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ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
6章 すったもんだシンシア
183/202

149ネキ 怒涛の初顔ラッシュは消化不良起こすってソレr

 前回のあらすじ


「バナナはおやつに入りませんよ?」


「持ってかねーよ!?」



 ーーーー


「起動確認─次元安定─エラーチェック─オールグリーン─問題、ナシ」


「さ〜て、どんなのが待ってるやら」


「あっマスターいけません、万が一があっては宜しくないので手を繋いで行きましょう」


「繋ぐか! 威厳もクソもないの見せちゃダメなの!」


「左様ですか……」


「ところでそのえげつない返しの付いた銛になってるお手手はなんですかなマリエさん?」


「こう、マスターを空中に張り付けてから土手っ腹をチクリと貫いて簡単には離れないように……」


「超電磁スピンは危ないからやめてね?」


 毎度のやり取りを交わしながら“門” をくぐると出た先は─

 館の一室だった。


 薄暗い地下施設とでも思っていたのかロッジが内心少々驚き、円卓に既に腰掛けている者たちを発見する。


「やぁこんにちは……初めましてかな? 色々あるかもしれないけどまずは座って待ってて欲しい。時間になったら自己紹介をみんなでしょう」


 肩にかかる青髪の茶ぶち眼鏡の落ち着いた雰囲気の女性が話す。


「どこに座りゃいーんだ?」


「ああ、早い者勝ちだから好きなところで構わないよ、なんなら目の前でも良い。座るとそこには出てこなくなる仕様だから安心して」


「へーへーじゃあ待ちますか」


「一応後5分くらいで時間になると思うし……多分続々来るかな?」


「あんたが主催者か?」


「いや、こんな……このシステム創った者は不在で今は僕が管理というか管理させられてるというか……あやふやだけどすまないね」


「いや、別に?」


「初顔にしては随分と落ち着いてるんだね?」


「色々あったつーか動じねーっつーか……これくらいじゃねぇ?」


「なるほど。システムが選定するだけあるねぇ……っと、さぁ一気にみんな来るみたいだよ」


 眼鏡の言葉を皮切りに、空いている椅子の前に次々と“門 ”が開き─


「あらヤダ早い子なんて珍しッ」

 と、青髭が目立つ筋骨隆々の大男。

 しかし小指を立てていたり1動作がしゃなりしゃなりと独特である。


「集会……だる」

「モッ」

 と、白いフードが可愛らしいフードを被った雪国衣装の幼女と……毛玉。ペットか?


「今宵─漆黒の夜会が開演せん」

「ソト明ルインダケドォ?」


 外見が眼帯やら包帯やらシルバーアクセモリモリの1人腹話術? をしている色々な意味で危険そうな男。


「わはは! なんだアルワめこんな面白そうな事我に教えなかったとは!」

「いえ以前のセフィ様が一蹴していただけかと」

「そうだったのか?」

「ええそうでした」

「わははー」


 銀の長髪髪が目立つ余りにも身長にそぐわない長刀を地面に擦りながら笑う幼女とそれに付き従う褐色の女性の従者。肘から先が渋めの金色の手甲になっているのが特徴的だ。



「欠席者も多々居るけど今回はこんなもんかな? 新顔の方々もいる事だしまずは僕から行こう。僕の名はジン。何を隠そう此処はシンシア大陸の王都と呼ばれる所さ。まぁ此処の王様も知らないし勝手に()()ダンジョン周りに栄えただけだしね、うんお互い様って訳……僕はこんなところかな? 次は誰がいるかい?」


「じゃぁアタシから行っちゃう!」


「はいどうぞ」


「アタシはマッカォって言うの。マチルダ大陸にあるところでヤらせて貰ってるわ♡見ての通り乙女()よ」


「えぇ……? 乙女?(ボソッ)」


「マスター。確かに思う所も有りますが判断が早すぎます、彼女の動作ひとつをとっても大変おしとやかでございますよ?」


 小さく漏らしたロッジを注意したマリエだったが聞こえてしまっていたようで─


「きゃーっ! わかるぅ!? そこの侍女(メイド)ちゃん! 貴女お名前は!?」


「ジン様、発言の許可を頂いても?」


「良いよ〜。誰が偉いとかそういうの無いから僕に聞かなくても〜」


「有難うございます……ではマッカォ様、私ここにおられるマスター、ロッジ様の忠実なる下僕、機械人形(オートマータ)、カマリエラと申します。是非親しみを込めてマリエちゃんとでもお呼びくださいませ……そしてマッカォ様についてのお話になりますが、確かにマッカォ様は外見猛々しくこそ有ります。

 皆さんお集まりになるまでの短い間、それでもお茶を飲む動作ひとつ取っても大変流麗にございます。

 よってこのお方を外見で訝しむのはよろしくございません……との話でございました。主の為とはいえ声量抑えきれず皆様方に聞こえてしまっていた事、大変申し訳申し訳なく存じ上げます」


「もう無駄だ思ってるけどやっぱり君調子変えるつもり無いね?」


「何をおっしゃしますかマスター、元はマスターが相手をよくご覧にならないのが宜しくないんですよ?……と、すみません。皆様方まだ紹介途中に関わらず」


「いーのよいーのよ。じゃぁみんなの紹介終わってからにしましょ。じゃ次モイちゃんどうかしら?」


 (おと)……乙女からバトンを渡されたモイと呼ばれるフード幼女が仕方なそうに話始める。


「ん……私はモイ……バレーショの方でやってる……こっちは相棒のモイン……」


「モッ」


「おわり……じゃあ次」


「ならば名乗ろうッ! 紳士淑女の皆様方毎度どうもから初めまして迄ッ! 何を隠そうこの吾輩漆黒のガーンと申すッ! ジン氏と同じくシンシアにて闇の番人を……くっ、右腕が!」

「イイカタ、ワルイ……ワルクナイ?」


「そうだねー、ガーンさんと同じ闇の何とかはしてないからねー。地方が同じ大陸ってだけの話ねー、うん」


「そうねー、ガーン君話すと長いしちょっと独特だけど悪い子じゃないから仲良くねー。はい次」


「吾輩の扱い少し雑では?」

「キットオソレオノノーテルンダゼー」

「なるほど」


「マスターこの私御方は俗に言う……」

「しッ! アレは言わない方が良い(小声)」


「うぬ? それではわれの番か?」

「はいそのようです」


 銀髪の幼女が自分の番かと尋ねる。


「あ、君から次言っちゃう? どうぞどうぞ〜」


「うむ。 われの名はセフィ、セフィ様と呼ぶが良い! ……しかしだな、ちゃんでもさんでもわれは寛大なので好きに呼ぶとよい! ちほーはランランだ! 最近迄いろいろあったでな! 訳あって欠席していた、許せ!」


「続きまして私、セフィ様の従者でゴーレムのロゥと申します。何卒宜しくお願い申します」


「貴女ゴーレムなの? 凄い綺麗じゃない」


「有難うございますマッカォ様、話せば長くなりますが私セフィ様の半身ですのでゴーレムとしては過分な身を頂いております」



「へぇ、なかなか面白いんだねぇ。……そしたら順番はヘンテコなっちゃったけど、最後に君の事聞いても良いかい?」


「んー……あー……そいや言ってなかったな。僕はロッジ、そのセフィ様と同じ大陸で最近引っ越して来たのさ、まぁ、うん。宜しく」


「はい宜しくねー」


「……なぁ、ジン……って言ってたかアンタ?」


「うん? そうだよー。その様子だとなんか気になる事でもある感じだね?」


「いや、まぁ……そうだけどよ。ぶっちゃけ()()()()()()()()()()()()()


 ジンがロッジの質問を受け取りその穏やかな表情を少しだけ眉間に皺を寄せるが─


「ないよ」


「……は?」


「あーごめんごめん。言い方が悪かったねー、ダンジョンマスターなんて表に出てきたらそれ事騒がれちゃうし出てこれないけどやっぱり洞窟篭もりっぱなしは嫌でしょ?

 だからたまに息抜き程度にご近所さんとお話しようぜ! ってトンチキな事を考えた人がいてね? だから本当にこの集まりは特に意味なんて無いし、不干渉も衝突もそれ事個人の自由だから本当にこの集まりは意味なんてないのさ、はい終わり」


「……はぁ?」


「あっ、もしかして呼ばれた時に結構身構えちゃった? うふふふふ……」


「……はぁ〜あっそう」


「だから本当にみんな好き勝手喋って飽きたら帰る、“門” は閉じたら勝手に消えちゃうからまた定期の招待で集まるとかだねぇ……と、言う訳で、もう君の所は好き勝手やってるみたいよ?」


「あーそうか……ん?」


 ーー


「おい! たしかマリエちゃんと言ったなおぬし!」


「はいその通りで御座います、御名前の程記憶頂いて大変嬉しく思います」


「われはひと目見てわかるぞ! おぬし、良い服を着てるな!? われのロゥにもその良い服の出処をおしえるのだ!」


「これはこれは良さがわかるのでございますか? 大変慧眼感服致します」


「ふふ〜ん、だろう?」


「私の服はマスターの手腕により製造されております、マスターは初見そうでも無く見えますがその実凄いのでございますよ?」


「なんと! あの三枚目1歩手前のしたまつげがか!? うーむ、すまんかった、おまえをあなどっていたようだ! 許せ、……んーと……ぢ!」


「ンフッ」


「“ ロ ッ ジ” な! 下まつげっておまえ僕のチャームポイントを……後マリエ君?」


「大変失礼致しました、何分不肖にございまして機構の不調によりむせてしまいまして」


「へーへー……で、僕ももう遠慮なくすっけどそのセフィ様とやらのお付にも服用意しろって話なんだろ?」


「うむ! のぞみのものが有ればいうがよい! 運がいいことにお前と同じ大陸であるしな!」


「お前みたいなちみっこから物せびったら僕のプライドに関わるね。おい、マリエ」


「はい畏まりました、早速で御座いますがセフィ様のお付のロゥ様をお借りしても? 採寸はすぐ終わりますゆえ」


「ほう! 今すぐ出来るのか!?」


「ええはいそれでは宜しくお願い致しますロゥ様」


「こちこそセフィ様の要望を聞いて頂き申し訳なく思います、マリエ様」


「いえいえ、我がマスターに置いては朝食より前にございますので……そして初対面にございますが貴女とは他人の様な気がしません」


「まぁ。もしかして貴女もそう感じて居たのですか? 同じ従者同士として、同じ大陸住まいとして是非これからもどうぞよろしくお願いいたします」


「いえいえ新参者としてこちらこそが……はい。採寸(スキャン)終了にございます。 それではこれよりマスターの妙技をご覧くださいませ、マスター。コード─、─、─にございます」


「へーへー勝手に話が進むのは突っ込まねーぞ……ってデカッ、そんなん有るんか……まぁ造作もねーよ……こう、こうして……ほれ。マリエ、渡してやれ」


 マリエから採寸データを受け取り虚空に手を突っ込んで肘から先が消えたと思いきや、すぐさま綺麗に折り畳まれたソレを投げて渡す。


 流れる様に受け取りどこからともなく試着室を出現させロゥに着せれば─


「……どう、でしょうかセフィ様」


「おお……! すばらしい! まつげ! おぬしやるてはないか! 褒めて遣わすぞ!」


「へーへー光栄にございますよ。ついでに沢山複製したからもうせびりに来ないでね」


「替えもあるとな! できるまつげよなおぬし!」


「もうまつげ呼びにも動じませんよ僕はァ」


 嫌そうにも服の出来をキラキラした目で褒められ存外満更でもないオーラが滲み出まくりのロッジとセフィのやり取りを遠巻きにしつつジンもマッカォその他もにこやかに眺めていた次第だが─


「おっ、もうやってんのな、すまん遅れたわ」


「おや、珍しいねマメノキ殿が出席するなんて、なにかあったのかい?」


「鋭いなジン、何を隠そう俺は力を得てしまった……」


「……力?」


 新たな来客、ほのぼので終わりとは行かない様で─?

セフィ&ロゥは既にありがてぇFAが存在する()

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[一言] 超電磁スピンは土手っ腹をチクッとさすとかいうレベルじゃなくて、体全体をドリル回転させながら土手っ腹ぶち抜く技ですよロッジくん(よりによってそこ注目する変人で申し訳ない)
[良い点] 褐色だ! [気になる点] メイドでエルフ耳だ! [一言] で・か・い
[一言] おっとぉ!?ロッ痔にさらにshi☆ta☆ma☆tu☆geというあだ名が追加されてしまうとは…ネタが留まるところを知らないな!はっ!まさか「タマ」の姉貴とし「たま」つげを掛けた高度なギャグ…!…
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