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ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
2章 冷やし中k……新人冒険者始めました
24/202

23ネキ 役割把握

 前回のあらすじ 


 まめちしきー。

 あんなー? スライディングで人を植えるには角度がだいじやねんでー?



 ――――――――――――――――


 東門を出発して現在街から少し離れた平原にて、タマが一緒に歩いてた3人に声を掛ける。


「さて、マル君、ミリーちゃん、アイダちゃん。そういえば俺の戦闘スタイルが気になるって言ってたな?」


「あ、はい、マリーさんに以前から(タンク)職が足りないって言われてましたから、事前にある程度タマさんを把握できたら嬉しいです」 


「タマさんが前衛向きってその見た目でまだちょっと信じられないわ……」


「あ、私も思ってた~」


「ほーん? どこからどう見ても頼れる戦士さんなんだが? これはいっちょ見せてやる必要があるな? じゃあ早速聞くより見ろ見るよりやれだ! 手加減なんて要らんぜぇ」


 タマが両拳を突き合せ、ガァン!! と音を鳴らしアピールする。

 アピールと同時に両手の手甲のギミックが起動。

 手甲が起き上がり、骨が伸び、小さな破片が面積を広め、ほぼノータイムで長方形の平らなタワーシールド型に変形が完了する。 

 ちなみに手で持つ取っ手が付いているが、服の前腕部とサブアームで繋がっているので手を放しても離れない仕様になっている。

 

 いやー。ガンテツ浪漫が解ってるよね!

 これなら普段かさばらないってのが一番いい。

 材質的には服と同じで重さなんてものは無いけど、これはまぁ後で説明しよう。 



「どこから盾を!? 」

「ツインタワーシールド……」

「お~! カッコいい!」


「まぁ、いきなりやれって言われても困るだろうから、アイダちゃんって回復使えるって言ってたでしょ? 治せる範囲で試せばいいんじゃない? 魔法も撃ってきて構わんで、ばっちこーい!」


「では……お言葉に甘えまして、依頼に支障がない範疇で試させてもらいますね! ミリーは開幕牽制の後溜めて一撃を! アイダは強化と回復よろしく! 行くよ!」


「え、ちょ、もう! 解ったわよ!

小炎弾(プチ・ファイア)〙!」

「おっけ~。〘 攻防補助(パワー&タフネス)〙!」


「おっしゃ! カモン!」 


 ミリーの牽制の魔法に隠れるようにマルが駆ける。アイダの魔法はおおよそ腕力と防御強化のではないだろうか?

飛んでくる魔法をタマは両手のシールドを合わせて全て受け止める。 


 防ぎ切り、砂煙が晴れたと思ったら、マルがもうすでに目の前に迫ってきていた。

 繰り出してくる剣戟をタマは両手のシールドでブロック、または容易く弾いて防御する。


「おー!? 俺はそんなに剣術詳しくないけど、マルお前、結構やるんじゃないの?」

「一応っ! 小さい頃からッ! 練習してますからっ! ねっ! 正直ッ! 手が痺れそうですッ! よッ! 硬くてッ!」


 


 あ、そうそう。この服と盾の話しとこうね。

 この服ってもちろんガンテツが作ってくれたんだけど、素材が凄い特殊な魔物の素材らしい。

 その魔物なんだけど、クラゲ型寄生生物の素材とのこと。 


 名前は……え〜と忘れた……


 確かにうんちくだと自分が受けた外的干渉をすべて寄生してる宿主に接続してる触手を伝って受け流す特性を持ってるんだって。 

 詰まるところ、宿主が丈夫であればあるほど(説明部分自体が消えてる?)

 ガンテツは勇者が剣の製作の依頼の時に、渡された素材の中に混じってたって言ってた。

 伝導する特性のお陰で、武器にも防具にも使いようが無かったらしいんだけど、俺の異常な頑丈さに着目して、「お主なら防具要らないしっていうか、もうお主が防具のような存在だし、お主専用に装備作れば面白いのができそう……閃いた! おっほー!!」って言いながらトンカンして出来上がったのがこの服と手甲ってわけよ。



 聞こえが良く言うと、どんなことされても持ち主が居なくならない限り損耗しないスゲェ服だよ。




 ホントのこと言うと。 



 全裸と何ら変わんないよ。




 ヒットボックス(当たり判定)がメッチャ増えるだけのクソギミックだよ!!

 シールド? 防いでるわけないじゃん! 全部俺にダメージ100パー通ってるよ!!

 効いてないから実質ノーダメージなんですけど。

「素材を活かす!!」 って言ってたけどコレ装備者含めての素材だよなぁ、きっと。

 俺の体の異常さのカムフラージュには持ってこいだけどね。

 そんな感じで俺の装備説明終わり!! 身体の延長みたいなもんだ。


 ん? マル君が急に引いた……ってうおお!? そういえばミリーが溜めてるって言ってたね!


 そして次の瞬間、ミリーが放った電が俺を襲う。 

「〔スタン・ライトニング〕!」


  バリバリと電気特有の空気間を伝わる音が鳴り、盾から伝わり全身黄色い光に包まれる俺。



「っはあ! ……これなら盾伝わって動けなくなるでしょ! 一応死にはしないわよ! でも、まともに動けなくなる麻痺特化の魔法よ!」

「ミリーナイス! ……さて、タマさんの方は」

「回復準備いつでも大丈夫だよ~!」


 電撃で巻き起こった土煙が晴れ、息を飲み、タマの方を見る3人。

 両盾を地面に付けたまま、立ったまま動かないタマ。


「よし効いたみたいだね、アイダ! 早く回復魔法をっ……っ!!?」

 次の瞬間、タマが普通に動き出して、マルは言葉を途中で止める。


「おー。 てっきり火系で来ると勝手に思ってたけど、まさか電撃なんてな? これ、まともに食らった奴はほぼダウンするんじゃないの? 駆け出しって言ってたけど凄いな、ミリーちゃん!」


「……うっそ。……今の魔法って金属盾なんか貫通するのに……どんだけ頑丈なのタマさん……」


「や、火傷一つ負ってないんですけど~……」



 HAHAHAHA! まぁ君たちは知らないようだけど古来、地面タイプには電気は効かないのだよ!

 俺は地面タイプのようなもんだからね!

 

 あ、ごめん。はがね単タイプだったわ俺。

 ただまぁ、よくある弱点の水とか後は草とか炎とか特に効くは存在してないね!!

 ……全属性無効とかクソゲーまっしぐらも良いトコですぞ。

 んんwww



「さて。これで俺の丈夫さが解ってもらえたかな? 安心して前衛任せてくれよ」 


 そう言いながら襟元に有る飾り紐を口で引っ張る。 

 するとシールドが展開時とは逆再生のように小さくなり、元の手甲に戻った。

 それと同時にマルたちも剣を鞘に納め戦闘態勢を解く。


「……正直ここまでとは思わなかったですよ。いや、むしろとても頼りになります。明日はよろしくお願いしますね」


「……私が……一番……疲れてるんだけど……」

「こっちは元気~!」


「おーう! 任しとけ! それにしてもいいなぁ。魔法」


「タマさんは魔法が使えないんですか? 女性なのに珍しいですね……」


「え? そうなの?」


「基本女性の方が男性より比較的魔力が高いんですよ〜。まー、例外も多々ありますけど私たちみたいに魔法使いやヒーラーは女性が多いですね〜」


「タマさんもしかして知らなかったの?」


「ほぼ1人で山中生活だったし? 細かいことは聞かないでくれると助かる」


  いいもんいいもん! 魔法が使えなくてもわちきビーム撃てるもんね!


「まぁ、タマさんが世間に疎いのは街の中でのやり取りで大体わかってますし、僕たちで宜しければ何でも教えてあげますよ」


「おー! 助かるぜマル君! お前は歳食ったら良い男になるぞ?」


 素直な厚意が嬉しかったので思わずマル君を捕まえて片腕でしっかりとホールドして撫でくり回す。


「むーッ!? むーっ!?」


 ははは! 何を言ってるか解らんが俺の腕力からは逃げられないよ!


「ちよちょちょ!? タマさん! マルから離れて!」


 ミリーが俺の服の裾を引っ張り動かそうとする。


「お〜!? マルくん羨ましい……あ、タマさん。そろそろ離してあげないとマルくんが」


「ん?」


 さっきまで暴れていたマルが急に大人しくなった。

 どうし……



 あっ。



 そういえば俺立派なお胸が付いてましたね。

 いっけねー……絞めてたわ。


「アイダちゃん。ヒール! ヒール!」


 ヒールで治るかは分からないけどとりあえずヒールコール。


「はいは〜い。あ、そ〜れ〜!」


 ――――――



「全くもう!あんたって奴は! その気になれば解けるでしょ!」


「いや、解こうとしたけど……」


「つべこべ言うな!」


「はい。ごめんなさい……」


「全くもう……ほら、この野郎にタマさんも何か言ってやってくださいよ!」


 少ししてすっかり回復したマル君だったが、起きてすぐさまにミリーから物凄く怒られるという不条理体験をするマル君に近寄り肩に手を掛けそっと言う。



「何か……ゴメンな? 今度は息とまらないようにやってやるから……な?」




「ちっがーーーーーーーーーう!」




 ミリーの怒号が平原に響き渡る。

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