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ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
2章 冷やし中k……新人冒険者始めました
28/202

27ネキ やはり酒はいいよな

 前回のあらすじ



 冒険者クロスアウッ!(脱衣)




 ―――――――――――――――――――――――――――――



「……は?」


 いきなりの服ビリに理解が及ばない冒険者A(仮)


 そしてタマはついでとばかりに横に居た冒険者B(仮)にも手を伸ばし─ 


「そぉい!」


 ビリビリーん!  


 はい、すっ裸野郎2丁上がりである。


 あ、今度はパンツ下に捨てといたわ。俺は学ぶのでな()。


 なんとか理解が追い付き再起動する二人だが─


「「う、うわああああああああああ!?」」 



 野郎二人の叫び声に当然周りの注目が集まる。


「お? どしたどした? ん? アレは昨日見た頭突きのねーちゃんじゃねーか。それと、そこの何故か裸の二人組は……みねー奴らだな。今日街に来た奴か?」 


「なんだなんだ喧嘩か?」


「お? 噂のねーちゃんじゃねーか、なんか早速やったかー!?」


 野次馬もとい酒飲み冒険者共が集まってきた。

 俺の事覚えてるってことは昨日居た奴か?

 ……お前らこんな昼から酒飲んでんの?

 えぇ? 羨まし……ンッン゛! なんでもない。


 タマが周りに聞こえるようにわざと少し大きめの声で喋り出す。


「はー! せっかくの大物やっつけて景気付けに()()()()()()()()()()()()()()()()()この二人がいきなりお前は何かインチキをしたから金貨を寄越せって言った挙句に服脱ぎだして脅してきやがったんだよ! あー怖いわー! あ、店員さん、此処って一杯いくら?」


「え? はい、エール(麦酒)でしたら一杯2銀貨ですけど……」 


 ふむ。一金貨だったら500杯は頼める計算か……よし。 あたいこういう計算は得意よ。


 俺は店員さんに金貨を2枚渡し、みんなに聞こえるように大きな声で宣言した。 


「お兄さん方。金貨2枚分、1000杯分まで好きに呑んでいいぞ! 俺の奢りだ! どうせ此奴らに取られるならくれてやらぁ!」


 俺の宣言の後、暫くの静寂が訪れるが、すぐにそれは歓声に変わり、ギルドの飲食スペースはお祭り状態となる。 


「はぁ!? おおっ…… マジか……マジなのか!? 新人のくせに豪気じゃねーか!」


「よっしゃ! 倒れるまで飲むぜ!」


「もしかしてさっき運ばれたオーガー倒したのはアンタか」


「うおおおおおおおおおおおお! 飲め飲めー!」


「気前いいねー! 俺はアンタ気に入ったぜ!」



 よおーし。どこの世界でも奢りというワードは強いな、やはり。 


 さて、後はまごついてるそこのセクハラ野郎に止めを刺して終わりかな。


「……と、いーうーわーけーで、アンタたちには悪いけど、みんなの酒代になったんでお前らにやる分はねーんだわ。えーと? 名前は聞いてないから適当でいいな? (チラッ)……ちんちんレイピア君と……ちんちん耳かき君」


「「ファ!?」」 


 聞いていたギャラリーたちが爆笑する。


「ぎゃははははは! れ、レイピアだって!?ねーちゃん良いセンスしてんなぁ!」


「スゲェ! 確かにありゃレイピアだわ!」


「ひーひひひ!! 腹が、腹がいてぇ! ひー!」


「み、耳かき! れ、レイピア! 此奴ぁ傑作だ!」


「お前ら冒険者じゃなく芸人だったのか! はははははは!」




 う〜ん。

 酔っ払いに下ネタは凄い受ける。これも世界の理だ。 

 後は勢いのまま流に任せてぽーい。



「ち、畜生! 覚えてやがれ!」


「あ、待ってくださいよォ兄貴ぃ!」


 そう言いながら二人は股間を隠して外に出ていってしまった。


「あ、お前らその格好で外出たらr




「きゃああああああああ!?」


「変態よー!」


「衛兵を呼べー!」


「おい、この変態を捕まえろー!」 


「うわー!? 何をする!? 俺たちは何もしちゃいねぇ!」 


「お、衛兵が来たぞ!」


「公衆の面前で素っ裸とはいい度胸してるなお前たち! とりあえず詰所まで来い! 話はそこで聞いてやる!」


「ま、待ってくれ!両腕を掴むのはやめてくれー!」


「五月蠅い! さっさと暴れずに来い!」


「うわっーーー……






 ……あーあ。

 そら君達その格好で出ればしょっ引かれるに決まってんじゃないすか……





「タマさん……」


 あ、そういえばちょっと離れててもらってたね。



「変なのに絡まれたけど、まぁ、何とかなったべ?」


「まぁ、それはいいんですけど、周りが……」


「おう! ねーちゃんさっきの奢る発言は本当だろうな!?」


「俺はもう頼んじまったぞ!?」 


「ははは! 飲め飲めー!」 


「ん? ああ。 もう店員さんにお金渡したから大丈夫だよ。あ、店員さーん!おつりは要らないよ。あ、払った分超えたらそいつの自費ね」



「金貨2枚も奢りに使うとか豪快が過ぎるでしょタマさん……」


「大丈夫だ、ミリーちゃん、確かに俺は金貨2枚を使った。だけどな、ほら見てみろ」


「新人のくせになんて豪快なねーちゃんだよ! 俺ぁアンタのこと気に入ったぜ!!何かあれば相談にのってやらぁな!」


「またデカいの狩ったら奢ってくれよ!」


「俺もアンタのこと好きになったぜ!」


「俺もだ」



「野郎どもには好評よ。金貨の2枚くらい安いさ」




 親指で飲んで騒いでる野郎どもを指し、ニッ と笑う。


「そんな方法で先輩たちと仲良くなるなんて、思いもしなかったわ……」


「そうだねミリー。僕も勉強になったよ」


「はいは~い! タマさん! ジュースもいいですか!?」


「おーう、頼め頼め。浴びる程頼め」


「やったぁ〜!」



「なーんか騒がしかったから降りてきたけどなんかあったの? 君たち?」


  騒ぎを聞きつけいかにもギルドマスターですよって感じのおっさ……男が上から降りてくる。

 2階から降りてくる辺り偉い人だろう。




「お? マスターじゃねぇか! ちょうど良いところに来たな! 今、昨日の新人のねーちゃんが金貨2枚分の奢りやってくれてたんだよ!」


 あっ。ほんとに偉い人だった。


「へぇ! 昨日の子か!? ってか奢り!? 仕事してる場合じゃないじゃないか! 僕も混ぜてよ!」


「マスターならそう言うとおもってたぜ! ほら、パスだ!」


「おっと、サンキュー! さ~て、飲むぞー!」 


「「わーはははは!」」



 このおじさん降りてきたと思ったらいきなり飲み始めちゃったよ。

 と、思ったらこっちに気付いたわ。



「わーははは……ん? 君が噂のタマ君かね?」


「うん? 俺がそうだけど、噂?」


「ああ。君、昨日の頭突きの件面白いことになってるよ。フード取ったらビックリするぐらい綺麗な子が絡んできたクソーザ君たち一発でのしたって話」


「まーじで? 噂になってんの?」


「そら君登録したての新人がそんなことしたら噂になるに決まってんじゃん。で、それにしても君近くで見るとほんと綺麗だねぇ! 今度おじさんと一緒に飲みに行かない!?」


「おん? 飲みの誘いか? 酒は好きだし暇な時だったいつでも良いぜ!」


「わぁお。みんなに奢るくらいだからもしやとは思ってたけど、君ほんと気持ちいい性格してるねぇ。こんなかわいい子とお酒が飲める約束取れるなんて僕はラッキーだよ」


「あっ、マスター! ずりぃぞ。俺たちも混ぜろや!」


「そうだそうだ!」 


「だめでーす! タマ君との約束は僕が取りましたー! お前らにはあげませーん! 羨ましいでしょー?」 


「「「「「ブーーーー!!!!」」」」」



「あー聞こえない聞こえないー敗者どm「所長」


「あばばば聞こえな……げッ!? ノーンちゃん!?」


「先程下の様子見に行くだけって言ってましたよね? それで約束しましたよね? なのになぜ仕事も終わってないのにお酒を飲んでるんです?」


「いやコレは流れで「上 に 戻 っ て 仕 事 し ま し ょ う か ? 」


「アッ……はぃ……」



 あ、美人さんも俺の方に気が付いた。


「あ、どうも初めまして。私、此処のギルドの副所長のカーノーンと申します。 貴方が噂のタマさんですね? 此処の荒くれ共の心をつかむ手腕、お見事です。オーガーを討伐したのも貴方だと報告に入っています。貴方には期待していますので、これからよろしくお願いします」


「お、おう」


「さ、所長、まだ仕事が残ってますよ? 全部今日で終わらせてくださいね」


「そんな!? 僕の飲み放題が!?」


「知りません。終わったら好きなだけ飲んでください」


「今日のはいっぱいあるんだよ!? 全部はさすがに「終 わ ら せ ろ 」

「……はぃぃ……」



 そんな感じでマスターは上から降りてきたショートボブのキツめの目をした美人さんにおっさん連れていかれちゃった……

 襟首掴まれておっさんが凄く悲しい目をしてたね…… しわしわだぁ……



「よっしゃ! 俺たちが忙しいマスターの分まで飲んでやるか! わーははは!」


 うん。犯人は俺だけどここギルドって感じより酒盛り会場ですわ。 ……俺も混ざろっかな? 混ざりてぇな……いやでもアルの所が……




 そんな感じで悩んでると聞いたような声が聞こえてきーの。


「あ! 居ましたタマさん! ちょうど親方がタマさんのこと呼んでたんですよ! 是非家の方までいらしてください」


 あ、アル君の方だったわ。んでお父さん帰ってきてるの?



「あ、ちょうどよかったですねタマさん、それじゃ今度こそ父さんに会えますよ」 


「じゃあ、アルに呼ばれたことだし行くとするかぁ」 




「お? もう行くのかねーちゃん!」


「また来いよ!」


「しっかり飲み切ってやるからな!!」


 俺たちが出ようとすると通る最中に次々と声を掛けられる。

 うむ。やはり酒は至高にして究極。異世界でも証明されたな。



「じゃーなー。またデカいの狩ったら奢ってやらぁな」


「ヒュウ! いいぞいいぞー!」


「さ、アル君、君の親方のとこまで案内してくれ」


「あ、はい……ところでこの騒ぎどうしたんですか? 先ほど外の方で変質者が出てましたし……」



「気にするな気にするな。さー行こうか」


「あ、はい。こっちです……って昨日来たから場所解りますもんね」




 さーさー。 


 今度は……何ーザって言ってたっけ? フリ?あ違うはそんな宇宙の帝王みたいな名前じゃねえわまあいいか、とりあえずエンカウントしないでアルたちのとこに来れたよ。やったね!


 行きながら名前アルに聞いたけど、つなげて読むとあいつ等面白い事になるな。名前。

 異世界人しかわからないネタだと思うけど、世界には不思議が満ちてるっすねぇ(遠い目) 



「つきましたよ、タマさん」


「あ、うん」



 さて。アルマル君たちのお父さんってどんな人だろうね。 

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