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ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
4章 家に帰ろう シンシア目指してどんぶらこ 編
128/202

番外ネキ ぎーとパワー、メークアップ!(前編)

 前回のあらすじ


「うおーっ、入れ食いだぜー!」


「稼げ稼げぇ!」


「おっ! 船長、見たことない魚が揚がってますよ!」


 引き揚げる魚団子から()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「お? あ、あー……違う。魚に埋まってるから解りにくかったが、上で網拡げてみろ。マクレだ」


 マクレーレン、モリを片手に飛び込んでいたところタイミング良く(悪く?)漁に巻き込まれていた模様。


「おやっさーーーーん!?」


 ――――



 鉱山都市ヴィシソワーズ。が保有する都市から少々離れた場所に位置する高ランクダンジョン。通称、“鉱山魔窟”。


 鉱系ダンジョンでありながら生物系の強力な魔物も多数出現する文字通りの“魔窟”。


 罠といった物が一切存在しない分、

「出てくる魔物がその分強い」という一般的な冒険者曰く逆に踏破できねーよ(魔物が多様過ぎて)と、噂される有名なダンジョンである。


 門番がいない代わりとして入口前の石碑にこう記される。

 “B以下の者の挑戦を禁ず。 又、賭すは己の生命、自己責任とせよ”


 と。


 ここに限らず冒険者とは基本的に何やっても自己責任な職業なのだが。それは置いといて。


 勿論此処もダイチ一行による間引き済み。


 さて、長々と説明会してる間にどうやら挑戦者が訪れたようだ。


 オレンジ色の立派な髭を蓄え、身長の倍は有る戦闘鎚を担いだ筋骨隆々のドワーフ。

 ガンテツ。


 ぴょこんと飛び出た触覚アホ毛がチャームポイントの薄い水色ショートカットヘアに身の丈に合わないほど大きなリュックサックを背負った可愛らしい少女。

 ぎーと。


 


 2人がダンジョンの入口へと到着。


「さーて、たまにゃ息抜きといこうかの」


「おらおらー、おいら様のお通りだァ」



 余談であるが、ダンジョン産の魔物は厳密には魔物であって魔物では


 ない。


 ダンジョンという生物の中で生成される“抗体”と言った方が近しいやもしれない。


 何が外の魔物と違うかと言うと……おや? 早速ガンテツ一行が1階層目にてアイアンゴーレムと鉄蜘蛛(メタルスパイダー)に遭遇したようだ。


 侵入者を発見し、アイアンゴーレムを盾にしながら鋼鉄の脚で貫こうと迫る2体。


「お、岩人(ストーンマン)もどきとガリッガリのクモ野郎かー、どうする?」


「なーに、()()ぐらい何ともないわい。この(ハンマー)も埃落とす程度にゃ使ってやらんとな」


「がんばえー」


 手を小さく振って応援するぎーとを離れ、2体を迎え撃つために駆けるガンテツ。


 巨体で以って引き潰そうとするゴーレムに、二段構えの策を画策するスパイダー。


 が、


 その作戦は上手くいかなかった。


 邂逅する瞬間、叩き潰すために振りかぶったゴーレム。だがそのガラ空きの胴に腰の入った柄がしなるほどの横振りホームラン(ハンマー)が直撃、鋼鉄の胴を達磨落としを打つかの如しで打ち抜き、打出された鉄塊はスパイダーの顔面へ正面衝突。


 核が撃ち出され上半身と下半身が泣き別れたゴーレムは勢いのまま地面を転がり、頭を潰されたスパイダーも大きくノックバックした後、頭部を破壊されてしまったので少々の痙攣の後、糸が切れた人形のように地面へと崩れ落ち力尽きて決着は一瞬にしてついた。


「ホッホー。久し振りに振るが、やっぱり元の奴みたいにバッカ(馬鹿)みたいな威力しとるのー」


「ないすホームラン。やるじゃんおっさん」


「お前さんたちほどじゃないにしろ一応ドワーフ族は力自慢で通っとるしの。いやしっかし本当に鈍器のくせに刃物のような斬れ味じゃの……」


 顎髭を弄りつつ、自身の愛鎚をまじまじと見る。



 〜〜よい子のための鑑定表示〜〜


 “神潰鎚(しんかいつい)「タマノゲンコツ」”


 RARE ―


 世界的名工と鉄人が一切の自重をせず深夜テンションである物ないものごっちゃに合金にして鍛えに鍛えたおぞましい破壊鎚。



 名工の技術と世界の理を超えた鉄人の腕力による鍛造によってこの鎚もまた、世界の理から外れた。

 鎚を構成する物質は“ケイヨウシガタイタマノハガネ”と表示される新物質。


 鎚に相応しい所有者以外は、いかなる腕力があろうとも持つことは許されない。見た目からは想像もつかない重量を備える。


 逆に言うと、所有者が所持さえしていれば相応に軽くなる特性を持っている。(それなりの重量はあるが)


 あらゆる内的外的要因を因果事跳ね除けるはっきり言って砕けぬ物は大元の鉄人以外は 存在しない絶対物質。


 こんなもんで叩かれたらそりゃ僕も死にますわはは(笑)


 ほんでこの“ケイヨウシガタイ”シリーズ工具もあるんでしょ?


 彫刻刀1本で僕死ねるとか……ね? もう笑うしかねえ!


 あと小刃が輪鎖でぶんぶん回るやつすごいいたそう。絶対痛いゾ(ごっとなみ)


 bye鑑定神


 〜〜〜〜



「さすが姐さんだな!」


「いやいやワシも一緒に作ったからな? あの時は酔っててどうかしとったが」


「じゃあ仕方ねぇ! おっさんも褒めてやろう」


「もーええわいそれで、ったく……不遜な所本当に似とるわなぁ……さて、死体は後で解体(バラ)すとして回収したし、む? なんじゃもう次のお客さんかいな。 ほんまよう此処は魔物湧くのー」


 ガンテツがゴーレムとスパイダーの死体を(アイテムボックス)に収納したところで、戦闘音を聞き付けた新手の魔物が現れる。



断頭(ヘッドホッパー・)鍬形(スタッグビートル)螺旋角(ドリル)(ビートル)か、こりゃー1階層目から珍しいのに出逢ったわい」


「よっしゃ! 今度はオイラの番だぜ!」


「そんな鼻息荒くせんでも言うと思ったわい、好きにしゃんせ」


「うっしゃおらー! モードチェンジ(戦闘形態)ッ!」


 掛け声と共に飛び上がり、緩く回転しつつも光に包まれて服が端から粒子となって消え、端から新たな服が生成されていく。


 この少女で魔法な変身方法、こんなことを教えたのはアイツしかいない。


 そう。 ダイチだ。


 彼が力説し、人が鎧やそれ用の服を着るように、戦闘時は動きやすい格好の方が絶対に良いでござる! むしろお願いしますなんでもしますから! と、あの手この手でぎーとを納得させることに成功した。


 きっと彼は話が成立した時“計画通り”と、内心ほくそ笑んだことは間違いないだろう。


 唯一にして最大の欠点を挙げるなら、()()()()()()()()()()()()姿()()()()()()ことだろうか。


 と、そんなことを言っている間に変身が完了し、軽やかに着地するぎーと。


「しゃらんら!」


 黒いレザー基調にデフォルメぎーとが刻印されたメダルがキラリと光る……あっコレナ()ス帽子だ。


 どこからどう見てもあのアドルフ何とかさんを彷彿とさせる軍服。

 鉤十字は危ない(色んな意味で)からね?

 ついてないですよ安心してください。


 カッ! とブーツで地面を鳴らして、羽織るコートも生成すれば、


 司令官(コマンダー)ぎーと、爆誕である。







 ……。



 軍服幼女だコレぇ!?


 戦記の方と被ってねえか!?


 大丈夫ですか? 存在P()さん!?








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