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ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
2章 冷やし中k……新人冒険者始めました
31/202

30ネキ 髭と不穏な影とあんまり働かないヤツ

 前回のあらすじ 



 泡の三連星




 ――――――――――――――



 Q 。現在のガンテツ何してるの?


 A。(タマと別れたすぐあとの帰路) 


「っかぁー! 昼間から飲む酒は美味いのう! タマもどっか飛ばされてしもたし、アイツの分もワシが飲んじまってもいいじゃろ。

 ……あっ。アイツの分の飯ワシが持っとるやん。

 んまぁ、ある程度の常識は教えたしなんとかやっていけるじゃろ……多分。ど〜せあいつのことだから適当にやってるだろうし、死ぬようなってか殺せるやつおるんか?


 ……まー何だかんだあいつ約束は絶対守るクチだし、そのうち国に来るじゃろ。

 に、しても何処すっ飛ばされたりしたんじゃろな? 

 ……まさか違う大陸だったりしてな!

   ガハハ! まぁ、そんなことは無いか、 さ~嫁と娘が待っとるから家に帰らにゃな、土産も作ったし其処はアイツに感謝せにゃぁな」 


 そう言ってガンテツはポーチからキラリと光る透き通った雫型のイヤリングを2個。

 太陽に当て、満足そうに見た後、再びポーチに仕舞い、上機嫌に酒を飲みつつのんびりと帰路に就いていた。



 ――――――

 〔鋼の涙〕 RARE ー


 ・ガンテツが自分の妻と娘のために手塩に掛けて作った耳に付けるタイプのアクセサリー。


 ・透き通った薄水色が非常に美しい。


 ・原材料はタマが流した涙を元に、固体化、その他諸々の化工が施され装着者に対する状態異常、呪いの無効、致命傷の身代わり(1度)等割とよく分からない効能もりもりの規格外の品。


 ――――――



 尚、採取の件に関しては、ガンテツがタマに、「スライムのおんがえし」の読み聞かせで


 ─「スラ蔵。 おまえだったのか」  


 まいにち、ぎんかが台所におかれているのをふしぎにおもったドワーフおじさんは、はんにんをたしかめるために 台所にとらばさみをおいて、 はんにんをつかまえることにしました。


 ですが、次のひ。 わなにかかっていたのは、むかしおじさんがたすけた野良すらいむでした。


 スラ蔵はちょっとめずらしいすらいむだったので、自分の体を少しずつちぎって、おかねにして おじさんのおんがえしとして よなかにこっそり、 おかねをおいていきました。


 あるひ、いつもぎんかとこうかんしてくれるまものの、こころやさしいしょうにんさんはこういいました。


「スラ蔵くん、きみはもうだいぶちいさくなってしまった、おじさんも じゅうぶんよろこんでいることだろう。じぶんのからだをちぎるのはもうおよしなさい」


 もうあまりじぶんの体もちぎれなくなったので、じゅうぶんにおんをかえしただろうとスラ蔵はおもい、

 こんばんでやめておくことにしました。 


 ですが、そのさいごのばんは、おじさんがわなをしかけたばんだったのでした。


 うんわるく わなにはさまれ、からだがちいさくなっていたこともあってか、わなの は が、核にあたってしまい、スラ蔵はそのままちからつきてしまいました。



 そしてそのあさ、しんじつをしったおじさんはたいへんなげき、みずたまりのようにうすくひろがってしまったスラ蔵のなきがらをあつめ、にわさきにおはかをたてました。


 すると、スラ蔵のはかのまえから、めがではじめ、すくすくとそだち、あっというまにおおきなきになりました。


 そのきは、ふしぎなことに、スラ蔵のからだのいろとおなじはなをたくさんさかせました。


 おじさんは 「スラ蔵、おまえはしんでからもわしにこうやっておんをかえしてくれるのか。ほんとうに、ありがとう」 おじさんは、うれしくて、なみだがたくさんでて、いつまでもスラ蔵にかんしゃしました。


 そしてそのきは、まいとしはるには、たくさんのはながさき、それはおじさんがしぬまでつづきました


 ─おじさんが天にかえったつぎのとし。


 スラ蔵のき の横に 小さな木が芽吹きました。


 その き は だれが よんだか おじさん の き とよばれて スラ蔵 の き とならんで まいとし

 うつくしいはなを さかせたそうです。


 おし まい


 ―――――――



 ―――――


 ――




「スラ蔵ーーーーーーーーーっ! お前って奴はぁーーーーーーーー!」


 床を叩いてボロボロと泣くタマ。



「いや……確かにホロリとは来るかなと思って読み聞かしはしたけどな、効きすぎじゃろ? これ児童用の絵本なんじゃが(ボソッ」




 というやり取りがあったりなかったり。





 そして髭の帰路の話はぶん投げてストーリーはランランチップ大陸に戻る。






 ――――――――――――

 ――――




 現在草木も眠る丑三つ時、深夜。

 場所は東の森。


 謎の一団が東の森を探索している。


「うぅん……もう森の入り口付近だというのに反応はまだ無いのか」


「すみませんツカッパーさん。まだ反応がでてなく……あっ。ありました、首輪の反応、ありました!」


「本当か!? 持っていかれてなかったか。よし」


「此処にありま、えっ!?」


「どうした、何があっ、これはッ!?」


「首輪、割れてますね……確かコレ、橙指向鋼(アダマンタイト)製でものすごく頑丈なはずですが……?」


「と、とりあえず破片を回収して、ボスに報告だ! 進行中の氾濫(スタンピード)計画に支障が出ては困る」


「了解、回収班、人が来る前に回収してさっさとずらかるぞ!」


「「「了解!」」」



 回収班の作業を見守る中、一人呟くツカッパーと呼ばれた男。 


「……に、しても元より半ば暴走気味でここまで来てしまったのは解るが……自分で引き千切って何処かに行ってしまったか? オーガーの腕力なら有り得ないことではないが……だとしてもここ辺りで見ない野良オーガーの被害が出るはずだな。

 ……隠ぺいにもう2、3体首輪無しでこの森に放つか。

 最近ボスに気に入られてるダンジョンマスターとかいう胡散臭い奴が毎度何処からか調達してくるし問題は無いだろう……コアは解るがマスターなど聞いたことがない」


「ツカッパーさん、回収終わりました!」


「ん? 解った。よし、撤収だ」


「「「「「了解!!」」」」




 そして深夜に森に訪れた謎の一団は誰にも見つからず去っていった。





 そして場所はフカシの町。

 朝になり、日が昇る。






 さて、みなさんおはようございます。


 まぁ、誰に挨拶してるってわけじゃないけどね。


 なんとなくよ、なんとなく。

 うーん俺ァ別段野宿でも問題無いのだが、ベッドはやはりいいものだ。


 やることねーし昼まで寝ても良いんだが、起きてしまったものはしょうがないのでベッドから起きるとすっぺ。

 あ、ちげーわ。確か朝マル君来るんだっけか……


 カーテンと窓を開け、背伸びをする。


 さすがにベッドで寝るときは外用の服は着て寝たくないので、パンツと謎のクソTシャツが俺のベスト寝間着である。


 あー、ナイトキャップも作ってもらえばよかったなぁ……今更になって思いついたわ。ちくせう。


 そんなことを思っているとドアの方からコンコン とノックする音が聞こえてきた。


「お早うございます。タマさん、起きていらっしゃいますか?」


「おーう。マルか、起きてんぞー」


「お部屋に失礼しても?」


「言わないで開けても別段構わんぞ俺ぁ。律儀よのー」


 ガチャリとノブを回しつつマルが話しながら入ってきた。


「まぁ、性分ですから……って!? タマさん! 下着てください! 下!」


「ん? あー……そうだったな。今着るわ」


 俺は寝間着はシャツとパンツ だけ だと言ったな? 

 よってズボンなど履かぬ!



「すっ、すみませんでした! し、下で待ってますねッ!」 


 そう言ってUターンしマルは慌てて一階に降りていってしまった。


 いーやー。 ガンテツはロリコン(風評被害)だから俺が工房の中パンツ丸出しで歩いてても気にしないから全然忘れてたわ。

 あれが普通の反応だわなー。 

 余談やが風呂上りの首にタオルかけて上半身裸のパンツ一丁で歩いてるとさすがのガンテツも服着ろって怒ってくるんだよな。


 アイツ別段おっぱい好きじゃない小児性愛(ロリコン)(風評被害再び)のくせにー。


 おっといけない。下で待ってるって言ってたわな、さっさと着替えて下りるか。


 ――――


「おはよーす」


「おはようございます」


「おっはよ~ございます!」


「おはようございます……タマさん、さっきマルが慌てて下りてきたんだけど、何かあったんですか?」


「んーにゃ。なんもねぇよ」 


「だったらいいんですけど……」


 俺は偶に空気読めるからね、ついでに俺のパンツ一丁癖も言う必要ないし。うん。 



「今日は日帰りで行ける初心者用のダンジョンが南の門から直ぐにあるんですけど、タマさんも来ますか?」


 へー。 ダンジョン! そういうのもあるのか!  

 でもなー、今日は外行くって気分じゃないんだよなー。マルたちには悪いけど、断るか。


「あー、悪いけど今日はそんな気分じゃないんだよね。適当に街でもうろつこうかな~って感じ」


「はい、大丈夫ですよ。よろしければの話でしたので、お気になさらず。また夜にはお会いできますし、僕たちはダンジョンの方に行ってますね。タマさんはこの街に来たばかりでしょうし、いろいろ見て回るのも良いと思いますよ」


 紳士ぃ! 此奴紳士ぃ! やっぱすげーよマルは。 兄より優れた弟だよ。

 あんま兄の方のアルのこと知らんけど今までの流れで見た限り絶対此奴の方が優秀だわ。 


「気が利くなぁー君は。じゃあお言葉に甘えて俺はぶらぶらしてくるさね」 


「はい。それでは僕らは先に失礼しますね」


「ばいば~い!」


「お~う」


 俺は朝から元気なアイダちゃんに手を振って答えつつ、3人を見送った。  


 さ~て。俺もどうすっか…… 


 あっ。 そうだ。 金じゃ金。  

 金1枚だけは単位がデカくて扱いに困るから崩しにギルドに試しに行ってみなアカンわ。 


 そう思いながら宿で出されている朝食用のパンをいくつか頬張り、牛乳で流し込む。 

 ……パンもいいけどインゴットとか、置いてないっすかね?  ないかー。 



 とりあえずギルドに行ってそのあと街でもブラブラしてみっぺ 。

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