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ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
4章 家に帰ろう シンシア目指してどんぶらこ 編
119/202

98ネキ やっぱりすんなり到着はしないですよね

 前回のあらすじ



 なんかもうわちゃわちゃになったけど話自体は纏まりました。

(尺カット)


 アイダホとアルワに何があったのか聞かれそうになったがマリエの機転により、


 “彼は心と尻に深い傷を負っていますので、言及しないのが良いと思います”


 のカンペを掲げたことで何とか事なきを得ることに成功。


 アイダホ陣営は、ああ、逆鱗に触れたんだなと……納得し

 アルワ陣営はいったいどんな人物なのかと気になったそうな。




「こんなはずでは……(ボソッ)」


「まぁ結果平和的で宜しかったのでは?」



 ――――



 おはもーにん。 朝やで。


 走り始めはおーおーおーとか思ったが、1、2時間くらいしたら飽き……んッん〜ッ。もう慣れるわな。

 街道で走りやすいのとローマもびっくりの蜥蜴戦車だからね。


 良いサス(サスペンション)使ってんのか解らんけどドコドコ駆けてる割には全然揺れないし、そらもう後は何するかって言ったら寝るだけですよ。


「はァ……はァ……」


 俺は冒険者特有の寝袋とか必要ないんで、外で適当に背もたれ作って半分ウトウトしながら番してたんすよ。


 ま、昼間はガッツリ寝てるし夜更かしするのは苦じゃねーしな。


「おふぅー……おふぅー……」


 ほんでさっきも言ったウトウトしながら過ごして鳥の鳴き声……異世界雀? チュンチュンチチチ……とは聴こえるけども、まぁ雀なんて異世界でも何処にでも居るわな。青色のゼリーがスライムだとしたら赤色はベスよ、ベス。要するに亜種かそっくりさんよ。


「おはょう……ござ……いま……ひゅ……」


「……おう、おはよーさん。オサ……ヒデっつたっけな? おめーさん見ねー間に随分と逞しくなったな。筋肉量的に」


 タマの1人思いにちょくちょく介入する謎の喘鳴。そこには一昼夜走りどおしで何とか追い付いたオサヒデが居た。


 夜通し走っていた事により濃ゆい疲労の色が窺える。

 他に変わった所は無く、強いて挙げるならローズブートキャンプ(筋肉的指導)のおかげで筋肉増し増しな所か。


「なんつーか……オサヒデ80パーセントってところだな」


 本当に追い付いてくるとかガッツあんなこいつ。


「は……ちじゅう?」


「いんやこっちの話」


「ま、マ……」


「ま?」


「マッスル……」



 オサヒデがマッスル(筋肉)発言と同時に力尽き、バタリと豪快に突っ伏す。


 その音を聞きつけてリザード車からスマシュとパピルスが目を擦り、未だ眠そうにしながらも様子を見に来た。


「おはようございます……昨晩は見張りの申し出、ありがとうございました……大きな音がしましたが、いったい何の音でしょ……タマさん、もしかして今そこにうつ伏せになりながらも豪快ないびきをかき始めたムッキムキの見覚えのありすぎる太刀を背負った生物はもしかしなくてもオサヒデでしょうか?」


「んむぅ……まだ眠……うわキモ」


 2人共1発で眠気が吹き飛んだようだ。


「本当に追い付いてきたのは評価しますが、そこで休まれても困るんですよね……重そうですし」


「蹴り起こす? ちょっと可哀想だけど」


「まーまーまー、俺が摘んで中に運んどいてやるから寝かしときな?」


「あ、すみません助かります……」


「おーう。ほんじゃ火ぃつけ直して飯でも食おうぜ、そのうちラケルタさんも暖まって起きてくるだろ」


「それでしたら朝食は私たちが作りましょう」


「さよか? 俺飯作るの得意じゃないんだよね。頼むわ」


「……おはようございますだーよ……くヮァ〜……レキリンはもう少し待ってほしいだ」


「お、おはよーさん」


 朝食後は特に問題なく出発、車が走り出したら俺たちはやること無くなるしな。 各自適当に何かやってたりするわけよ。



 俺は外眺めながらうつらうつら、スマシュさんはなんだろ? 武器の整備してんのかね? 腰から取り出した物が展開したと思ったらアーチェリーの弓になったわ。 形があくまでそれっぽいだけで実際は解らんけど。


 ほんで色々と確認して折り畳んで仕舞った後はモニョモニョと何か唱えたら手から矢が生えてきてんの。 スゲーな。


「スマシュさん、矢って魔法で出すの?」


「人によりけりでしょうけど、私の場合は魔力に余裕がある時に生成して保存しておく方法が楽ですかね。あ、森人(エルフ)は大体持ってる能力なだけで普通に削り出して作ったりもしますよ?」


「へー」


「あーでもコレ(生成矢)だと威力が個人差出ますからね。魔力矢1本取っても人によって千差万別ですよー」


「スマシュはこっちだとあんまり知られてないけど、故郷のシンシアだと割と有名……“血矢雨(ちやさめ)”とか言われてる」


「パピルス、その2つ名は恥ずかしいからあんまり言わないでって言ったでしょ……もう」


「ん。そうだった、ごめん」


「お返しにタマさんに貴女の2つ名も“死屍操者(デッド・リモーター)”とか言われてるの教えるわよ」


「……うへぇ……最初にそう呼んだ奴絶対センス無い。2つ名とかつける奴のセンスがわからない」


「あー……うん。その気持ちなんか俺も解るわ……」


「チャンピオンの“鉄腕姫(てつわんき)”……イカス」


「当人は小っ恥ずかしいからやめちくり」


「ん……ごめんなさい」


「怒っちゃいねーさ」


「イェェエエイ! 俺、復活ぅ! いーや走りっぱなしはキツかったぜ!」


 オサヒデ、起床。 パンプアップしてた身体もちゃっかりしぼんで元に戻っているようだ。


「……っ! 耳元で五月蝿い!」


 パピルスがイラッとしてつい放ったフックが綺麗な弧を描いてオサヒデの顎先を掠める。


「あ、良いの入りました(ね(な)」


 起きて早々オサヒデ、脳を揺らされKO。


 再び眠りへと就く。


「んぅ……すまんオサヒデ、安らかに眠れ」


「ナイスクリティカル」


「忙しいやっちゃなこいつ……」



 そんなこんなでオサヒデが起きたのは夜であった。




 それから特に問題も無くつーかこんな戦車が走ってたら、当然何も無いわけなんだけども。


 やっぱり道中何かあるのはお約束なんだろうかコレ。


 ニョッキへの道ほぼ半ばの渓谷地帯にて、現在足止め食らったなう。


 ええ?










 ――――おまけ。タマとガンテツの日常――――


 ダイチの武器を製作中のある日。


 今日も工房にリズム良く鎚の音が響く。 大体昼頃の時間帯。

 のそりと工房にタマがガンテツの様子を見に来る。


「おーす。進展どうよ?」


「今日のところはまずまずの進み具合じゃな。もうしばらく鍛えたら休憩しようと考えとるところじゃわい」


「そう? せっかく飲み物用意してきたんだけど……要らない?」


「なんじゃ気が利くじゃないか、それなら有難く貰うわい……ところでこの茶はどっから持ってきたんじゃ?」


「ガンテツのバック漁ったら出てきた」


「漁ったってお前……まぁええわ」


「人のバッグから漁った茶は美味ぇな!」

挿絵(By みてみん)

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