだ? 仲間に土産と笑い話作れたか?」



「ははは! これには僕もびっくりですよ。 仲間に自慢しようと握手お願いしたんですが、まさかそのまま持ち上げられるなんて! 自慢だけじゃなく笑い話も付けてくれるとは思いませんでした。

 今晩は仲間に例の綺麗な人に握手してもらったらそのまま持ち上げられた。

 って話で盛り上がりましょうよ。いやはや確かにその力なら納得がいきます。美しくもお強いとは羨ましい」


「フラフラしてる俺なんかより街のために働いてるあんたたちの方が立派だと思うけどねぇ」


「本当に嬉しいことを言ってくれますね。貴女は。珍しいお方ですよ」


「自分で言うのも何だけど変り者だからね! さて、仕事の邪魔しちゃ悪いしお(いとま)しようかね」



「お気を付けて。また、ならず者の捕縛待ってますよ」


「見た目は良いからな! そんな阿呆が来たらまたくるさ」


「はは。貴女が1人で歩いてるだけで誘蛾灯のように来そうですけどね」


「悪い虫は叩くぜー?」


「小洒落た話もできるとは素敵な人ですね」


「あんがとよ。じゃーねー」


「はい。さようなら」


 軽くお互いに手を振りながら建物を後にする。


 やっぱモヒマッチョには狭いから増築した方がいいんでは?


 さて、思わず大量収入手に入っちゃったし? 此処はやはり兼ねてより欲しかったアイテムポーチ買うしかないのでは?

 よっしゃ。思い立ったが吉日よ! まだ昼になってないしブラブラしながら売ってる店でも聞いて探すとしましょ(タマさんタマさん! やべえっすよやべえっすよ! 今何処に居ますか!?)



 不意にコーイチから焦ったような念話が飛んでくる。

 え? 近くに居なくても聞こえんのこれ?


(はいもしもーし。現在この電話は電波の届かない所か(そんな転生者にしか通じないボケしてる場合じゃないんすよ!)はあ、そんなに?)


(ツッコミの1つでも入れてあげたいところですけど、今はちょっと急ぐんすよ)


(なら余は寛大な心を持って許そう。良い、その火急の用とは何か申してみよ)


(なんすかそのキャラ!? えーとまあ、簡単に言いますと。フカシの街にオーガーが馬鹿みたいな数で迫ってきてます。具体的に言うと1000体くらいの)


(……は?)



 え? 何? レイドイベント?


 ゲームでしかねっすよそんなん。



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