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ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
6章 すったもんだシンシア
172/202

141 邂逅と読んで衝突事故と書く

 前回のあらすじ


「……シトリ殿、奴は多少なり動く素振りあったかね?」


「ぎーとちゃん? うーん、なんかね、お腹痛いの? とか聞いてみても、

 “そういうわけじゃないんすよ……人で、言うところの第六感っすかね……大丈夫なんで……”

 とか言ってずっと固まってるのよね……まぁ、ちびちゃん達はいつも通りガンちゃんの手伝いしてるんだけど……」


「ふむ……大方新しい発作の止め方でも試してるのではないか? 静かで助かる」


「そうかしらね〜、調子悪そうな訳じゃないからいいかしら〜」


 ――――




 到ッ着!


 圧倒的短縮(ショートカット)ッ!


 道中珍道中? ハプニング? そんなもの一切と合切すっ飛ばしての到着であるッ!


 そういう所よくあるからね、ショウガナイネ!



 “発着場” とやらは飛び立った港の街(ブラン)とは違い、高山都市。否。

 城塞都市と言っても過言ではないそそり立つ城壁に囲まれ、尚且つ壁越しにでも確認できる城下、町並はまさに都市。


 彡(-)(-)「ンゴー。(お疲れ様でした。それではまたのご利用お待ちしております)」


「ん? おーうすっげ楽しかったぜ! またなー」


 黄金に輝く体躯を空になびかせ、泳ぐ様に美しく飛び去っていくワイバーン。



 そこ、鳥顔とか言わない。 台無しになるから。


 飛竜に別れを告げ、辺りを見回し都市への入口たる門を見つけ、向かうタマ。

 飛竜の到着は見えていたはずだが、門番の男2人は特段驚いた様子もなく、タマが向かってくるのを静かに待っている。


「ちーす、慣れてんの? コレ(ワイバーン)?」


「おう! ようこそドワーフの国、ヴィシソワーズへ! 慣れてるっつーか此処の門はそういう所だからな!」


「ついでに特急便の飛竜が来る事もわかってるしよ!」


「そんでアンタが来る事も()()()()()伝わってるしな!」


「ま、一応身分証明書(冒険者カード)は見せて通ってくれよな!」


「おん? キング? あとほい」


「まーざっくり言うとギルドとギルドの間に当然連絡行くだろ?

 連絡もなしに飛竜便は飛ばねえ」


「そういう事よ! お、銀か。 中々じゃないか! OK、通って良いぜ!」


「さんきゅー。そりゃ連絡も行くか」


(ん? 電話かなんかあんのか? ……ま、良いか! )


 別段電話があろうが無かろうがどうだっていい。それがタマさんクオリティ。


 すんなりと門番から通してもらい、都市の中へと入る。


「……おおー……」


 港街とは一転して変わって見慣れぬ風景。


 街の至る所から煙突が伸び、煙を吐き出し。

 ドワーフの国であるから当然ドワーフが行き交い、ドワーフ以外にも人、亜人、はたまた見たことのない魔物を引き連れている者も居る。


 人の活気。 鉄の響く都。 都市自体が山。山自体が国。


 それが鉱山都市(ヴィシソワーズ)


 見たことのない光景に少しだけ胸を躍らせ、自然と口角が上がる。


 そして元来の目的のガンテツの下へ戻ることを思い出し、頬を優しくピシャリと両の手で気合いを入れ、早速道行く人にガンテツの居場所を聞くことにした。


 丁度よく近くに人族の住人が居る。


「すみませーん、おねーさん。ちょっといいすかね」


「あ、はーいなんでしょ……わひゃっ!? おっき……あっ、すみません失礼しました……」


「いーのいーの。よく言われんだよ」


「すみません此処で半巨人(ハーフジャイアント)とかあまり見ないもので……ところでご用件はなんでしょうか?」


「俺ね、“ガンテツ” ってヒゲ……ドワーフと知り合いで、此処まで来たんだけどよ、何分来たの初めてだから道わかんねぇんだわ……タダとは言わないからさ、道だいたいで教えてくんね?」


「ガンテツさんとお知り合いなんですか!?」


「いやまあ肩組んで酒飲み明かしたくらいにゃ知り合いだぜ?」


「フフっ……体格差想像するとちよっと笑っちゃいました。すみません……」


「ほんでよ、待っとるから来いや! ……とか言われてたっけ? まぁ、そんな感じで遊びに来てんだけど早速、大きな迷子の出来上がりサ。パパ〜ママ〜何処〜? ガンテツのヒゲ何処〜……何処〜……ってみんなヒゲばっかじゃないか!(小声)」



「プッ、アハハ…… まぁ、ドワーフの皆さん立派なお髭がありますので……ガンテツさんの所でしたら近くまで案内しますよ。急いでいませんし」


「マジ? やったあ!…………




 …………カットしよう!


 ネキ移動中……Now Loading……



 ……




「……あ、見えてきましたよ! あそこの大きなお店がガンテツさんの家兼お店になってます」



「お! おーおー! 立派な建物やん! おねーさんありがとうね! これ道案内代として受け取ってよ!」


「あっ、はいどうも……ええっ!?」


 銀貨の1、2枚でも頂けるのかと思いきや、雑に鷲掴みされた銀貨の塊(金貨地味に混じってる)を手に渡され、驚く暇もなくタマがガンテツの店へと駆けていってしまった。


「え、ええ……?」


 手のひらに適当に盛られた硬貨を見て扱いに困る住人のおねーさんであったが、


「おお!? すげーチップ貰ってんじゃん! 今夜は旦那にいいもの食わしてやんな!」


「うひー! 俺なら迷わず酒にするね!」


 一部始終を見ていたドワーフ達にツイてるねえ! ともてはやされたので、そうか……ラッキーだったのかと、無理やり納得して有難く財布に押し込む事にした。


 ありがとう……半巨人のおねーさん。 と。


 ちなみに今晩はご馳走だったそうです。



 所変わりガンテツの店。


 工房の扉をタマが押し、チリ……と、鐘が鳴るかと思いき「姐っさァーーーーーーーーーーーーーーんッ!!!」



「うおっほぉ!?」


 カタパルトから解き放たれたぎーとがはち切れたペットボトルロケットの如く射出。 タマの腹部へと猛烈な頭突きをかます構図となる。



 そうだね。 火球爆獄(ヘルロケッティア)だね!



「なんだぁ!?」



「ぴゃぁぁぁーーーーーーッ!」




 長くてやべー奴と。 小さくてやべー奴が。


 遂に。



 出逢った〜。 (うる⚪んのアレ)

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― 新着の感想 ―
[一言] ああ、ついに再開か…(^q^) 異世界の神達「やべぇよ、やべぇよ……。」 やっぱりタマさんはスシネキにそっくりやなぁ。気の強い女はワイ大好きやで!これからも頑張ってください!
[一言] ついに出会ってしまったか……
[気になる点] ピピm……じゃねーや。 タマ美姉さんの ω 口だけど、尖らせてWの方がギザ歯らしくて、より良かったかもしれん。 [一言] 絵に気を取られ過ぎて、どっかのビルが爆破されるかもしれん。 …
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