109ネキ まぁ、そうなるな
前回のあらすじ
「ヌウッ!? アレは!」
「知っているのか蕾電!」
「あれぞ正しくスーパーヘビーシェル! “凄く” “重い” “砲弾” のことだ! 別名亞射堕我とも呼ばれる! 〜〜経典〜〜 ヨーン・chan漢硬烈統烈」
「うむ! そうだったのか!(南○人間砲弾なのでは……?)」
――――
――残された? キンガ号にて――
「ハ……ハハハハ、ハァーッハハハハ! こりゃあ傑作だ、なんてぇぶっ飛んでやがる奴だ! いやホントにぶっ飛んでいっちまったがよ! あー腹が痛え!」
「え? いや、あの……タマさんが? 大砲の? 中に入って? 飛んで……いった?」
「バラバラにならないなんて凄いわね〜」
「驚く所違うよセレソ!?」
「前々から突飛な御仁だとは承知していたが……まさかこれほどとは……見事!」
「ええ!? ジアンさんもなんかズレてない!?」
船を叩いて大笑いするマッキーに、ややズレた所で驚くセレソにジアン。
大丈夫、ケラス。君の感性は多分普通だ。
「おい! 野郎共ぉ! どうせ逃げても捕まるんならこっちから出向いてやらぁな! 10隻だろうが100隻だろうが関係ねェ! 全部ぶっ潰して何度でも俺らの怖さ解るまで教えてやんぞぉ!」
「「「オーー!」」」
「アレ使って行くぞぉ! 帆、畳めぇ!」
「ラジャー!」
船長の号令の下、迅速にキンガ砲の帆が畳まれそれと同時に船の脇腹と船尾装甲が稼働。
噴進孔が出現した。
「え、何故帆を畳むんですか船長?」
「あぁ? そりゃ、こうするためよ! 回頭ォ!」
「アーーイ!」
船内技師の操作によって右舷側から取り込んだ海水を左舷噴進孔より勢い良く放出。 それにより常識外での速度にて船が旋回し始めた。
「噴射切り替ぇ! 回頭よーし!」
熟練の動作にて勢いが付いているはずの船体は絶妙なタイミングの逆噴射ブレーキが掛かり、ピタリと目標角度にて止まる。
「進めぇ!」
「アーーイ!」
そしてマッキーの合図にて船尾からの噴射が始まり、巨大な船を仰け反らせつつ海賊船団へと高速前進をし始めた。
「どどどどうなってんですか船長ぉ!?」
「ハハハハ! コレが俺の取っておきよ! 悪いが後で魔力タンクに補充頼むぜぇ!?」
「うわわわわ!?」
「はっやーい!」
「おお!? 船の速度とは思えませんな! 後で仕組みを聞いても?」
「後でなァ! いー風だ、久し振りに血が滾るぜェー!」
キンガ号、まさかのジェット機構にて海賊船団に突撃開始。
――ボコられ仕返し会(略)海賊船団――
「セーンスの頭ァ! 砲弾じゃなくてやっぱり人です! しかもすんげー上玉の!」
望遠を持つ船員が再度報告に現れ、
「ハァ!? ふざけたこと抜かしてんじゃねえぞ手前ぇ! 貸せッ! ……って、うおおおおホントだァァァァァ!?」
「ね? やっぱり人で、女でしょう?」
「確かにそうだがあの高さだと俺たち飛び越えて海に落ちんぞ? とんでもねぇ馬鹿なのかあの女?」
「頭ァ! 今度は標的が向かってきます! しかも尋常じゃねえ速度で!」
「あぁ!? なんだ次から次へと! マッキーの野郎頭でもおかしくなったのか!? それとも飛んできた女ぁ助けに来たのか?」
「頭ァ!」
「あーもー今度はなんだぁ!?」
「例の女、今頭上を飛び越えました!」
「ぇぇ……? やっぱり馬鹿なんじゃ……あっ」
――時はほんの少しだけ戻り、空中――
いーやっほー! やったぜ! 俺にも舞○術できたわ!
確かに腕を組んで仁王立ちのような姿勢で飛行? してはいるがさすがにそれを舞空○と言い切ったら龍玉さんに失礼過ぎるであろう。
お。 だいぶ見えてきたな。俺の幸せ空間を壊しに来た野郎共め。
一人残さず楽しい海水浴させてやっからなー?
さて、そろそろアイツらの頭上を越えるわけだが、大丈夫。 キチンと計算済みよ! どんだけ飛び越しかけようが体重ドン! 魔球大リーグ1号もビックリの超絶フォークボール軌道って寸法さ!
よーし、それじゃー格好良くヒーローばりのスーパー着地してやるからなー?
あっやべ! 先頭の船を要らんこと考えてるうちに通り越した!
オラーッ! どれでもいいから急降下じゃー!
何とか強引にタイミングを合わせた船に落下を敢行。
「ダイナミック! エントr
しかしここでタマ。 大誤算をする。 慌てて急降下を行ったものであるから体重を戻していない。
当然超重物体が船の甲板に被弾すれば……
爆撃音が海賊船団に轟き風圧が他の船へと届いた時、1隻の船が上半身と下半身に泣き別れ タイタニッ○を彷彿とさせる勢いでブクブクと轟沈していった。
びゃー!? 勢い戻すの忘れtガボボボボボ……
無事? 船を真っ二つに貫通し、現在船と共に沈没真っ最中のタマ。
果たして彼女の命運は、如何に。




