26ネキ おかね を 手に入れたぞ!
前回のあらすじ
ワンチャン美味いのでは? と期待したが、実際そうでもなかったわちくせう
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「♪ふーふん、ふーふん……」
……ハッ!? いっけね機嫌よくてつい3姉妹でタイツ怪盗のメロディーを鼻歌で刻んでいたが、俺はふと気が付く。
JAS〇ACに怒られる……じゃない。
歌詞にある緑色の瞳、そしてなんかすっかり猫っぽくなってしまった俺の名前。
俺は怪盗の可能性が微レ存!?
……いや。ねーな……うん。
俺が仮に怪盗だとしても警備の網を掻い潜り華麗に盗む! ってより
真正面から堂々とすべてなぎ倒してもぎ取っていく強盗になりそう。
……どこかの範馬なオーガかな? あ、さっきのオーガーとはややこしいのであしからず。
「ご機嫌ですねタマさん」
「鼻歌歌いながら持ってるなんてほんと冗談みたいね……」
「ん? ああ。これくらい重いうちに入んないぜー? どっちかってーとアイダちゃん落とさないように気を付けてるくらいだよ」
現在の俺は鼻歌を歌いながら街の帰路なう。
い〜や〜、ポッケに入れたまま忘れてたなんてラッキーやんね。
最初全部引きずっていこうかなって考えてたし……
あ、今肩に担いでるクソでか風呂敷の中には血抜きして洗ってあるオーク×3 とオーガー×1 が入ってます。 んで風呂敷の上には疲れて寝てるアイダちゃんが居る。
……〔洗浄〕の魔法で頑張ってくれたのはいいんだけど、その寝てるすぐ下死骸なんですよ奥さん。
ま〜なかなか肝が据わってる子だよ、この子は。
最初はマルがおんぶしようかって話だったけど、俺の風呂敷の上に乗りたーい! って言い始めて、俺としては全く問題なかったから乗せてたんだよね。
いつの間にか静かになって寝てたけど。
まぁ、起こす必要ないし、そういうわけでそのまま優しく運んでるんすよ。
はい。
そんなこんなで着きましたよ東門。 横から通る冒険者が普通に通った後びっくりして二度見してるが気にしない気にしない。
……あ、風呂敷が珍しいのか。
「……遠くから何か異様な緑色の塊が向かってきてるのは見えていたが……君たちだったか」
「サジャンさんこんちには。今東の森から依頼終えて帰ってきました」
「ちーす。サジャンさん」
「うむ、無事で何よりだ。……ところでタマ君が担いでいるその変な模様の緑の物体の事を聞いても良いかね?」
「あー、えーと……サジャンさん、驚かないでくださいね……その中にオーク3匹とオーガーが入ってます……」
「ふむ、オークが3とオーガーが1。と……良く持ってこれたものだなぁ。タマ君は見た目に反して凄い力が有るのだな。……ん? オーガー? オーガーだってぇ!?」
「はい。オークたちの後、オーガーと遭遇しました。この付近には生息は聞いていないのですが……確かに居ました」
「すまないが、今此処でその中身を見せてもらっても構わないか!?」
「ええ、大丈夫ですよ。タマさん、お願いします」
「あいよー」
風呂敷をなるべく揺らさないようにゆっくり地面に降ろす。
上にアイダちゃん寝てるしね。
「ふにゃ? ……おはよ~う……ふぁぁ……」
ガッツリ寝てたんですか。君は凄い子だよ。
「おはようアイダ。門に着いたから降りてくれるかい?」
「おっけ~……むにゃむにゃ」
「ほいじゃ、開けるぜー」
俺は風呂敷の縛りを緩め中に詰まっている死骸を御開帳。
「……うーむ。確かにオークとオーガーだな。……これは緑鬼か? だとしたら国の向こうの北の大森林辺りにしか生息していないと聞くが……最低でもCが複数人で掛かるはずだ。君たちは無傷……誰かに助けてもらったか?」
「はい。確かに助けてはもらいましたが、それはタマさんです」
「なんと! タマ君がオーガーを倒したと! しかも無傷でか!?」
「ええ、はい。事実ですね」
「あたしもいまだに信じらんないですよ……」
「ZZZZZ……」
「いえーい。朝飯前よォ」
「マル君が嘘を言えるような者でないのは知っているが……タマ君はもしかして獣人種や、他種の亜人なのか? いや、わかりやすい特徴は見当たらないが……」
「あー……サジャンさん。俺の種族はちょっと説明がややこしいからあまり聞かないでくれると助かる」
「む? そうか。冒険者に余計な詮索はマナー違反だったな、これはすまなかった。……ところでこのオーク達の死骸、あまりにも綺麗に討伐しているのだが……これもタマ君の仕業かね?」
「んー? まー……そんなもんかね。 俺がオーク押さえつけてーの、マルが後ろからスパッ と。鬼君はちょっとヤバそうだったから俺がブン投げて首切って終わり」
「オーガーを投げるか……鬼人種……いや半巨人……ブツブツ……おっと、すまない」
「まぁ、そんなもんでいいんじゃない? 気にしてないよ。俺は」
「ありがとう。おっと、仕事に戻らねばな。運んできた魔物の死骸は横の大門の方に行って馬車置き場の係に言うといい、ギルドの馬車があるから運んでくれるぞ」
「おっけーありがと、サジャンさん。あ、マル君馬車の細かい場所おせーて」
「あ、はい。こっちですよ」
「じゃーねーサジャンさん! 門番頑張ってなー!」
「うむ。早くギルドに行って依頼とオーガーの報告をしてくるといい。……ふーむ……オーガーが出るなんて、何か起こる前触れかもしれんな……ブツブツ」
そうしてタマたちは門のやり取りの後、ギルドの馬車に死骸をお願いし、ギルドの方に向かう。
やっぱり馬車の御者がちょっとびっくりしてたけどさすがプロだねー、何事もなかったかのように運んでいったよ。このまま裏に運ばれて解体して精算してくれるらしい。便利っすな。
報告のために入ってすぐカウンターの方に向かったんだけども……お、なんかマリーさんが手振ってこっち来いやってるし、そっち行くかな。
「お帰りなさいマル君、報告に来たのね」
「ただいまです、マリーさん。そうですね、依頼完了しました」
「はいはーい。じゃあみんなカード出してー」
受けるときは別段カード出せなんて言われなかったけど依頼完了したらカード出すんだ?
「はい、どうぞ」
4人全員のカードをマリーさんに渡す。
「……はい、おっけー、返すわねー。あ、タマさんにそういえば言ってなかったですね……すっかり忘れてました」
そうですね。貴女俺の頭に張り付いて何か吸ってましたしね。
「依頼の受諾はこっちの名簿で管理するから、終わった時だけカード出してもらってポイントが貯まるのよ〜。で、一定に貯まったら昇格試験を受けて、受かればランクアップね。まー……タマさんの場合かなりランク詐欺みたいなものだけど決まりは決まりだから頑張ってポイント貯めてね♪」
ほえー。そんなシステムだったんか。 まぁ、最低ランクからいきなりトップなんて物語の中くらいですよそんなん。
「……とは言いましたけど、ポイントが貯まれば別ですよ? 馬車見てビックリしましたよー。タマさんたちオーガーと遭遇したんですって?」
「んー? なんか森に居たんだよね。早く帰りたかったから投げてはい終わりだったけど」
「は~さすがですね~、重戦士顔負けですよあでも多分重戦士でもしないと思います……
あ。鑑定精算終わったみたいですね。えーと……オークが一体につき大銀9で、オーガーが金3になりますね」
「ええっ! そんなにするの!? 普段私たちがオーク狩っても大銀貨4枚よ!?」
えーと? 日本円換算だと、普通が一体9千で、んでオーガーが30万か。
冒険者儲かるな?
「あ、ミリーちゃんそれはね、今説明してあげるけどコレ、討伐個体の状態が良すぎるのよ。首以外の損傷無し、血抜き洗浄込の完璧。オーガーの方も同じ感じかしら」
「わ~い! おっかね持ち~!」
「まぁ、ミリーも苦労なく依頼達成できたから良しとしようよ。あ、配分は僕たちが銀貨の方で 金貨の方はタマさんでお願いします」
「山分けじゃなくていーのか? 」
「ええはい。タマさん一人で倒したわけですから、むしろオークに関してももらい過ぎなくらいで……僕たちはいつもの額でも良いかと」
「だめ〜。言っとくけど俺はくれるって言ってもぜってー貰わねーからな。金貨はマル君の意図汲んで頂くやが」
「ええ、ありがとうございます。……それでは、精算も終わりましたし、今度こそ兄さんの所に向かいますか」
「そうね。マルのお父様もたぶん居るでしょう」
「ありがとうマリーさん。それじゃ俺たち、もう行くね?」
「あ、はーい。お疲れ様ですー……また、来てくださいね?」
……マリーさんがめっちゃ名残惜しそうに俺の髪をみてくるんだが……いやガン見だこれ。
……ちょっと遊んでみっか。
俺はおもむろにマリーさんの方に戻り、自分の髪を一束掴んで、前に持ってくる。
「どうしましたタマさん?」
マル君に声を掛けられるが軽く振り返って人差し指を一本立て口の前まで持っていき 静かに のポーズを取る。
首を傾げたマル君だったが、そのまま少し待っててくれた。
「あら? タマさん、どうしたんです?何か忘れ物でもr
手に掴んだ髪束を見てるマリーさんの顔の前まで持っていき鼻下でふわーりと揺らす。
「え、ちょ、あっ、あぁっ~~~~~~~~~~~!(ビクンビクン)」
……やっべ、なんか思ったより効いた。
髪好きなのかなーとは態度で解ってたけどここまでフェチだったとは……
背景が謎の虹色になってポワポワが浮かんでるわ。どうなってんのコレぇ……
「……よし。何も見なかった。マル君、行こうか」
「アッ……はい。そうですね」
ホント此奴空気読むやっちゃな。
そして出ようとして途中で誰かに呼び止められた。
……外に出るのは何かのフラグスイッチになってんのか?。
「おい。そこの女」
「あん? 俺か?」
こないだ埋めた3人と違って今度は普通の冒険者っぽい二人組に声を掛けられたわ。
のっぽとチビの強いて言うならちょっとガラが悪そうな。
マル君、何か言いたいのは解るが、ちょっとステイ、ステーイ。まだ悪い奴とは決まってないからね?
男達に見えないよう手でジェスチャーをして、俺から離れさせる。
「さっきから話を聞いていたがな、お前さんのランク、Gなんて昨日今日のペーペーじゃねぇか。そ、れ、が、な〜んでオーガーなんか倒せて金貨3枚も貰ってんだぁ? 何かインチキしたんじゃねぇのか?」
「そうだそうだ!」
……。
「オーガーつったら、俺らDの奴らが10人集まったって勝てる相手じゃ、ねーんだよ。し、か、も、ここらじゃオーガーの生息なんて、聞きやしねぇ」
「そうだそうだ!」
「それに、投げた、だぁ? お前さんどう見ても身長がデカいだけの……お、なかなか良い顔してんな。よーし。それじゃお前さんの見た目に免じて、このインチキは金貨1枚で黙っといてやる、な? 悪くない話だろ?」
「兄貴の優しさに惚れるなよ!?」
そう言いながら、ガラの悪い冒険者の男は、俺に肩を組んできた。あ、背伸びしなくてもいいんすよ? つーかやめろ。
フゥ〜………(心のため息)
「お? お前さん、なかなか良いモノ持ってんじゃねーか? どれ、ちょっとサービスさせてもらおうかr
男の手がタマに伸びたその時、その手をパシッと払い除け、次の瞬間
「ふんっ!」
ばりーッ!
タマが男の服の両肩を掴んで左右に引き裂きパンツ一丁にする。
「え?」
まだだ、まだ、終わらんよ!
すぐさまノッポのパンツも二つにちぎってどっかにポイー。
「は?」
理解が及ばずぽかんとする男。
パンツを投げた方向から「うわ―ッ!? 俺の酒に臭いパンツが!?」 と悲しみの犠牲者が出てしまう。
あっ。 投げた方向に居た奴マジごめん。
うん。
コイツ腹立つから我慢できなかったわはは。
殴らんだけ俺有情なのでは?
 




