155ネキ おふざけキャラは意外と強いのよくあるやーつ
前回のあらすじ
こう、異世界言ったらあ……イケメンでぇ、……なんか魔法すてーたすむげん! でぇ……
可愛い女の子の奴隷がちょうど良く売りに出されててぇ……なんか偉そうなのにザマス? ざまぁ? みたいなのやってぇ…「どけ! おれはじゃがいもだぞ!」
閑話休題。
ほんへのあらすじ
魚! 芋!
……魚?
ーーーー
作戦(まぁ向かってみないとわからんから注意しつつサーチアンドデストローイしようぜ!)
も決まり洞窟へと向かう一行。
海岸沿いの道中には牛。
しばらくしたらべこ。
もう少し歩けばべこ
べこ。
べーこ。
べこべこ。
べべーべべ・べーべこ。
「いや多いわッ!」
リーフがわんこそば状態のべこの膝を射抜きつつ叫ぶ。
「ワンにゃップ!ワンにゃップ!」
「ピロリロリン♪ ピロリロリン♪」
ケッタが赤髭配管工宜しく撃ち抜かれたべこを次々と踏みつけ怯んだ所に、形容し難い謎の効果音を出しつつ止めの斬撃を放つダイチ。
「アンタまたケッタに変な事教え……何その音!? どうやって出してんの!?」
「こう、タコの様に突き出す感じで同時に口の端を……こう!「にゃっほい!」♪ピロリロリン」
「怖ッ! 口の形キモッ!」
「へっへっへっ……大量搾取は気持ちがいいゾイ……」
やり取りを尻目に亡骸を余すこと無く回収して行くナハト。
「おほー! 呼ばれるだけあってめっちゃ強いギョねぇ!」
「素晴らしい連携です」
「太郎氏〜! このべこは普段からこんな感じなのでござるか〜!?」
「そんなことは無いギョよ〜! そもそもこんなに色が濃ゆくないギョしこんな誰彼構わず襲う気性でもないギョねぇ……」
「私達の知ってるアカベコは待ち伏せて寄ってきた獲物をつまむタイプの狩り方だと思うのですが……だいぶ活動的ですね」
ダイチ組とは別方向から新たにべこ数匹が岩陰から現れ、魚兄妹を発見。
獲物を見つけ襲い駆け寄る。
「おっと、こっちにも来たギョ」
「如何なさろうか〜!?」
「大丈夫ギョ〜!」
「……念動魔力魚群」
しらこが掌を地面に向け腕を適当に広げると、水滴が滴る様に目に見える魔力が次々と滴り、雫はすぐ様形を変細長い下顎の尖った魚の形を取る。
「突撃」
ベルトラインが如く流れる雫が魚に、魚の豪雨がべこへと猛突撃。
突進の勢いは魚弾にすぐに殺され、半身が埋もれる程刺さる魚弾は直ぐに霧散。
そして次の魚弾と……穴だらけになって次々とべこ達は物理的に動けなくなってしまう。
一方太郎の方に向ったべこ達。
「魚パンチ!」
額が凹む拳を振るい─
「鮮魚脚!」
放った回し蹴りは対象達を弾き飛ばし─
「ポンポンBOMB!」
頭に付いているなんか丸いヤツをもぎ取り半分こして先程の蹴りで怯んだべこ達に投擲。
爆殺!
爆煙が晴れ、動かない事を確認して一息を着く。
「ふい〜……気持ち硬くなってる気がするギョねぇ」
……この四角頭強いな?
(頭のアレ爆発するんだ……(リフ&ナハ))
かたが付いたダイチ組が合流。
話はついているのでナハトが直ぐに回収。
「おーやりますなお二人共! 先程のそれぞれ技はそういう魔法でござるか?」
「いえ、魔法と言うよりは……特技ですかね?」
「ミー達は魔法唱えられないギョ」
「ん〜ダイチ、私の影みたいなもん、よくある魔族特有の固有能力」
「あ〜なるほどにござる、魔族の方々は皆個性的で素晴らしいでござるなぁ……」
「そうギョか? ミーの顔なんか個性的過ぎて行く所行くと結構被り物扱いされたりするギョよ。人間から見たら変に映るんじゃないギョか?」
「いや? 太郎氏のそのお顔は別に普通でござらんか?」
キョトンとした顔のダイチを珍しい物を見るように魚兄妹が顔を見合わせ、ナハトに視線を合わせる。
「……あ〜、コイツの言ってる事これで素なんだわ。魔族も唯の人も同じ。馬鹿みたいだけど良いヤツでしょ」
「ギョッギョッギョッ……」
「実際お兄様の顔は妙ちくりんだと思いますが?」
「アッ身内の辛辣な意見は予想外」
「話変わって悪いんだけど、しらこさんのソレは消費どんなもん?」
ナハトが尋ねる。
「コレですか? 先程程度なら幾らでも出せますよ?」
「ふ〜む……アレか、見た感じだと当たったら細かくなって戻って来てるのか」
「お、聡いですね。その通りです」
「為になるなぁ。お兄ちゃんの方も同じ?」
「似たようなもんギョよ〜、必要なかったから使わなかったギョ」
「魔族って個性豊かだからお兄さんの方もちょっと気になるわね……」
「エルフは顔皆似たようなもんだしな」
「全然違うわよ?」
「可愛いナハトちゃんはエルフの顔についてはひよこのオスメスくらいわかんねぇ✩」
「ひよこぇ……」
ーー
ある程度駆逐が進み、道中も問題なく進んだ一行。
目的地である洞窟へと向かうのだが─
まず初めに気がついたのはケッタ。
「甘にゃー」
「甘い?」
「うん? あ〜臭うわ」
「(クンクン……)あ、ほんとですね。微かにします」
「ふむ? わからんにござるが……太郎氏は?」
「右に同じギョ」
歩みを進め─
「あ〜ダイチ、これ魔力香だわ」
「ふむ。確かに今なら良い匂いがしますぞ」
「おほ〜、これはみなぎるギョねぇ」
「えっちょっと待って、コレもう既に私キツくなってるわよ……」
「ヴぇ……つらにゃ……」
「どうするの? 多分この感じだとこの先まともに吸ってたら酔ってまともに動けなくなるわよ」
「あ〜大丈夫大丈夫にござるぞ〜、こんな事もあろうかとガスマスクを用意していたでござる故」
「がすますくぅ? 何その趣味悪そうなお面」
「おーイケてんじゃん?」
「なんでも良いからくれにゃ……」
「は〜いこれをこうしてっと……OK。ケッタは鼻が効く故ちょっと特別製ですぞ〜」
「シュコー(にゃー)」(宇宙暗黒卿)
「やっぱり趣味悪いわよソレ」
「おほ〜かっこいいギョッ」
「なかなか良さそうですね」
「エルフのセンスがないだけなんだよなあ」
「えぇ……?」
「まま、性能はお墨付きですので宜しければ是非、多めにありますのでしらこ氏の分もありますぞ〜」
「あ、助かりますぅ……」
「ミーも! ミーも!」
「お兄様平気じゃないですか。しかもそのデカい角顔にどうやってつけるんですか?」
「妹の放つ言葉が塩過ぎで辛い」
ーー
湧いて出てきた筈のべこ達は匂いが強くなるにつれ減り、遂には出現しなくなる。
─そして洞窟前。
「……ぅえ……甘いなんてもんじゃないわよ」
「マスクしててもこれとはなかなか……」
「シュコー……シュコー(にゃ……)」
「うーむ……そちらのしらこ氏しかりこの匂いは女性に辛いものでござろうか……」
「多分スタイルが魔力メインの感じだとキツいと思うわ〜、濃度が濃すぎる。後単にケッタは鼻が効きすぎて喋らないだけ……ってかダイチに太郎さんよく平気ね?」
「いや確かに砂糖でも吸ってるかの様な感じではござるがまぁ……」
「アッお前剣の能力でしれっと魔力遮断してやがるな!? 汚ぇ!」
「便利機能! 便利機能は使うべきでござるよ!」
「まぁいいわ……太郎さんは平気なんですね?」
「なんかミーは甘いっちゃ甘いけど全然平気ギョね、むしろみなぎるギョッ」
「お兄様実は魔物なのでは?」
「身内の裁定が辛辣で辛い」
「それにしても太郎さんの話だとここ辺りみたいだけど……洞窟何処?」
「あっるぇ……こんなに大きな小山あったギョっけ……? 確かここら辺にあった筈なんだけ…うん? 地震? 急に曇ったギョか?」
「シュコッ(にゃっ」
「上! 上!」
「後! 後ろ!」
「お兄様!」
「志○ぁ〜!」
指をさされておもむろに振り返った太郎の後ろには─
お山ではなく土や草にまみれたまま休んでいたべこが獲物を察知し目覚め仕留める為の踏みつけ体勢に入っていた。
「ワァーオ、おっきい……♡ 成長期かな?」