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ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
5章 シンシアいいとこ1度はおいで
154/202

125ネキ はよ出発しろ(酒盛り)

 前回のあらすじぃ



 2人合わせて相乗効果により小さなものから大きなものまで動かす力だヤンm(以下略)


 もしくは阿吽の呼吸。

 さらにもしくは放課後電磁波ク()ブ。(多分違う)


 ――――



「……へぇ。お前中々ファンキーな逝きっぷりだったんだな」


「いやーもうクロックアップ状態にござったよ。あの時身体にタ()オン粒子が巡ったのが実感できたでござるね、タマ殿の方は飛行機事故でしたか?」




 現在はあの後酒盛りでもどうかと、ダイチの部屋にて和解のための名目でちょっとした飲み会があった模様。


 リーフ、ナハト、ケッタの3人は既に酒が回って就寝しており、ダイチのベッドにて仲良く団子になってくうくうと穏やかに寝ている。


 ……ケッタさん1人だけ逆になってリーフの顔に足の裏乗せてますよ? うんうんとやや苦しそうに寝ているリーフ対し間を縫って完全に避け安眠しているナハトは流石と言うべきかなんというか。


 ……うむ? 先程“仲良く”と言った気がするがまぁ、3人の仲はとても良いので実際間違いではないだろう、うん。



「俺が聞いた話だとそーらしいな。ほんで髭神様とやらが気に入ったから横領したんだと」


「髭? 拙者が見たのは何か少し疲れてそうなミドルでしたが」


「ん? 人によって見え方変わるんじゃねぇの? 神さまって」


「成程、確かに一理あるでござるな」


「ま、俺ァ今となっちゃどうでも良いがな。今生楽しけりゃそれでいーわ」


「ちなみにやはりだと思われますが前世は男性で?」


「おー。いい歳こいたおっさんだったわ、歳は覚えてねぇけどな。そりゃ最初はびっくりしたが慣れりゃなんも変わらん」


「性格的な問題かと思いますぞ……」


「ところでこの梅酒どっから出してんの?」


 カラン。と、タマがグラスに入った氷を鳴らす。


「あ、これでござるか? いやーこの世界魔法やらスキルとか有ってそりゃ化学発展する必要ないって感じでござるよね〜。おっと、コレの仕組みでしたな、ざっくり説明しますと“等価交換”っていうのでござるよ。欲しい物があったら拙者の持ち物から勝手相応の物が紛失してポンと出てくる摩訶不思議にござる」


「うへぇ便利やんな、飲み放題じゃん」


「一応仮に文無し金欠だと発動しないので“自身にとってそこまで必要でない”物が対象でござるね」


「例えばオリハルコンとかサッと出せんの?」


「いやぁ……貴重金属とかそういったのはズルらしくて異常にぼったくられまする。食べ物等は良心的ですぞ」


「食いもん出るだけでじゅーぶんインチキなんじゃね?」


「拙者としてはタマ殿の理の外っぷりがじゅーぶんインチキかと」


「……」


「……」


「いやお前ほんとなんか話しやすいわ」


「こちらこそ初めてな気がしませんですぞ」


「ところでその語尾なんなん?」


「あ、前世の病気というか癖というか……普通に抜いて話すこともできます……が、なんと、いうか……右利きの方が左で箸を使うような違和感があると言えば分かるでござるか?」


「あーわかるわー。俺だっていきなりですますで話せって言われても無理だわー」


「ご理解頂けて何より。それと結構どころか相当に余ってるのでどんどんつまんでくだされ」


「うむ、いい酒のつまみだわコレ。ちなみになんなん?」


沼鰐(スワンプクロコ)の牙……まぁワニですな」


「ワニも結構イケるなコレ」


「硬い物なら良しと承って出してみたでござるが、柿の種の要領で咀嚼するのは中々にお目にかかれない光景にござるな……」


「美味い美味い」


「他には、……あ、猛毒飛竜(ヴェノムワイバーン)の爪は毒有るから良くないでござるな」


「俺毒とかノーカンだぞ」


「マージでござるか?」


「えーと……確か、あの……さ、さつ……えーと……うん。 こんなぐらいの黄色と黒の縞模様のアスパラもいで食ってたらガンテツ毒草だって言ってたわ」


「もしかしてこの瓶に入ってる感じのアスパラ(殺竜草)でござったか?」


「そう、それそれ! ピリッとしてて生でも美味かったんだよ、それ」


「あー成程。コレで平気なら確かになんでも大丈夫でござるな(察し)……じゃあコレ(ヴェノム爪)、要ります?」


「おう、もーらいっ。 ……ちょっと当たりの獅子唐だな? イケるイケる」


「わーお。拙者もうなんも驚かないでもござるよ」



「さて、美味い酒も馳走になったし戻ろうかね、俺ァ」


「拙者の何倍も飲んでるのに全く酔いが回ってる気配がないの凄いでござるな……」


「いや? 流石にガンテツとかと酒盛ったら結構テンション上がってくるぞ? あーでも酔うわけじゃねーか……」


「うーん酒豪。あ、でしたら鍵お渡しするでござるよ、札の番号はここから出て3つほど隣の部屋にござる。では明日昼頃お伺いしましょうぞ」


「うーい。そんじゃごっそさん」


 鍵を人差し指でくるくると回して遊びながら部屋を後にするタマを見送ったダイチ。


 ぼちぼち酒盛りの片付けをしながら今日のことを振り返る。


「タマ殿のような方も居るとはやはり面白いでござるなぁ……ガンテツ氏から聞いていた通りの人物で良かったでござるよ……良き関係になれるでござるね」


 大体の片付けが終わりそろそろ自分も寝るかな……とベッドをチラリと見る……が、


「……ソファにするでござるか」


 ダイチのベッドでは寝相という名の攻防が繰り広げられており、リーフが逆襲のロメロスペシャルをケッタに掛けていた。

 ちなみにナハトは真横でカウントを取っている。


 勿論、3人寝ている。……寝相とは?



 そして無事? 朝を迎え準備を整えタマと合流したダイチ一行。町からタクシー替わりの馬車をチャーターし、とある古びた遺跡群の前へと降り立った。


「さー着いたでござるよ! その名も“千変万化の迷宮”!」


「けっこうちけーな?」


「まぁ、ダンジョンありきで街はできるので割と普通でござるよ」


「なんか、まだ首痛いんだけど……」



「あちしも珍しく背骨が軋むにゃ……」


「寝違えかー? “小回復(プチキュア)”かけてやんよー」


「「ナハト助かる(わ)(にゃ)……」」

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