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ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
4章 家に帰ろう シンシア目指してどんぶらこ 編
122/202

101ネキ 船だ! のりこめー

 前回のあらすじ



 タマさんドロップキック&オサヒデfly high




 ――――



 一方、上手く逃げおおせた賊の方たち。の、アジトへの帰路の会話。




「畜生、遂に生き残り出しちまったな……もう落石は使えねーし街に報告されたら討伐隊も来るか……」


「いやーでもさすが(かしら)ですよ。あんなバケモンみてぇな冒険者引き当てといて数人で済むなんて奇跡っすわ」


「盗賊稼業は引き際が命だからなァ……しばらくは討伐隊から逃げるためにアジトに籠るが、後でお前仲間の死体が有るか確認してこいよ。 残ってたなら俺たちで埋めてやれ」


「俺、頭のそういう所好きですよ」


「馬鹿やろォお前、人様から奪って盗ろうが仲間は仲間なんだよ。骨くらい拾ってやらねぇと頭として立てねぇだろーが」


「それじゃ早速あいつらどうなってるか明日、見てきますね」


「おうよ、あの落石じゃぁ立ち往生してるから乗り物乗り捨てるかだろーな! ざまーみろってんだ」


「ははは! さすが頭意地が悪い!……後アジトの場所ってバレますかね?」


「いや。それはねぇな、殺られた仲間は居れど生け捕りされた奴は居ねえ。死体は喋らねえさ」


「了解。それじゃ、アジトに戻ったら偵察の準備して明日、数人連れて見に行ってきますね」


「おう。任せたぞ、ほとぼり冷めるまでの用意はあっからな。帰ってきたら好きなだけ飲め」


「さすが頭! 死ぬまでついていきますぜ!」



 ―――― そして同じ頃のタマ一行 ――――



「ん。 整列」


「「アーイ!(故)」」


「規模とアジトの場所」

 

「さっきのでほぼ全員! アジトは渓谷の上の山岳地帯の廃砦!(故)」


「ん、よく言った。褒めてやろう」


「ありがとうございます!(故)」



 死体、めっちゃ喋る。 ベラベラ喋る。


「おーいパピルスさー、車の点検終わってもういつでも走れるだよー」


「わかった、ラケルタさん、こっから一番近い街に寄れる?」


「渓谷出て街道近くに次の所だと……サルタードがあるべな、そこ行くのは良いけどどーすんだべ?」


「こいつらギルドに預ける。情報吐かせたら多分討伐隊が出るはず」


「なるほどだ」


「……乗る?」


「スペースは何とかあるだよ」


「ん。助かる……よーしお前たち、のりこめー!」


「「アーイ!(故)」」



 そんなこんなで、カム車、再出発。




「……俺の場所少ないよね? これ」


「ガマンしろー。明日には着くから」


 賊inオサヒデ、すし詰め。


「なあ、そっちスペースあんだからもっと場所くれても……」


「この狭さで平然と寝てるタマさん見習え」


「確かにスゲーなとは思うけどよ……」


「zzz……」



 渓谷以降はアクシデントは無く、無事近くの街に寄ってギルドへと賊を預けることに成功。(死体の顔色が良くアンデッドだと直ぐには信じてもらえなかったり)


 直ぐにでも、稀にある落石が人の仕業だと解れば討伐隊が編成されるであろう。



 閑話休題。




 水平線の向こうまで広がる海、此処からでも漂う潮の香り、目下に見えるは噂のニョッキ。


 遂に着くぜ港町! 湾を開拓したいかにもな街っすな。


「ほいじゃーここ下ればもう着くから忘れ物無いか確認しておくだーよ」


 小休止でニョッキを一望できる丘から下りに下って湾まで下りる。


 そして停留所。



「おー! やっと着いたかー! ありがとうなラケルタさん」


「どういたしましてだ。またのご利用待ってるだよー」


「すぐまた戻るの?」


「いんや、仲間が居るんでそこでしばらく車と(リザード)休ませながらアイダホに行く客待ちになるべなー」


「なるほど、それじゃまた逢えたら頼むぜー」


「あーい。 だーよ」


 ラケルタと別れ、まずはギルドへとスマシュたちと向かう。


「タマさん、船はどう手配してるんですか?」


「ん? 特には考えてねぇから受付で聞く。おわり」


「……それでしたら護衛募集のシンシア行きの船を探してみてはどうでしょうか? それならどの船にも乗れるはずですよ」


「まじ? じゃあそれで聞いてみるわ。ありがとうなー」


「いえいえ、私は助言しただけですし……あ、向こうの建物が此処のギルドですよ、それでは名残惜しいですが、私たちは別の所に用事がありますので……」


「おーよ。悪いね、道案内してもらって」


「いえ、通る道同じでしたので……それではまたご縁が有れば」


「んー。またね、タマさん」


「じゃーなー! 仲間にスゲー奴が居たって自慢するわ!」


「ういよー」


 スマシュ一行と別れを告げ、ギルドの入口のドアを押す。



 えーと、受付は……あっちか。



「こんちゃー」


「ようこそニョッキの冒険者ギルドへ。 本日はどのようなご用件でしょうか?」


「えっとねー、今すぐシンシアに行きたいんだけど、護衛依頼ある丁度いい船無い?」


「冒険者ランクをお聞きしても?」


「B」


「はい。ありがとうございます……それでしたら……「タマ」タマ様が望む条件ですと、商船護衛“キンガ号”の募集がありますね、ですが少々特殊な募集になってます」


「つーと?」


「“船長の面接を受けること”が募集項目にありますね……しばらく滞在していただけるのなら他のシンシア行きの船も出てくると思いますが、いかがなさいます?」


「簡単な話今すぐ乗りたかったら船長の所行ってOK貰ってくればいーんだろ?」


「まぁそうですが……ではこれにしますか?」


「何だって構わねーよ。ついでにその船長の場所も教えてくれ」


「あ、はい。今すぐ地図に描き起こしますので。あ、船長の特徴も 書いておきますね…………


 ――


 サクッと地図と船長の容姿を描いてもらい、街を眺めながらぼちぼちと探索。


 そんで船着場。 辺りを見回す。



 えーと……“キンガ号は黒塗りの船で、大型船 船体横に二門の対になってる目立つ砲門有り。 更に特徴としましては帆に目立つ髑髏の模様が有り”……だってさ。



 黒塗り……髑髏……あ、それっぽいのあった、あったけど……アレ、どう見てもバリッバリの海賊船だよなぁ? アレだけ異様に目立つぞこの船着場で。



 商船? 商……船? ま、ええわ。とりあえず近くに行って話聞けばええだろ。








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