163ネキ 閑話ですって? うるさいな頃しますよ(53万感)
─此処は人類未踏の魔境山脈。
─山頂の龍頭の様な形状と伝説の龍が佇むと噂故にドラゴンマウンテンと呼ばれる山。
─から少々外れた所に構えられたとある髭の秘密工房
─もとい岩人達の集落。
本来は長い年月目的、または火山内部の特殊な高熱を引いた炉が使用目的であったが─
なんの因果か偶然住み着いた変な生き物により提供された素材によりなんやかんやでできちゃった♡
─と。
そんな感じに以後は用事も済み、訪れる事はそうそう無くなり、そこには毎日をゆったりと暮らす緩やかに人?岩生を楽しむ彼彼女たちがいた。
なんだかんだちゃっかり定期空輸便にて交易はされているのだが、折角なので今回は彼等の生活を覗いてみよう。
─ただ1つ、以前と違う事があるとすれば今まで存在しなかった(元より誰それを決める性質では無いが)群れのリーダーが突如できた事。
同種族の個体差が富栄養化により爆発的に発生した事。
雌雄の見た目の差異が消失した事(ひよこ感)
細くデッサン人形の様だった雌は雄の様に肉(岩)付がよくなり人形形態の岩人は消え、雄もあらゆる食事を取れるようになった事で適合鉱石によりほぼ例外無く進化をしていた。
…まぁ、進化をしたところで根幹の彼等の性根は何も変わっていないのだが。
〜case 1 〜
苔岩のモスオ
─彼は「家」を持たず朝、いつもの寝床にしている木陰にて、朝日が差すとゆっくりと目を醒ます。
ゆったりとした足取りにてのっそり…のっそりと集落の「食料庫」へと向かいつつ、既に起きている仲間と挨拶を交わす。
「オハーよ」
「おはヨー」
「タベーるよー」
「いいヨー」
適量を持ち出し、寝床の木陰に腰掛け食料を小さく摘見千切り、モチョ…モチョ…と少しづつ味わって食事をする。
どうやら粘土岩系統が好みらしい。
食事が済むと日課をすべく集落すぐ近くにある渓流へと向かう。
木々の合間を縫って陽射しが指すお気に入りの場所へとたどり着くと、腰を落ち着け穏やかな水流に頭から打たれ、日が暮れるまでゆっくりと過ごす。
日光浴と水浴びが好き過ぎて行き着いた結果がこれらしい。
〜case 2 〜
登山岩のクロ
─一般的な岩人の住処は四角一辺倒の俗に言う「豆腐ハウス」なのだが、彼は拘りが有るらしく、自ら削り出したかまくら型の家に住んでいる。
朝日で目が覚め、朝食を取らずに仲間に挨拶だけ済ませ、ドラゴンマウンテン(以下略山)
へと仲間とは少々異なる体躯を揺らしてえっちらおっちらのんびりと向かう。
いつものコースへとたどり着く。
おもむろにストレッチのような動作をしたかと思うと勢いよく四つん這いになり、折り畳んでいた手足を延ばした。
系本折りで畳まれていた関節が伸び、4足の蜘蛛の様な体勢をとる。
ゆらり…ゆらり。と気持ち左右に揺れ、ピタリと止まった後─
突如山を爆走して駆け上がりはじめた。
身体を山肌の岩が擦ろうとも一切の躊躇無く駆け、道中の岩石は勢いのまま粉砕、踏み越え踏破する。
─予め決めていた目標地点へと達すると停止し、少しばかりそこらに散らばっている岩石片等をおやつに戴き、今度は駆け上がった出来た溝をレールに手足を丸めて勢いのまま下山する。
それを複数回繰り返し今日も彼の身体は不要な角を削ぎ落とし磨きあげられ更なる頑健さの高みを目指す。
尚この溝は雨季に豪雨が降ると山肌の水を集め麓の森に山のミネラルを届けているらしく森の活性化に一役買っているらしいのだが、
当然彼はそんな事知らない。
〜case 3 〜
農業岩の「ムロ」
─彼はとても変わり者の半岩食者である。
特段特別な個体でもなんでも無かったが「ボス」の環境改変により進化したらしい。
岩人独特のずんぐりむっくりとした体型は変わらず、結構な猫背に、背中には籠が一体化した様な通気の良いスペースが出来、腕は他より細めだが細やかな作業が出来る4本の腕に。
大好きな陽射しに照らされながら草木を育てている際に、ボスから与えられた“麦わら帽子”なる物を痛く気に入り、必要はとやかく非常に好んで被るようになった。
(尚この帽子は当然ガンテツの私物に混ざっていたものをタマが発見し、駄々を捏ねて調度良いサイズを編ませた)
とても肥沃な(にされた)集落の土地の一角に畑をこしらえており、作物の状態を逐次観察。
天性の才能なのか日当たり、葉の間隔の調整、必要水分量に至るまで管理され、育てられる実る前から芸術と言っても過言ではない美しさが有る。
纏う衣を剥がせば、大粒の砂金が敷き詰められているかのよう黄金色の実を見せる棒状の作もt─
トウモロコシだこれ。
小ぶりな丸い深紅の宝石─
プチトマトだな?
艶めかしくカーブを描く艶やかな紫─
ナスわね。
専用の石垣に這う仙人掌に実るは竜の果実とも揶揄される希少な実─
ドラゴンフルーツすか?
等々他にも有るらしいが割愛しよう。
集落内で作物を摂取する者は非常に限られており、ほぼほぼ個人用なのでそれぞれの量は大したことは無い。
─尚この(余った)収穫された作物郡はぎーと隊によって空輸され、肥料や道具等と物々交換されている。
……余談なのだがガンテツの元へと届いた作物はと言うと嗅ぎつけたヒゲにより徴収(買い取られ)され、裏で謎の生産者による魔性の野菜として偉い所に廻っているらしい。
曰く食したものは「今まで食べているものは腐っているかと思った」
「この“きうり” と言う物は食べる程に頭に音が響く」
「育てようと植えたが何故か育たない」
等々、麻薬的な野菜─通称「麻菜」
として誠しなやかに噂話をされているとかなんとか。
〜c。
case〜
けけケケケケ
ccacasecasecasese
─ザザッ。
……
………………
…
…ほ〜…
……おほ〜。
「おほ〜! ちょっと見ない間に面白いのいっぱい増えてるねぇ! いいね〜… 'k?@@an1:の呼んだ子もなかなか…いやいや fひfる-&-&??.?2の子も面白面白……おほほほ〜」
「ん?」
「[窓]コレ開いてたっけ…? 閉じ忘れか?」
「ふんふんちょいちょいよいよいさ…んあ、あ〜〜〜〜。“コレ”ch がバグってんのか。なるほどなるほど……って事は」
「“見えちゃってた”????」
「あ、“見えてる”っぽいね〜。いやはや“端末”のメンテサボってたからかな〜? GOD失敗失敗」
「ん〜まぁ、すぐ閉じるのもおもんないしせっかくだし、ハローハロー向こう側の諸君。僕は適当に言うところの神様かな!! 信じなくても良いよ♡ あ〜でも信じるにしても流石に「格」が違うからキリちゃんとかゼウ君みたいなのと同じにするのはちょっといい気分しないからやめてね♡」
「高次元的ななんちゃらなんちゃら難しいんだけどちょっと偉いくらいで“認識”してくれれば良いかな」
「HAHAHA、偉いって言っても“君たち”の所では作り話の範疇だから特段何もしないしできn…しないから収まるところ端末の狂言くらいだね」
「所でどう? この【システム】。発案は僕じゃないんだけど、並行別次元に細いパイプを繋いで他所では〔フィクション〕として提供する娯楽システム! 素晴らしいと思わないかね!?」
「いや僕もね、半信半疑だったんだけどこんな楽しいものだとは思わなかったよわはは!」
「ん〜なんだっけ? “現実は小説より奇なり” だっけ? そっちの言葉だと。 いや〜〜〜〜ほんとね、誰も確かめようがないからもっと公にしてもいいんじゃないか?いやそっちではもうけっこう流行ってるもんね別に良いか」
「いやね、実際ヘッドハンティングして他の世界に送る、送った情報がこちらでは娯楽になり更にヘッドハンティングした者の予備知識として蓄積され……と、もうすげー好サイクルなんよね、送った側の方も発展するし」
「あ〜でもね〜、異世界側の住人が運良く地球のchに繋いで無理くり持ってきちゃう〔転移〕?? 系の奴はあんまり好きじゃないんだよね…ほら、そういうのって僕らの真似事じゃん? その世界の担当さんとか急に仕事振られて慌てて能力付けるの大変だって言ってたからさ…」
「付けるのが決まり事になってるから実はきちんと神様通ってるんだよね()慌ててやってるだけで」
「まぁ僕はそんな関係ないんだけど」
「ん〜後なんかよく勘違いされる…そうだ! 俺TUEEEEってあるらしいじゃん? あれもGOD側からしたらちょっと違うからこの際認識改めてちゃってよ」
「なんかそこ辺のリーマンが生まれ変わったら最強とかありますじゃん? 与えられた力で無双して恥ずかしくねーのか的な?」
「答えは「貸し与えられたもの」でなければ本人のもので良いんじゃないの?」
「地球の娯楽で見る視点だからそんなおこがま…面白く考えれると思うし与えた側が没収するつもりなければもう贈与なんよね」
「仮話地球のビッグバレーヘイショー君が記憶持たせてない転の者だとしてズルいって言うかね? そういうことだよ君」
「んんー娯楽側にすると…ああ、「端末」の作品で良いか、確かに僕が1人創造した子が映されてた筈だしね」
「これ限って言うなら僕は貸し与えても無いしなんならお腹を痛めて産んだ子なので生まれ持った(素質)になるんだよねコレ。 素材になる魂も器と混ぜた瞬間変質して別の存在になるから単純に前世の記憶少し持ってるだけ程度」
「流石に君たちも人んちの子に指さしてズルだ! 与えられている!! なんて言わないでしょ? どこの世界でもだいたいそう」
「…っと適当な事言ってる間にチューニングもバッチリ、うん。なんか言ってることがよくわからない? HAHAHA。それはそう。わかったら君神様のバイト向いてるよ。たまにそういう子いるからねHAHAHA」
「やりたくない? 遠慮するな遠慮するな素質がある子は問答無用だから♡」
「さて、と。チューニングもつらつら話してる間に終わったし多分大丈夫かな? まぁ駄目ならまたすれば良いか! それでは諸君! 種は植えたので次は君かもね! 今世は楽しくまっとうしてくれたまえ!!」
─ブツッ。
─ザ
……ザザ
ザ
ブゥン。
〜case???〜
ドワ街各所にある広場公園にて遊んでいる
「タマ」
「はい、確保ぉ〜」
「くっそー、反応早ええんだって…」
「わははは、ほら貴様も間抜けどもの横に並ぶがよい」
「う〜……」
捕獲したと思しき子供を捕獲済みの列に待機、座らせ、タマがゴミの空き缶詰を軽く踏みなおす。
周囲の茂み、物、岩陰、辺りを注意深く見回し─
「あっ」
捕まっている子供のうち、ひとりがガサリ、と揺れた茂みを指さし、タマも其れを確認すべく茂みに向かい数歩─
「今だ!行け行け行け行けGOGOGOGO!!」
「!」
向かった茂みとは反対方向の物陰に潜伏していた最後の一人が缶を蹴り飛ばすべく駆ける。
同時気づいたタマも踵を返し缶の防衛に駆け─
「……づぁ!……踏み潰すのは…ずり…うぉァぉぉごごご……」
『缶』
ではなく、タマの脛と言う鉄塊を蹴り抜き、 反動として襲ってくる痺れのような鈍痛に悶える少年。
「うおーずりーぞタマねーちゃん! 反則だ反則! 缶を潰すなんて聞いてねーぞ!」
「そーだそーだ!インチキだインチキ!」
「ぐおおおおお、とーちゃんの鍛冶場の金床より重てぇ…」
捕獲勢の少年らから抗議の罵声。
「HAHAHAHA、己の非力さを嘆くが良い小童共、んッん〜負け惜しみの鳴き声は耳心地が良いですなァ!」
「うぎー!」「きたねー!」「大人気ねー!」
「それでも大人かー!?」
「うるせーうるせー何を言うか貴様ら、吾輩おまいらと大して年齢変わらんのやぞ!」
「嘘つけー!」「お前のような子供が居るかー!」
「仕事しろ仕事ー!」
「ん〜聞こえねえ聞こえねぇ、『冒険者』なので好きな時に働けば良いんですぅ〜、俺ちゃんやる時はやるから良いんですぅ〜!」
「確かに」
「正論言うじゃん」
「せやな」
「お前ら急に同意すんのかよ」
「だってタマねーちゃんバカ強いもんな」
「パワーお化け」
「見習いてぇ〜」
「やめとけやめとけ、もっとてめぇらの親御さん参考にしろ、俺よりずっと立派だぜ」
「こういうこと言うんだよな」
「たまに居る冒険者に爪の垢売ったら儲かるんじゃね」
「放蕩なのか人間できてるのかはっきりしろ」
「お前ら意外に難しい事言いやがるな…」
「子供だってバカじゃねーんだぞ」
「そーだそーだ」
「ところで続きどーすんの」
「んあ、あー…フン!…要るか?」
「言っとくけど潰した缶をしれっと『球』にするのおかしーからな! カッケーけど!」
「何食ったらそんな力出んだよ!!」
「くれー!」
「おーそうだな、快眠! 運動! 会食! …勉強はやりたきゃしろ!」
「そのアホ見てぇなスタンス嫌いじゃないぜ」
「ンまぁ〜どうせお前らまだまだガキなんだから適当にしろ適当に。 見てわかんだろ、今のお前らよりすげーヤツも駄目な奴もなんでもいんだ、良いんだよなるようになっから…(ピュイッ!)」
「あーい! おかわりすよボス!」
「おーし、次のが来たし解放リセットして始めんべ、今度は出し抜けるかァ〜?」
「やってやらぁ!」
「こうかいさせてやんよ…」
「ぎーとちゃん飛べるのいーなー」
「飛べ…んん? そうだな? ぎーと、お前シトリちゃんに“付いて”やれ、せっかくだしやりてーだろ、シトちゃん?」
「やる。やりたい」
「あいあいさー!ぷちーズ!カモン!」
「おお…おお…早い…!」
「うおーずりー! シトちゃんだけずりぃー!」
「カッケー!」
「俺らも! 俺らも!」
「あぁ〜ン? ぜーたくな奴らだな! 1人一匹だけだぞ! あるか!?」
「ありますぜー!」
「よーし、んじゃ再開スっぞおめーら!!」
『『あいあいさー!!!!』』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
通りかかった一般冒険者
「おい、アレ何…? いや、何? アレ」
地元民「“魔道具缶蹴り”さね、最近流行ってるみたいね」
通りr「ええ…?」
次回予告
“花畑”へと再び訪れたダイチ一行!
腕部結合の映像投影式古代遺物をお互いに装着し、始まるは己の誇りを掛けた決闘!
男と男の浪漫!
ダイチのデスコンボに為す術なく追い詰められる狼!
次回! 「勝☆負☆王!!」