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ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
6章 すったもんだシンシア
186/202

152ネキ 竹とミントは植えるな

 前回のあらすじ



 うーばーぎーつ(配達サービス)


 

 ーーーー


 現在はなんやかんやでお仕事取って近くの鉱山ダンジョンにて他冒険者sとタマさんである。

(色々すっ飛ばした適当な状況説明)


 ーー


「逃げたぞーッ! 追えーッ!」


「どこ行った!?」


「そこ! お前の後ろの岩! ソイツが“ベンケイナカシ”だ!」


「あっ、コレか! よい……」


「あっ待て気をつけろ! ゆっくり動かないt


「おぎゃーっ!?」


「あーあー、お前脛当て付けてないから痛てぇだろうに。逃げちまったよ……おーい、そっちに行ったぞーっ! 慌てて動く……」


「もぎゃーっ!?」「おゲーっ!?」「おぴょーっ!?」「玉ガーッ!?」



「……あーあーあーあー……だから支給品はしんどくても付けとけって言ったのによ……」


「おーおーアイツ良いフットワークしてんじゃん、そっちどんな感じ? お」


「あ、タマさんにぎーとちゃんこっちに来たんすか。いやまぁ聞いての通りベンケイにやられちまってまぁ……あっ、戻って来タァマさん!?」


 “ベンケイナカシ”が 次から次へと冒険者の脛を分散して周り、引き返して逃げる進路の先にタマが居合わせ─


「はぁい残念(ざぁんねぇん)♡」


 相当な勢いでタマの脛に激突したベンケイだが、当然当たり負けたのは彼の方で、派手な衝突事故にて自身が目の前に盛大な星を散らす事となった。


「カーッ! タマさん本当どんな身体してんすか。コイツが当たり負けるとか中々見ないっすよ」


  「おう、ベンケイナカシ泣かしとでも呼んでくれ。黄金の鉄の塊の脛だ」


「いやいや別に金でもなんでもないでしょうに……」


「わはは、例えだ例え」


「ふぁーっく! このクソ蟹野郎め! 今度来る時は布と研磨剤持って磨きにでも来るんだな!」


「ははは、ぎーとちゃんそれじゃ靴だって……よいしょ」


「おー綺麗に剥がれるもんだな」


「まー本当はふんじばって手頃な棒で叩いてか気絶させてからやるんだけどね()、転がしてここの隙間に剥がし用のナイフを入れてやると丁度新しい甲殻と古い甲殻の間で割れるって訳」


「そしたら後は帰してやんのか」


「うん、そこら辺に隠してやるだけでも良いけど“帰し場”に帰すのが1番良いんだよね」


「なんか変わんのか」


「ああ、背負い物の再形成が調子良くなるとかなんだとか、鉱石の含有率がうんぬんかんぬんとか纏めるとまぁ育ちが良くなるって話らしいよ」


「へ〜、みんなそこに投げたらコイツらでかくなりすぎるとかはないんか?」


「それが面白い所でね、最初はそこら辺のですくすくなんだけど背負いものの大きさによって食べ物の好みが変わるみたいなんだよ。大きくなる程に背中に付きにくい物を好むみたいで階層によって全然物が違うみたいね」


「お決まりの下に行くほど上等ってか?」


「そうそうそんな感じ、しかも身体に回す分同じ生き物かってくらいバカ速くなるみたいで見つからない捕まらない下手するとやられるで下層物は中々出回らないね」


「おうお前、地図出せ地図。せっかくだからオイラが運んぢゃるので感謝しろい」


「あ、ほんと? ぎーとちゃん助かるよ〜。えっと、今僕らが大体此処だから照明茸(ピカマッシュ)沿いに戻って、こっちの植えてない方のルート辿れば突き当たるからそこら辺で適当に投げちゃって」


「よゆーよゆーよ、任しとき〜」


 ぎーとの首掛け笛の合図と共に背負いの巨大リュックサックからプチsが4匹発進。


 プロペラリュックの空中輸送ヘリ部隊である。


 星見からスヤスヤと気絶しているベンケイをモッコ(網状の運搬用具)に転がし、そのまま空輸。


「アイツだけか?」


「そーだねー、他にはまだ居ないみた……」



「いたぞーッ!」「囲め囲めーッ!」「盾だ! 盾使え!」「おほほ! 捕まえましたわよ!」




「……もう1匹お願い出来る?」


「だってよ?」


「あいあーい……


 そんな感じで階層は進み……



「ヴァーッ! ゴーレム居た!ゴーレム!」


「ゲェーッまじかよ! 何レム?」


「アイアン! あの色は鉄混じりだからほぼアイアンだわ」


「どうすんべ今日はゴーレム用の準備はしてねえよ」


「結構調子良かったのについてねえなあ……」


「いやいやいや、なんでわざわざギルドからツル(ツルハシ)やら(次元袋)やら貸し出されたかわかってんのか?」


「いや? 珍しく奮発してくれんなって飛びついたけども……」


「確かに珍しいとは思ったがゴーレム居ちゃ別の道選ぶしかないじゃん」


「そうよそうよ、アタシ無用な怪我はしたくないわ」


「まぁそうだよな。俺だってやだよ、だがしかし! 今日は()()()がいる! ……と、いうわけでお願いします先生!」


「だーれが先生じゃい……ったく、やり方の注文は?」


「好きにやっちゃってくだせえ」


「はいはーいおまいらはさがってさがって〜」


「あっわ、ちょっとまて1人だけ行かせて良いのかよ」


「あ、そうかあんたタマさん()()ことないのか」


「いや、話には聞いてるけどよ……なんでも神鍛治ガンテツさんのところの用心棒って話だろ?」


「アタシもそう聞いてるわよ」


「冗談で今言ったのに別んとこで用心棒言われてるのか()……まぁうん、大丈夫だ」


「ほんとか?」


「うん馬鹿みたいに強いからあの人……じゃなきゃこんな小さな子連れて来ないだろう?」


「……確かに(ぎーとをチラ見)」


「納得してくれた?(まぁその子も大概なんだけど言わなくていっか)」



 ーー


「ハローボーイ、お前も仕事か? 悪いが俺もなんだわ早速だけど退いてく─」


 タマの軽口を当然応える事無く問答無用の身体を捻っての振り下ろしゴーレムパンチが炸裂。


 タマを知らない冒険者勢は潰れたと思い肝を冷やすが─


「─拳骨はな、こうっ! すんだよ!」


 めり込んだ足を引き抜きながら頭頂の拳骨をぺしりと退かし、跳躍。


 そう。


 それはさながら北欧神話の魔剣を冠する電磁投射砲、そりゃギャナントカホルンも独占して禁止にするわ。


 振り下ろした拳は頭部、胸部を破壊。そのまま地に叩き伏せられたゴーレムは機能停止。


 着地し、拳に付いた石片を拳銃の発砲煙を吹き消す様に払う。


「授業料は初回無料だ、良かったな」


 当然、タマさんを知らない勢は目を点にするが、その様子を隣で見ている知ってる勢は


「あー……なんつーか、アレだ。ほら、いるだろ? そういう人(逸脱者)


「あ、あー……(納得)」


 冒険者界隈は結構どころか有名所はみんなそうなのでアレで通じてしまうところが恐ろしいのだ!


 人間だったり人間じゃなかったり魑魅魍りょ……海千山千だ!



  閑話休題。



「おーい、コイツ(ゴーレム)居るかー?」


「なにかしら役にはたつと思いますよー」


「うーし、頼むわ」


「あいあーい」


 待ってましたとばかりにぎーとが背中のリュックを降ろし、自走コンテナ形態へとチェンジ。


 中から続々といつものぷちsに中型sがちらほら。


 どこかで見たような材木伐採に用いられる刃が連なった回転式切断機を景気よく吹かし、

 盛大に飛び散る火花を出しながらサクサクとゴーレムを解体、搬送してゆく。


「ちょちょちょ! ぎーとちゃん!? なにその小さい子達が持ってる凄いの!?」


「あん? アレか? 便利だよな、ガンテツのおっさんもよく使ってるし」


「いやそうじゃなくて! アレの名前何!?」


「えーと……確かちえーんそー? だっけ?」


「おー量産してたんだなガンテツ」


アレ(チエンソー)いっぱいあるの!? マジ!? ガンテツさん所で売ってなかったよ!?」


「工具だしな、そりゃ売ってないべ」


「タマさん! ぎーとちゃん! ガンテツさんにお願いしたら売ってくれるかな!?」


「聞くだけ聞いてみれば?」


「イヤッホォォォォイイ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」


 この数日後に対ゴーレム用確殺兵器として

 “ ゴーレムカッター”なる物が一部の冒険者に流行ったとか何とか。


(尚大変危険なので免許制)



 ーー


「─お、この匂い……なんだアレ。草が歩いてんじゃん」


 ゴーレム以降特に問題なく各所にある採取所を巡っている最中、妙ちくりんな二足歩行の植物? が目に止まる。


「ああ、アレ? タマさん見た事ない?」


「初めてだな、なんて言うんだ?」


「ニホンアシトホミント。まぁ長いから皆歩きミントって言うけどね」


「魔物?」


「いや? 半分動物みたいな植物だね、気が付くといつの間にか生えてて、歩き回って基本は死骸とかそういうのの近くに陣取って栄養を摂ってるらしくて、匂いも人とかにはいい匂いだけど、魔物からしたらかなり臭いらしくそれで襲われないとかなんとか」


「ほーそんなのおるんだな……でもあっちにゃ何もないがなんで居るんだ?」


「いや……その言い難いすけど……トイレなんすよ、そこの岩陰」


「ソッカー……」


「いやすいませんねタマさんも女子ですしね」


「いや、きにすんなよ。誰だって出るもんはでるわな、すまんすまん……ん? そしたらもう少し奥にいるアイツもか? トイレ近くね?」


「あよく見えたっすね……あー、あれはよく似てるけどちょっと違うっすね。多分しょげミント……ニホンアシトホホミントっすね」


「なんだソレ」


「いやまぁ正直そんな変わんないっすけど同じだと思って摘むと結構かぶれます。産毛に毒あるんで」


「摘む? なにかに使えんのか?」


「ええまあ、湯がいたら産毛は全部抜けるんで持ってくとこ持ってけば色んな薬に……っていうタマさぁん!?」


「おー、どの葉っぱが良いとかあるんか?」


「かぶれますって言ったばっかっすよ!?」


「俺そういうの平気だから」


「すげぇなこの人……色が濃ゆい大きな葉が良いっすね、それ以外は採る意味無いっす」


「おけおけ、ぎーとよろしく」


「あいあーい」


君たち(ぷちs)も平気なんだね……あ、ちなみに植えて増やしたら駄目っすよ」


「ま? なんで?」


「此処とか半分洞窟半分ダンジョンみたいなとこなら良いっすけど特に外敵のいない栄養のある庭なんかに植えた日にはそりゃもうめちゃくちゃ生えて来てしかも匂う必要も無いから唯の害草になります。しかも大きくなったらどっか行くのでもう収拾が付かなく……昔どっかの馬鹿がやったみたいで1儲けしようと持ってきてやったんすよね。そりゃもう生態系狂って大変だったらしくて……だからギルドとかから貫通竹(ピアスバンブー)歩きミント(トホミント系)は植えるな って……」


「あー……竹とミントはまずいな、確かに駄目だわ」


「あ、タマさんこれは知ってたんすか?」


「いや、似たようなもんは知ってたからな、だいたいわかるんだわ」


「だから採った葉は植えたら駄目っすよ」


「気をつけとくわ」


「そっすね……あ、その道右ですね、みんな行ったのは……おっどうした? 戻って来て」


「いやこの先馬鹿デカい岩キノコがいつの間にか生えてて塞がってんだわ、左の方にすんべ」


「だからやたらコイツら(ミント系)居たのか……いつものとこから戻れなくなったと」


「岩キノコ? 面白(美味し)そうなの生えてんじゃん! よっしゃぎーと採るぞ採るぞー!」


「ついて行きやすぜ姐さーん!」


 面白そう? なキノコの名前を聞くなりすっ飛んで行ったタマとぎーと。


 もちろんまもなく先程冒険者達が戻って来た奥から爆砕音が聞こえて来たわけだが。


「ええ……? まさか砕いたの? アレを? おかしくない?」


「俺はおかしいと思うよ。 まぁうん、気にしてたら商売(冒険者)できねえから」


「……そうだな! 掘るべ掘るべ!」


「おう! 掘るぞ掘るぞ!」




 冒険者稼業はスルースキルが大事なのである。







































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― 新着の感想 ―
[一言] 一気読みしてきたよ! 竹は気づいたら手遅れだから(地下茎を見ながら)
[良い点] 冨樫の更新スピードに負けないように話の更新がんばってください() [気になる点] 岩キノコ?あぁ、M帽のオジサンが食べるとごろ岩になって攻撃できるやつね(マリギャラより) [一言] 家の近…
[一言] 黄金の鉄の塊って…………それってあの頭が骸骨の全身金ぴかコウモリじゃん!
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