153ネキ でたでたお魚ぶらざーず
前回の感想抜粋
赤ミントは火に強い
青ミントは溺れない
黄ミントは高く飛ぶ
紫ミント力持ち
しょげミントには毒がある(微毒)
個性が過多でも生きているよ
作詞・作曲 兎川
ピ〇ミントは草。 いやハーブ。
ーー
前回の流れなど一切の関係なく西へ東へ勇者稼業に励む……はげまされるダイチ一行。
今回は魔族領への出張らしい。
「─で、新種の生物故拙者らの出番との事でござるが仔細を聞いておらなんだでござる。一応現地案内は用意されてるとの事でござるが」
「アンタんところほんっと人使いが荒いって言うか勇者使い荒いわね……」
「まぁ拙者が忙しいのはいい事でござるよ……同郷のよしみでいささか使いが荒いのは否定しませんが」
「前世? だっけ? ちきうの人ってのは勇者なり王様なり女の人の形した爆弾なりほんと突飛な人しかいないわね?」
「おっ、リーフさん爆弾とは思い切った事いいましたねぇ?」
「おもいきったってアンタじゃああの人どう形容すんのよ」
「ん〜と……山岳消滅爆砕魔法?」
「ヴァ……アンタも大概じゃないの」
「はははまぁ苛烈な御仁である事には間違いないでござるからなぁ」
「ワイルドにゃー」
「アンタもワイルドが歩いてるようなもんだから似た者同士よ……ところでまだ歩くの? 馬車……馬車? 虫車? から降りて結構歩くけどもうこっから海が見えるわよ」
「もーすこし行くとタンスノカド海岸だから居るとしたら多分そこ。後さっき乗ってきたのはスタコラアント、まぁ蟻よ蟻、可愛い顔してたでしょ?」
「いやーちょっとわかんないわー。あ、じゃあもうそうでも無いわね……タンス?」
「んーと、目印にしてきたあの大きな岩、アレはヒキダシ岩って言ってもっと遠くの高いとこらから見るとここの地形が家具の箪笥に見えるとかで付いたとかなんとか」
「へぇ、魔族領はおもしろい地名ばっかね」
「おん? ウチらdisったか??? おん??? リーフのところの里だって“テュルペタ”っつー大概な名前じゃん??」
「バブーーッッ!」(吹き出すダイチ)
「うわ汚っ! 急に変なくしゃみしないでよ! んで、わたしらの里とアンタんところのなんの関係があるのよ」
「アッ、もしかしてゴゾンジナイ? ……ウチらのシマじゃ……いや、やっぱなんでもないわうん、なんでもないわウン変なコトイッテゴメンネ」
「ふぅん? すっごい含みがあるけど……まぁいいわ、私もちょっと言い方悪かったわよ」
「ソダネー」(リーフに見えないよう震えながらも✕のジェスチャーをして呼びかけるダイチ)
「ま、まぁ……昔の人のね、ネーミングなんてだいたいそんなものでござるかな、詮無きことでござ……」
「ちなみにリーフところ里結構種類あるんだったよね? どんなだったっけ」
「え? えーと、“コペンタ”の里でしょ、“ペキズェ”の里、“ウィタマナ”に“ナネム”、それから……」
「バブブーーッッ!!」
「にゃぎゃーっ!?」
「あーもうさっきからなんなのよ? 調子悪いの?」
「い、いや……なんでも……ち、ちょっとむせただけで……ござるが……」
「おまえんちエルフの里も大概ヤベーな?」
「何がやばいのよ。昔っからある里よ?」
「鍵壊れ箱かぁ……」
「あーん? 、パンドラミミックがなんだって?」
「いや、うん昔の人は適当……業が深いなって」
「はあ……? 箪笥なんてつけるくらいだからそうね」
「ソウダネー」
「まっったくでござるな! 拙者らには到底想像出来ない何か深〜い事情があったのであったに違いないでござるな!」
「ちなダイチはウチらの結構わかるクチだからアレだよね?」
「いえすあいあむ!」
「さっきまでへんちくりんなくしゃみしまくってたのにめっちゃ元気じゃないのアンタ、さっきのはなんだったの?」
「む、虫。そう! ちょっと虫が鼻に2度も入ってしまったので仕方なかったでござるよ」
「虫ってアンタ鼻から蜜でも出てんの?」
「鼻と花をかけたにござるな?」
「ふんふんふん、匂わにゃーが、甘いにゃ?」
「かけてないっつーの。あとケッタ、やめなさい。ばっちいわよ」
「さすがにケッタに拙者のフルーツ汁をすすらせるのはしのびないのでこちらのれんにうちゅ〜ぶ を進呈。 こう、頭を折ってちゅーちゅーするでござるよ」
「あま〜〜〜い♪」
「アンタま〜たケッタにぽんぽんおやつあげて……」
「おっ? おっおっおっ? 甘味か? 甘味だな? 我も甘味をご所望ぞ?」
「ナハトもどうぞでござるよ」
「あんまぁ〜〜〜い」
「あんみゃぁ〜〜い」
「あっケッタ2本目は糖の摂りすぎよ! ……」
「リーフも勿論、と言うか是非、是非お願いしますでござるよ! ほら! どうか、どうかこのとぉ〜り!(お願いの舞)」
「その気持ち悪い踊りやめなさい! ……ま、まぁそんなに言うなら? 1本くらいなら良いわね……あっ。あまぁい……」
「ふっ、堕ちたな(確信)。あまままま……」
「アンタしれっと2本目行ってんじゃないわよ……」
「知らんのか? 1本食べたら2本目は無料、つまりゼロカロリーなんだよなぁ」
「訳わかんない事言ってんじゃないわよ」
「へ、へへ……も、もう一本、もう一本だけじゃけぇ……」
「アンタま〜たお腹に来るわよ」
「だ、大丈夫、おかわり無料という事は唯のゼロカロリーじゃけぇ……」
「ナハトうそをつけっ! あとダイチも出すなっ! おわりっ! ケッタももうおわり! おトイレ甘くなっちゃうわよ!」
「何っ!? それは本当でござるかリーフ!? この瓶に! 是非ともこの瓶にお願いするでござるよリーフ!さあ早く!あちらでどうぞ!」
「例え話だバカチン!」
「トウニョウッ!!」
リーフの華麗な3hit→↓↘+P(昇〇拳)が決まりおやつタイムが終了したところで、なんだかんだ目的地に着いた一行。
案内役との事で待っていた冒険者は2人だったのだが─
「おっ!? 4人も来てくれたんギョか!? イケメンかわい子ちゃんかわい子ちゃんかわい子ちゃん! まぁマイシスターにはちょ〜っと劣ギョホウ!?」
「お兄様? 初対面かつしかもこれから手伝ってくれる方々に何を言ってるんですか? あ、愚兄が大変失礼な事を言いました、申し訳ありませんが何卒聞かなかった事にして頂いて挨拶をさせて頂いても、いいでしょうか……?」
「え、はぁ、大丈夫ですよ……」
「ありがとうございます。それでは改めまして私は“しらこ”と申します。此処付近辺りで冒険者をさせて頂いております。 ……未だにあちらでうずくまって虹色の何かを吐いている生き物はお恥ずかしながら私の兄で“魚太郎”と言います。重ね重ね申し訳ありませんでした」
気軽に話しかけてきた男を華麗な腹パンで黙らせ、ダイチたちに謝罪をして来た女性はどうやら兄妹らしいが─
兄? の方はなんというか……四角。
そう。角のあまりない真四角の顔をしており、形容のしがたい……あまり見ないタイプの目付きに出っ歯が特徴的な……耳に当たる部分は耳当て? コレが耳なのか? かはわからない。
そして頭頂部から触覚と言えば良いのかなんといえば良いのか全くわからない先に赤い玉が付いた触覚が1本生えていた。
……人? 人かこれ?
妹の方は触覚と耳当てこそに通えど銀髪にボブカットの髪型と、まぁなんというか美少女であり。
触覚とお揃いのパーカーが無ければ兄妹と言ってもまずわからないであろう2人がダイチ一行を迎えた。
そしてパーカー文化どっから?
「しらこ殿、此度の仕事拙者たちは土地勘がないゆえ色々と頼りまするが何卒お願いするでござるよ」
「貴方がリーダー?」
「はい。拙者ダイチと申す者でござるよ。しらこ殿から見て右から─」
「リーフよ」
「ナハト」
「ケッタにゃ!」
「はい。これからよろしくお願いします、ダイチさん、リーフさん、ナハトさん、ケッタさん。……お兄様はいつまで挨拶せずに虹下呂吐いているんですか? 挨拶は大事ですよ」
「ギョろろろろ……おっとすまなかったギョ。いや〜しらこちゃんは冗談が効かなくてギョね、うっかりふざけるとそれはもう良いご褒美が飛んで来るんだギョね」
「挨拶しろって私お兄様に言いましたよね? なんですか? ご褒美ですか? ではおかわりしますか?」
「ノォーッ! ま、待つギョよしらこちゃん! ミーが吐いてる時にしらこちゃんが言ってたからいらないならギョね!?」
「……それもそうですね、ではダイチさん、此処で立ち話もなんでしょうし休める所にご案内役します。よろしくお願いいたしますね」
「あいよろしくお願いしますでござるよ」
「よろチクビ! 魚太郎のちくびは此処! ついでにしらこちゃんのちくびは此処!(ぷにー)」
「ヒャッ」
「HAHAHA! 小粋なジョークで和んだところでレッツラごぱおんヌッ」
しらこちゃんの残像を残すファルコ〇パンチが太郎顎にクリーンヒット。
太郎氏は一瞬で脳? を揺さぶられその場に膝を付き意識を断絶。
「……行きましょうか」
「あの、お兄様を置いて大丈夫なんでござ「大丈夫ですので行きましょう」ア、ハイ」
その場で白目を向いて小刻みに震える謎の四角頭を残し、しらこの案内で休める所を目指すダイチ一行。
そしてダイチ一行は当たり障りのない会話をしながらも全員同じ事を思っていた。
「((((なんかこゆい人達だなぁ……))))」
と。
おまいう。