2ネキ 俺、墜つ
………はい。 俺です。
髭神との会話の後最後クッソ不吉な言葉が聞こえてきたんだけどいやーまさか、ね……
自由落下してるとは思わんわ。俺も。
何だ俺、隕石か? よくわからんが熱くはない。全然平気。頭斜め下に腕組んで胡座描いて真っ逆さまって感じ。
ハハっ、意味不明すぎて笑うしかねえわこんなん。
このまま地面に激突したら死ぬのではないか? というか 死ぬ。 間違いなく死ぬやんな。
でもどうしようもねーしなー今の状況。 冷静になれるくらいの高度から落とされてる。大気圏外とかそんなんから落ちてるんじゃねーかなーコレ。
そんなこんなで目の前がぶわっと白くなり、雲を突き抜けた感触があったので首を傾け上(地面)を確認。
「おーおーすげーなぁ、本当に如何にもThe・ファンタジーの世界やな、国っぽいのも見えるしすげー。落下中じゃなかったらもっと感動してたんだろうなコレ」
ちなみにこのままの落下軌道だとなんかもうコレ絶対何か主住んでますよって感じの山激突確定コースである。
髭神ともうすぐ再会できるかもしれない。確証は無いが文句の一つくらいは会えたら言っちゃるわ。
転生後即座に落下死とか無いわー。超無いわー。
そんなこんなで山の麓目前。 そして激突。
めておいんぱくと!! (ヤケクソ悪ふざけ)
山一帯に響き渡る衝撃音。 何事かと獣は驚き逃げ回り鳥たちは羽ばたき慌て逃げる大惨事。
ああ、音からしてスゲェ衝撃だろーなー……
俺さすがに死んだやろ。頭から埋まって周り真っ暗だもんコレ。
ミンチになって死んでるわ絶対。
………ん? 埋まってる? そもそもなんで考えてられる? ミンチなはずなのに。
死んで……ない? うせやろおまえ? ちょっと頭引っこ抜くから待ってろ。
「--ッっぺッ!! 口ん中に土はいってんじゃねーか。あんま旨くねーなこの土」
犬○家状態からまずは腕を地上に出し、最後にスポン! という間抜けな音と共に頭を引っこ抜き、周囲を見渡す。
「……俺、死んでなーい? 無傷? 神様がなんか保護でもしてくれたんか? それにしてもひでーな……これじゃ本当に隕石ですやん俺」
俺の現在地隕石宜しく巨大クレーターの中心に埋まってたなう。
実際に人が大気圏外から激突したとしてこの程度のクレーターができるかは分からないがそれは置いておこう。前例が無さすぎる。
まずは脱出のためにすり鉢地形の此処を登る事に。 けっこうハードクライミングかと思ったら土をしっかり掴めてスイスイと登り切ってしまった。体力的なやつでもボーナスでくれたんだろ、たぶん。 ラッキー。
「さて……とりあえずどうすっかなーこれ、マジで。生きてたのは良いけど樹海サバイバルとか聞いてないっすよ……とりま、よー有る “サバイバル項目その1”。の水場でも探すかぁ? あるかな? わからん」
とりあえずその場を離れふらふらと当てもなく散策し始める。
落ちてる最中から気にはなっていたのけど自分の声が野郎にしちゃ高い。なんだ自分でもビックリのいい声。それに自分の腕を見て思うのが細くて綺麗すぎる。おててめっちゃ綺麗。手タレできますわコレ。自分の首から下も見るが腹が見えん。代わりに2つの山が主張してる。
おかしいなーなんでだろなー不思議だなー(現実逃避)
現実逃避しつつ水場を探しまぁ簡単にあるわけないよなーと思いながら体感30分。
流れの緩い自身の姿を写せそうな水たまりもある小川発見。
都合よくあるんかい! やったぜ。
内心テンション高めになりつつ水たまりをのぞき込む。
ストレートサラッサラな腰まである艶やかすーぱーキューティクルヘアー。
前世の目線から比較して180センチ以上はあるんじゃないかっていう素敵身長。
なんか着てたTシャツをめくるとあら不思議! 素敵腹筋のお腹が! アブなんとかトロニクス要らず! 後なんだこのクソダサTシャツ。
えーと…… “アイラブオフトゥン”? ……割と良いやん?
そしてジーパンにお手てをおもむろに突っ込み確認!
何ということでしょう! 息子が居ません。
えっ マジでmySon……? 後ろに挟んでるわけでは……ない? うん、そうだな。
…………。
あんの髭ぇ!?
性別変わっとるやんけ! 俺の生前の要素ゼロだよ!? 俺はこんなイケメンお姉さんじゃなかったよ!?
絶対あいつTSの神様かなんかだろ!
「マージかよーー!!」
~~~鳥さんまたしてもびっくりの咆哮ちう。クールダウンまでなうろーでんぐ……~~~
「はーッ、ふう………」
叫んでたら落ち着いてきた。……まぁ趣味付けるとは言ってたから言及しなかった俺のほうに非があるんだろうな。言った要望は間違いなく叶ってるからなコレ」
半分詐欺な気がするけど。契約書隅にしれっと小さく書いてる内容かよ。
まぁなったもんは仕方ない。容姿チェックでもしよか。
サラサラな黒の髪。 髪型は姫カットというやつか?
前髪と腰の方の毛先が横一文字に綺麗に揃ってる。
エメラルド色の綺麗な目。 重力に負けることなくめっちゃ存在主張するおっぱい。 おっぱいおっぱい。実際には測らんと解らんがかなりあるんじゃないかコレ、かがまんと足元見えんぞパッと見。んで無駄肉のない手足。叩くといい音出そうな尻。
というかさっき自分で叩いた。
めっちゃいい音なって自分でも少し笑った。
要約するとおっぱいの付いたイケメン。 絶対コレ神の趣味だ間違いない。確証はないけど絶対そう思う。 つーかそうだろ。
人間の趣味も神様の趣味もそんなかわんねぇんだなぁ……とかしみじみしつつー。
現実に戻る。
自分でも言うのも何だがこの切り替えの早さが自慢のポイントやで。
さてどうしようか。
今現在絶賛サバイバル始めましたである。
落ち着いたら腹が減ってきたなぁ………