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ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
2章 冷やし中k……新人冒険者始めました
43/202

42ネキ 実は折り紙のアレは意外にうるせぇ

 前回のあらすじ


  迷子になったら近くの人を頼ろうね



 ――――――


  人に聞きつつ、なんとか辿りつくことができました。

 この街のギルドに。

 ん? この街なんつーんだ? ま、後で聞こう。


「ちはーす」


  軽く挨拶をしながらドアを越え。

 あ、何か声に出しちゃったが店とかじゃないんだから要らんかったわ。

  えーと……受付は……あそこか。


  辺りを見回し、それらしき所を発見したのでGO!。


「よ、ようこそ。ニッコロの冒険者ギルドへ。ご用件は何でしょうか?」


  タマがズンズン向かっていったから向こうの受付もタマにに気が付いたけが、近寄ってきたタマ思ったより大きかったので少々たじろぐ。

 さして顔に出さなかったのはさすがと言うかべきか。



  ま、紙出して早よ帰ろ。


「えーと、これだ。はい」


  コーイチから貰った紙は適当に筒状にして丸めてポッケinしてたので漁り、その紙をおねーさんに渡す。


「あ、はい。拝見いたしますね……はい、はい……はい。依頼完了の書類ですね。それではカードの提示をお願いできますか?」


「ほい」


「はい、ありがとうございます。Eランクのタマさんですね。それでは通させていただきます……はい。どうぞ、報酬金の金貨2枚と冒険者証もお返しします」


「はーい。どうもー」


「商会からの書類はこちらでお預かりいたしますね」


「はい」


  へー。紙残しとくってことは証拠として残しとくんだ?

  何かあった時に見せれるように。

  異世界も存外しっかりしてるんやね。

 この身分証明書しか魔力と言うか、科学的に言うとDNAが人によって違うみたいに魔力も違うらしいから偽装できないのはある意味前世より防犯力高いんじゃない? すげーな?


  あ、でもフッツーに山賊なんて居たしどうなんだろな。

  モラルの問題だから別か。


「……あれ? タマさんの依頼の内容ですと、ニッコロとフカシの間のナベ山を通ってくる道になりますが、何も無かったのですか? 先程入ってきた情報では頂上付近の道に魔物が出たとか。鳴き声を聞いたとの者も多く居たとのことですが……」


  情報早っ。

 もう話来てるの? 昨日の今日で。

 

  んー……どーっすかなー犯人俺だしなー。

 調べに行ってる人には悪いけど調べても何も居ないんだよね……

  ダメ元で俺がやりました って言ってみるか? 言うわ。

  信じてもらえなくても良いしそのままだんまりってのが俺ァ嫌だ。



「いや、何も無かったよ。あのー、おねーさん」


「それは良かったです。はい? 何でしょうか」


「その魔物云々(うんぬん)の話、俺が犯人だって言ったら……信じる?」



「……え? 貴女が……ですか?」


「そう。俺」


「にわかには信じ難い話ですが……お話をお伺いしても?」


  お? 食いついてきた。


「えーと、俺が護衛で来たのはその紙で解るよね?」


「ええまあ。ランクEですが、あのタージェル商会の依頼書の指名理由の項にランク不相応の高い能力のため と、記載されているので不足は無いかと」


「そんでさ、山の頂上ぐらい? で何かたくさんの山賊が湧いてきたのよ」


「湧いてきた、ですか……」


「野郎共目付きがめっちゃ気持ち悪かったから、1人も逃がしてやるもんかと思って。 全部捕まえた」


「捕まえたって……大勢とは具体的には何人ほどですか?」


「えーっと……」


  俺は思い出しながら視線を天井に向け指折り数えてゆく。


「確かー……馬車に横に積んだ奴が5人の4段……それ以上重ねると下が潰れるって言われたから外に吊るしたのがひーふーみー……5人の、両側……合わせて……30か! うん。30人だな」


「えっ、そんな大人数の盗賊団が出たんですか!? ……いや、でも、タージェル商会の荷馬車だと知っていれば価値的には有り得るし、妥当……? それだけの人数という事は何かしら彼らは商会の荷馬車が通ることを知っていた……? でも何処から?……ブツブツ……」


  何か推理始めちゃったよこのおねーさん。


「あの、続きいいかな?」


「あ、すみません。はい、どうぞ」


「ほんでな、アイツらが何人でも蹴散らせるんだが、一人一人倒したとして、途中敵わないって解れば逃げるじゃん?」


「ええまあ、彼らは逃げ足も速いですからね」


「そんで、全員纏めて気絶させたのよ。そん時の奴が魔物とか何とかの騒ぎの元になったんだと思う」


「気絶……ですか? どうやって?」


「すげー平たく言うと凄く大きな音出してびっくりさせた」


  本人はそう主張するが、もしコーイチが今の発言を聞けば間違いなく

「びっくりなんて可愛い表現とは無縁っすよ!?」

 と、突っ込むだろうが現在はタマ1人の証言なのでそのまま話が進んでゆく。


「びっくり。ですか……?」


「あー……うん。やって見せた方がわかりやすいかな? 手頃な大きさの四角い紙ってある?」


「手頃な紙、ですか? ……これとか?」


「OKOK。それ貰ってもいい?」


「構いませんけど……紙とびっくりの関係は?」


「まーまー。ちょっと待っててな」


  貰った紙を受け取りカウンターの上でテキパキと折って、タマはある折り紙を完成させた。


「ほい。できた」


「紙を折り畳んで三角の形にしましたけど、何ですかそれは?」


「コレか? これはな─


  タマが出来上がった紙鉄砲を手首のスナップを利かせて勢い良く振り下ろした。


  そして。


  次の瞬間、ギルド内に破裂音が響きわたる。

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