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ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
4章 家に帰ろう シンシア目指してどんぶらこ 編
133/202

110ネキ 貴様、一人で戦争をおっぱじめるつもりか!

 前回のあらすじ



 皆も、空中から軌道変える時は体重に気を配ろうね!



 ――――



「ハァァァァ!? なんだありゃァァァ!?」


「人が……落ちてきたと思ったら……まさか船がぶっ壊れるなんて……」


「クソっ、マッキーの野郎め、よくわからん捨て駒使って俺たちがビビってる間に突っ込んでくる作戦だな?! そうはいかねぇぞ、1隻潰されただけだ! 散開して囲むように伝えろ! こっちはまだ9隻あんだ! 負ける訳がねぇ!」


「アイサ!」


「迎えうってやれぇ!」




 ――――


「ギャーハハ! なんだその技ァ! 俺様が見込むだけある奴だぜぇ! タマちゃんよぉ!」


「いやいや船長なに大笑いしてんすか! 姐さん生きてますかね!?」


「知らん! 自分から大砲に入る女だ、多分生きてるだろ! 浮いてたら拾ってやりゃいい。アイツらシバいた後でなぁ!」


「あ、ハイ。ところでキンガ砲撃ちます?」


「タマちゃんの入ってた砲門は怖ぇから使用はやめとけ。 後3門は接近してきたアホが重なったら纏めて吹っ飛ばせ」


「わかりやした」


「おーし、突っ込め野郎共ォ! ……ん?」




 ――――





 ─……


 ……。



 嗚呼……


 この手をかざすも……水面(みなも)は遠ざかるのみ……


 深い、深い海の底へと堕ちゆく……


 嗚呼……遠く、遠く……


 走馬灯のように今までの思い出が駆け巡る……


 暖かな陽射しの下、お昼寝……


 美味しかったご飯(無機物含む)……


 昼寝………


 飯……



 昼……



 あ。


 俺飯と寝てばっかじゃねーか! ま、いいか!


 なんかノリで詩的なことやってたら海底に着いてしまったわ、よっこいしょ…… あ、海藻邪魔。ちぎるわ。


 背中から落ちた身体を起こし、肩に手を当て回しつつストレッチをしながら海面を見上げるタマ。



 うーんもっとこう、格好良く着地して“俺、参上!” みたいな感じにしたかったんだけどなー…… こっからジャンプしたら届くじゃろか? もしくはダイバーよろしく脚ヒレとかあったら無理くり泳げただろうが……無いしなー。



 ヒレ……ヒレ……。



 じっと手を見る。 されど答えは出ない。


 魚人たちみたいに水掻きでもあったらなー、いけるやもしれんが、うーん……


 あっ。


 そー言えば手甲に仕込まれてるこの盾、()()()になんねえかな? やたら薄いしビート板だと思えば案外イケそう。いやコレ天才だわ俺。よーしそうと決まれば実行だぁ!



 いくら天才でも水中を両手盾で泳ごうとする輩は居ないと思うんですがそれは。


 両の拳を打ち鳴らし、浪漫溢れる機構でガションと展開! お久シールド!


 ……センスの悪いジョークはさて置き、盾の保持位置をスライド、端へと移動させて巨大な水掻きへと変貌させる。


 いやほんとその盾の機構どうなってるんですかね?

(ここで“私が作りました”の生産者表示シールの要領でガンテツがうっすら浮かぶ)


 更に余談なのだが、どうせ説明書書いたところで読まないだろうし直感で動くように造ってあるとか何とか。 いや本当に凄いなあの髭。



 軽く力を入れ、水を掴みフワリと浮いては着地、またフワリと浮いては着地を繰り返し水掻き(盾)の、具合を確かめるタマ。


 うん、うん……コレ、イケるじゃん。 いよーし、待ってろよ海賊共!


 俺は今から虎! 虎に……違った。 魚雷、そう! 魚雷だ! 魚雷と化したタマさん、人呼んで()天のタマさんだァァァ!



 回()はまずいですよ色々と! 後フーテンの()さんみたいに言うのはやめようね。


 


 力いっぱい水を掴んで海底から恐ろしい程の勢いで浮上、射出とも言う。

 一直線に海面へと向かい、道中再度射出モーションを取って、方向調整。


 目指すは手頃な海賊船底。


 無防備極まる海賊にぃ! タマさんがァ! 船底目掛けぇ!


 突っ込んだぁ!



 っしゃオラァ! 地獄(海)の底から俺ァ帰ってきたぞ! 体重がなんぼのもんじゃいオラァ! ビート板の万能っぷり見したるわい!


 盾を使い頭突きにて大穴を船底に開けた後、外に出て張り付いてよじ登り次の船へと標的を定め、船を蹴って破壊しつつ再度射出。


 水面近くを飛沫を上げて超速航行する黒い物体は何処からどう見ても魚雷である。


 次の船への土手っ腹に見事に命中、そのまま中へとお邪魔して、驚く海賊お構いなしに反対側へと船を蹴破り─



「頭ァ! 後方の船に異常! 何かに襲われているようです!」


「ハァァァァ!? 今度はなんなんだぁ!? 近海に大型の魔物はいるはずねぇ!」


「あっ!? 何かが海から飛び出しました頭! ……奴だ! 奴です! さっき飛んできた女です! 海面から飛び出して後続の船のマストに衝突した模様!」


「ウッソだろお前!? なんて!?」



 よっしゃ次の船じゃーい! あっ角度ミスったぁぁぁ……



 海中から飛び出し、マストへと衝突。


 海賊たちのもとへとタマが姿を現す。


「うおわぁぁぁぁ!? マストがぁ!? 何もんだ女ァ!」


「おー何とか当たったか……ま、いいだろ。 俺か? 俺はな、俺の寝床を壊しに来るふざけたお前たちをぶっ飛ばすその名も、魚雷ガールのタマさんだ!」


 魚雷ガールってお前……


 海水を滴らせつつ、バッチリとポーズを決めて海賊たちに啖呵を切ったタマ。


 ほんの少しの間、静寂が辺りを包み……


「ふ、ふざけやがってぇぇぇ! 1人で乗り込んできたこと、後悔させてやるぞ女ァ!」


 海賊数人がタマへと飛び掛る。 あ、待ってその飛びかかり方はまず……



「1hit! 2hit! 3hit! カウントめんどくせぇ!」



「「「うぎゃーッ!?」」」


 あーあ言わんこっちゃない。 (シールド)ゴルフスイングにて次々に船外へと打ち上げられる海賊たち。



「ふざけるなだと!? 俺こそお前らのおふざけは許さなーい! 何故なら俺は魚雷だから!はい面倒臭いから次! 次の船!」


 超重ストンピングにて船をへし折り海中へ、そして次の船へと魚雷特攻。



 そんなこんなで次々に船底を食い破り、残すは後1隻。

 セーンスの乗る“ぶんぶんめっちゃはやーい号” を残すのみとなった。


「なんだ……何が起こってるんだ……? 女が飛んできたと思ったら急に落ちてきて、船がぶっ壊れたと思いきや、今度は女1人相手に艦隊が……壊滅?」


「か、頭ァ……残ってる船、気が付けば俺らの船しか無いっすよ……あ、海面から飛び出してき……こっち見たぁ!」


「ラスト1隻、そこかァ!」



 着水後、方向をセーンスたちへと修正したタマが飛沫を上げて迫る!


 着水後誘導とか対潜誘導魚雷(ASROC)だなコイツ。

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