135ネキ ダンジョンの帰り道ともう1イベントの予感
前回のあらすじ
おまけが本編。
――――
転移陣にてダンジョン入口から少し離れた所に転移した一同。
「シュワッチ」
「その膝に良くなさそうな体勢はなんかの儀式なの?」
「スーパーヒーロー着地というやつですぞ」
「う〜んやっぱり術式どうなってんだろな、模倣してみたいなあ……」
「帰るにゃ帰るにゃー」
「着地要素……どこ?」
「実際転移なので雰囲気だけでもって感じでござるよ。本当は空から降ってくるのがとても格好良く決まるでござるが……」
「ほんとにぃ? アンタと同じこと言う人なんか……」
「ぐうわかる。俺今度やってみたいわ」
「居たぁ!?」
「流石同志」
「あ、ダイチ。迎えは? 定期? 連絡?」
「連絡でござるよナハト。終わったらゼット殿から渡されたコレに少々魔力を込めたら……ぽいっとな」
おもむろに取り出した海色の石に魔力を流し、宙に放り投げたダイチ。 石が光を放ったかと思うとソレは鳥の形となり、街へと一瞬で飛んでいってしまった。
「あとは待てば来るでござる。……さーてテントでも建てて採れた物の整理でもしてるでござるかー!」
「おっけー」
「そこの変な像のとことか広くて良さそうじゃない?」
「おやつ! ツナ缶!」
「アンタさっきも食べてなかった?」
「別腹にゃ」
「おー確かに広くて良いな……あ、でもこの石像中央陣取りやがって邪魔くせえな……よし、撤去! 移動! 設置!(適当)……うむ」
「あ、やはりタマ殿も思ってたでござるか?」
「壊すわけじゃねーから退かすのははいいべ」
「わー(棒)」
「そいじゃー出してくよー、まずは1階層のナナバ蟲!」
「おー出るにゃ出るにゃ」
「雑に収納したから種類別に分けよー」
「コイツは此処でござる」
「あ、ケッタ。そいつはこっちに投げてくれる?」
「ほいにゃー」
「さ〜分別したら影にどんどんしまっちゃおうね〜」
「うーん……見分けが付かねえ!」
…………
……
馬車待ち且つ帰路なのでカット。
そんなこんなで港町。
ギルド。
「さて、拙者たちはゼット殿に挨拶終えましたので一足お先に失礼仕ります。また是非ともご一緒したいでござるが……」
「放りっぱなしのココ踏破できたら一旦戻ってこいって言われてるでしょ」
「……と、いうことなので」
「おーう俺も楽しかったしまたすぐ会うんじゃね? ま、俺ガンテツの所に向かうし居るだろうしな。なんかあったら誘ってくれ」
「有難いお言葉感謝にござるよ……」
「それではタマさん今回はありがとうございました」
「お疲れ様しゃーす!」
「またにゃ〜」
足早で待たせている馬車へとギルドから出て向かうダイチ一行をいつもの片手ポッケに片方だけ手を出して軽く手で応じるタマ。
軽く見送った後、今度は自分の番なのでゼットの下へと向かうべく職員に案内され2階へ。
――――帰路の馬車内にて――――
「……あのさ、ダイチ」
「なんでござるかリーフ?」
「正直あのダンジョン私たちでも普通に踏破……できたよね?」
「できたでござるよ?」
「じゃあ、なんで昨日の今日で仲良くなったタマさんも誘ったのかなって……少し気になってさ」
「あ〜。そうでござるね……ハッキリ言えば勘でござるね。裏表なく此方が誠意を見せるなら仇で返すようなことは無い御仁と感じ取れたからでござるね」
「確かにとっても気持ちの良い人だったけど」
「後もう1つポイント。ハッキリ言ってタマ殿は化け物の範疇にござるよ。その気になれば思うままにやりたいことをできる。 例えば暴虐の限りとかでござるな!」
「そ、そんな人には見えなかったけど……」
「はいそこ! いいところ気がついたでござるねリーフ! 力がある。されど溺れてはいない。人間ポロッと大金なり大きな力を手に入れると隠している地、つまり本性出るでござるからね。だから単純な話タマ殿は本当にありのままと見て間違いないでござるよ」
「……まだなにか隠してない?」
「……まあ、コネは作っといて損は無いでござるからね! 正直最凶のカード手札に引き込んだ気分でござるよ!」
「はぁ……あんた本当に馬鹿の振りして打算的に動くとこあるわよね」
「もちろん損得無しで行動することもあるでござるよ? ついでにダンジョン渋ってた理由は不確定要素が大きく、安全牌で攻略したかったでござるしねー蓋を開けてみればそうでもなかったって話でござるが」
「及び腰だった理由は?」
「そりゃもちろん3人に怪我してほしくないからに決まってるにござろう? いくらリーフが強くても魔法で治ると言っても嫌でござるよ」
「……あんたしれっと言うわよね……そこが良いんだけども……(ボソッ)」
「おいおいおいおい、リーフ君? なに楽しんでるのかな? ナハトおじさんにもよく聞かせてくれないかぁ?」
「あんたのどこがおじさんよ! ええい肩組んで絡んでくるな!」
「い つ も の にゃー。 ぐぇへっへっへ、ところでにゃーおじさんにも1つ話しておくれにゃぁ?」
「あーもうケッタも反対から組み付くな! 暑い!」
「HAHAHA! 仲良きことはいいことにござ……あ、ナハトもう少し服をずらしてもらっても?」
「おーけー」
「Good! さ、もう少し攻めてみようかー!?」
「あ、ちょ! ナハト、止め……ダイチ! なに撮ろうとしてんのよ!?」
「拙者そっちも大好物故、お気に召さらず……」
「いいわけあるかぁ! ケッタ! ちょ! 下着をしれっとずらすなぁ!」
「セーフセーフ」
「ここが弱いんやろ? な?」
「あッ、ナハトっ。わ、脇はだ、駄目ッ……んぅッ!」
「これは大作なるでござるよ! 売れるッ!」
「売るなーッ! ……ひゃんッ」
背後にてドタバタうっすら聞こえる中。
御者は思った。
うるせえなぁ……と。
――ギルド に 戻るよ! ――
「お、来たか。ノックは要らねえから入りな!」
「ちーす。袋帰ってきた?」
「それなんだがな、半分成功半分失敗ってとこなんだわ」
「ほむ。詳しく」
「ああ……