130ネキ 天岩戸も多分無効
前回のあらすじ
例1
タマ殿がこれほどとは!!
読めなかった・・・
この拙者の目をもってしても!!
例2
この拙者の目を以ってしても
タマ殿という女を読めなかった・・
あの彼女の分厚い胸部装甲を・・・
等々、盛大に読み違えることをリ〇クするとも言う。
え、知らない? 山の葡萄さんとかジョインジョイントキィ! とかのアレ。全巻読もう!
――――
「……今度は1周まわって普通?」
「ふっつーにゃー」
「後3泊ぐらい休んでも良かったのでござるのでは?」
「なーに馬鹿なこと言ってんのよアンタ」
「まぁ、住めそうではあるな?(もっちゃりもっちゃり)」
「……扉、美味しいんです?」
「んむ。これなら何階層あっても嬉しいわ。要る? リーフちゃん」
「いやぁ流石に私にはちょっと……」
「まーそうよな。……んで、今度は、王道のダンジョンですよってかぁ?」
密林。 砂漠。 と来て今度は石造りで薄暗く等間隔で灯りの謎松明が配置されている堂々たる王道ダンジョン!
と言わんばかりの特に目立った所は無い。
そもそも王道とは?
閑話休題。
「お? なになに……“この層、知恵を以って挑め。 冷徹ならば道易し。結束厚くば道茨也” ……だってよ」
「はぁ? 何よそれ」
「わっかんね」
「まぁ、進めば解るでござろう。なんとかなるでござるよ」
「それもそうね」
分岐路道は無くひたすら一本道のダンジョンを歩く一同。
「……罠の気配は?」
「なんも無いわね、そっちは? ナハト」
「ぜっんぜん」
「ふーむ。ここの仕掛けはなんでござろうか」
「あ、この先広くなってるわよ……げ」
「うっわ」
「めっんど」
通路を抜けると大広間になっており、奥へと進む扉が確認できるが、その扉は閉ざされていた。
それとはまた別に、大広間の左右端には巨大な鉄鎧の騎士像が佇んでおり、見る者に威圧感を与える。
「お、でけぇな。アレ」
「十中八九動く気がするでござる」
「そういうのやめない? ダイチ」
「リーフたちも一目見てまず悪態が出たでござろう? 動くと思ってるでござるな?」
「そりゃこういう所であんなの居たら動かないわけ無いわよ……」
「おーい! リーフー! こっち来るにゃー!」
「あ、ちょ!」
ダッシュで閉ざされた大広間の奥、扉の前へとケッタが駆け寄り少し遅れて扉の前へと全員が到着する。
「……またなんか書いてあるわよ」
「えーと、なになに…… “1人の贄と供物か騎士の首か” だってよ」
「あのあからさまな台座に置けってこと?」
「あ、解ったでござるよ。 ほいっと。リーフとナハトも乗るでござるよ」
「あ、ダイチ待っ」
リーフに止められるのもいとわずダイチがひょいと台座に乗り上げ、沈みこんだ台座が「カチリ」と小さな音をたてる。
すると、閉ざされていた扉がゆっくりと上に動き、奥への通路が出現した。
「なるほど。重りを置いたら開くでござるか……ほいっと」
ひょいと台座からダイチたちが降りた途端、糸が切れたように扉が勢いよく落ちて閉まり、落下の衝撃にて辺りに砂埃が舞う。
「で、退けば閉まる、と」
「贄ってそういう? じゃあ騎士の首ってのは?」
「戦えってことじゃね? ほんでアレの首置いて重しに的な?」
「ゴーレムはめんどくさいから嫌にゃ……」
「ケッタ、ゴーレムよりめんどくさいやつだよ“番人”とかたぶんそんなん」
「めんどくさっ!」
「ダイチ、ナハトちゃんが言ってる“番人”ってなんだ?」
「すっごい雑に言ったらゴーレムでござるが凄く硬くて頑丈な鉄の塊が人並みの速度で動いてそれなりに頭の良くて機転が利くとっても面倒な敵でござる」
「硬くて人並み……俺か? いや、別に俺機転が利くわけじゃないし……」
「そんな条件合致するのはタマ殿だけでござるから……」
「俺も乗ったら動……お、開いたわ」
「ええ……?」
「なんだ俺で良いなら簡単じゃん。……ん? そうだな? そういうことなら簡単な話だったわ、ほれ。先に行った行った」
「え、タマさん置いて行くわけには……」
「いーからいーから。上げ扉なら開ければ良いんだから大丈夫だ……っていうか」
タマが台座から降りたことで、勿論扉が落ちて閉まったのだが……おもむろに扉にちかづいて前でタマが屈むと、なんとあろうことか強引に指を無い隙間にねじ込み、扉を無理やり持ち上げこじ開けた。壁の中からバギ! バギ! と歯車か何かの機構が破壊される音が聞こえるが、勿論タマはそんなこと気にせず扉を開けきる。
「な? 開いたじゃろ?」
一応念の為片手で押さえたまま振り返りニッコリとサムズアップでアピール。
目を点にする3人とこの人が知り合いの友達で本当に良かったと彼女たちの陰でガッツポーズのダイチ。
「ダンジョンの扉を無理開けるの私初めて見たわ……」
「いや、初めてじゃなくね?」
「ああ、確かにもう何回も見てたわね……」
「俺なりにたどり着いた真理がある。それは、賢さは力でカバーできる。 皆も覚えとくと良い」
「いやぁ……ちょっと私には難し
「めっちゃ為になる……」
「にゃるほど……」
「ナハト!? ケッタ!?」
「成程、コレがかの有名なニューtonの“万有筋力”でござるか……」
「アンタも何いってんの!?」
「まま、開いたもんは開いたからそれで良いとして次行くべ、次」
「もしかして私の認識がズレてるだけ……? ブツブツ……」
「リーフー、先に行くでござるよー」
「ああ、はいはい聞こえてるわよ……」
そんなこんなで後半に続く。
――
Q 番人とかいう大層なゴーレムさんは?
A 当然出番無いよ。