表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
4章 家に帰ろう シンシア目指してどんぶらこ 編
124/202

103ネキ サルベージと大怪獣とプロポーズ

 前回のあらすじ


 メタルブロックなんて無くても海中イケます。


 ついでに溶岩に落ちても蟹のような熱に強い装甲纏わんでも良いし。


 溶鉱炉に落ちてサムズアップしてもその後平気で出てくる。




 ――――


「ガッハハハ! 最高だ! アンタ最高だよ! いやーこんな面白い奴が居たなんてな、転職して本当に良かったぜ!」


「さよか」


 現在船長にすんげー喜ばれながら、めっちゃ背中ばしばし叩かれてるなう。



 え? 落ちた弾? えっとな………


 ――――

 ――


「聞いときたいんだけど、海から地面続きで坂になってる所あるー?」


 船長に上陸できそうな箇所を聞きつつ、ブーツやら何なら濡れたら困るもんをお洋服ポーチに詰め込んでいく。……飯袋、コレポーチinポーチできるんすかね……あら、イケたわ。さすがガンえモン、

 あの髭何でもアリだな、よーし。潜航準備完了。


「あん? それなら向こうだ。修理とかで船を引き揚げるのに使う坂があるが……ねーちゃん、何靴脱いでって……まさか」


「そーだよ。じゃ、()()()()()()()()()()


「あ、おい!」



 はいざぶーん!


 皆のまさかの予想を外すこと無く飛沫を上げて豪快に飛び込んだタマ。


「マジかよ! あのねーちゃんやりやがった! おいクロコ! アクアスコープ(水中メガネ)持ってこい! ついでにもしもの時用に起きてる魚人(マーマン)の奴!」


「あいさ!」


「……ねえセレソ、これ僕たちどうなるんだろね」


「さあ〜? 自分から潜ったんだし大丈夫なんじゃない? 船長さんたちがもう動いてるし待ってましょうよ〜」




 ――

 ―


 ……ほい。


 ズズーンと海底着地。 いーやー全身ウェイトだから潜航(沈む)の早えーのなんの。


 地面は……砂地か、ほんで少しの層のすぐ下は岩盤……と。 よく整備されてる港じゃん? 建設した奴のこと尊敬するわコレ。


 これなら俺が荷物持っても沈む必要は無さそうね。


 えーと、落とした荷物ってのは……お、あったあった。


 着地時の海流で巻き上げられた砂埃が無事収まったので、透明度の高い綺麗な海水なこともあり軽く見回しただけで目的のソレは直ぐに見つかった。


 お、中身が散らばったデカい木箱はっけーん。 えーと、なんだこりゃ? 弾? 戦艦の弾? ……ああ、船の横に付いてたアレ専用の弾か。

 いい大きさしてんな、確かにこりゃ全部引き揚げるのは面倒くさいやろな。


 まーいいや、ぽいぽいーっとな! ほい、箱詰め完了。


 ―― 一方海上。 ――


「船長ォ! 見てくださいよアレ! 海中なのにアイツキンガ弾を散らかった玩具片付けるように何事も無く回収してますぜ!?」


「お、おお!? なんだこりゃ!? あのねーちゃんただもんじゃねぇな!?」


「船長……あの箱、まさか……アイツ……持ったァァァ!?」


「うおお! なんちゅー奴だ! ハハハ! こりゃー面白ぇ!」


 ―― そして海中 ――


 さーて、この箱を……いよいしょぉー! 砂に多少沈む? そんなの関係ねぇ!


 木箱を頭に抱え上げ、ズンズンと海中を進みあらかじめ聞いていた地続きの上陸箇所めざして歩み始める。


 そ し て。



 盛大に大怪獣G(G○DZILLA)の上陸BGMが空耳で聞こえてくる勢いで、タマ、上陸。


 いきなり海中から出てきたタマに付近の人間も目を点にして驚く。


 そりゃまぁ誰だって海中からデカい木箱を持ち上げたお姉さんが出てきたらビビりますよ普通に。


 周囲の視線もお構い無し、海水滴る良いネキもさながら、先ずは木箱を船長の前へと持っていく。


「あいよ、お待ちどーさん。ついでに搬入口まで運んじゃろか?」


「ハハ……ハハハハハハ! ガッハハハ! ああ! 悪いがそうしてくれ、助かるぜ! 後は船員が何とかするさ!」


 腹と顔を押さえて天を仰ぎ盛大に笑う船長。 周囲が驚く中、1人だけ何かのツボに入ったようだ。


「おーけー。ここか? うーしおわり! そんでさ」


「ハハハ……うん?」


「濡れたから着替える部屋貸してくれ」


「お易い御用だってんだ。ついでに潮も流してくると良い。クロコ」


「へい。タマさんついてきてくだせえ」


「うーい」



 ――――

 ――

 ……



 って感じで客用の一室借りてチャチャッとシャワー浴びてサッパリ!


 仕組み聞いたら火の魔石でお湯になるわ、水は魔法で補充してるから遠慮しなくていいわ、とかなんとか。魔法ってしゅごい。(こなみ)


「良い湯だったわー」


「お! 来たかねーちゃん! 濡れててもいい女だが湯上りもいい女だなアンタ!」


「そりゃどーも」



 ――


 って感じで冒頭に戻る。



「ほんで船長さんよ、弾は拾ってきてやったから約束通り乗せてくれんのか?」


「あたぼうよ! なんなら俺はアンタが気に入ったから是非乗ってくれよ! 俺の勘がアンタを乗せてくと絶対に面白いって言ってら! 本当にツイてないと思ったらその逆で気分が良いぜ! そこの魔法使いの2人もいいぞ! お代は要らねぇ 道中の飯代もこっち持ちだ。もしもの用心棒で依頼頼むぜ!」


「ラッキ〜。タマさん様様ね」


「いいんだろうか……」


「いいんじゃない〜? あ、タマさんありがとうございます〜、お陰でシンシア行きの船ゲットできました〜」


「いや別に俺は大したことしてねーよ」


(海中に自力で潜ってあの荷物1人で運ぶのはヤベーと思うんですけど?(よ〜?) やっぱりB以降って人辞めてる気がするんだけど……(〜))


 魔法使い2人も組は内心そう思った。が、特に表には出さなかった。


「さぁ、出航が延びるとか言っちまったが予定変更だ。 予定道り2日後には出るがアンタらはどうするんだ? このまま船ん中で休んでてもいいぜ?」


「特に用事()ーしな……じゃ、そうさせてもらうわ」


「あ、じゃあ僕たちも……」


「解ったぜ。そんでアンタらの名前聞いてなかったな」


「タマだ」 「あ、ケラスって言います」 「セレソで〜す」


「覚えたぜ。それじゃあ部屋はそこら辺に居る船員(クルー)に聞きな。一番良い客部屋に案内してやりなぁ! 俺はちょっくら用事でギルドに行ってくらぁ」


「「アイサー!」」



「あ、タマの姉御さん部屋はこっちになります」


「姉御ぉ?」


「そりゃ、俺らの船長があんなに大笑いして初見の人を気に入るなんてそうそう無いっスからね。姉御呼びしないと客を敬ってないとか言われて多分船長にシバキ倒されます」


「ええ……?」


「そういうことなんでお願いしますよ、タマの姉御さん」


「……まぁ、いいわ。好きにせー」


「あざーす! あ、向こうが食堂になってます。 姉御さんならいつでも大丈夫スよ」


「うんむ。ついでに今そこも案内しちくり」


「あいさ!」


「うん? まさかこの匂いは……」


 世界が変わろうが何だろうが時空を越えるこの匂いッ! ナンで良し米で良しパンでも良しッ! お前はッ! 此処にッ! 居たのかッ!



 ――



「あ、ケラスさんたちは別部屋の方が良いスかね?」


「同じ部屋で大丈夫ですよ〜」


「了解しやした」


「……ねえセレソ。急な話なんだけど、アイダホで大会が最近あって優勝した冒険者の話知ってるかい?」


「知ってるけど、どうしたの〜?」


「あ、それならあっしたちもここまで流れてきた噂で知ってますよ。何でも今年は無名の新星、それも女が優勝したとか」


「あ、ここまで広まってるんですね」


「そりゃ俺たちは情報もやり取りしますから噂話とか結構耳にしますぜ。 何でも“鉄腕姫”つって拳一つで何でも叩き伏せる長身の女傑とかなんとか。 確か黒の珍しい髪で緑の瞳……あっ」


「……やっぱり船員さんも思います?」


「多分本人かしら〜? 後で聞いてみましょ」


「まぁ、それは置いときまして、お二人さんの部屋は此処で、そんでこっちの扉が食()……」


 船員B(仮)が扉を開けた瞬間。


「……は?」「え?」「え〜?」




「「「鮫のお嬢さん! 好きになりました! 結婚してくんろ!」」」


「飯食ってる最中だから駄目だ(ニッコリ)」


「グワッーーッ!?」(ショックで小窓から船外に飛び出す)


 タマ。魚人(マーマン)の船員たちに告白されていた。


 後で解ったことなのだが、彼等の美的感覚には美しい歯並びなほど綺麗に見えるらしくて、タマのギザ歯がそれはもうクリティカルだったそうな。



 まぁ全員あっさりいきなりは駄目だと断られてショックで船外に飛んでいったが。


 ケラスとセレソは再度同じことを思った。


(この人なんかヤベーよ) と。



「お、ケラスさんにセレソじゃん。 ここの飯めっちゃ美味えぞ。早速食ってかね? おっちゃん俺と同じやつ2つ追加ねー!」


「あいよ!」


「ほれ、座れ座れ」


「「アッハイ」」


 タマに言われるがまま、座ったテーブルへと、海の男と言えば定番の“茶色いスパイシーな食べ物”が2人の前に運ばれてくる。



「……“コメ”に掛かってるこの茶色いソース? は?」


「カレー」


「カレー……? ……美味しい」


「んまぁ〜い」


 “カレー”が初体験かつあまりにも美味しかったので2人は特に気にしないことにした。ヤバそうではあるが悪い人ではないと。





 あ゛〜。 まさか久しくカレーが食えるとは思わなんだ。

  毎日コレ食えるとは良い船だわ此処。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ