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ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
4章 家に帰ろう シンシア目指してどんぶらこ 編
118/202

97ネキ ダイナミック謝罪(それと少しの本編)

 前回のあらすじ


 親戚のおじさんも転生してた。 広くて狭い世界。




 ――――


「おじさん!? 確か、山で暮らすと言ってそれきり行方不明になったんじゃ!?」


「いやーそれが泉に落っこちたら色々とあって……(よし)ひ……ヨシヒコ君は?」


「僕は通り魔に刺されてしまって……全部思い出したのもここ数年前でしたね……“生まれ変わり”というものなんでしょうか。長くなりますが色々とありまして……」


「そっかぁ……君も大変だったんだねぇ……と、私たちだけで感慨に浸ってる場合じゃなかったね。すまない」


「せっまい世界やのー。あ、感動の再会終わった?」


「ターロの親族か、ふむ、心得た。それにアイダホ王が護衛に連れてくるだけはある。()殿()、強いな?」


「お? さすが魔お「解ってくれますか! 僕が男だって!」


 アイダホの言葉を遮り、ヨシヒコがアルワの手を取って喜ぶ。


「う、うむ」


「ありがとうございます! とても嬉しいですよ! ……あっ、すみません……つい行動に移してしまいました。不敬でしたね。申し訳ありませんでした……」


「いや、構わん。この程度で怒るなど上に立つ者として有り得ぬ」


「お気遣いありがとうございます。改めて、僕はヨシヒコと申します。話せば長くなりますが、現在はアイダホさんに恩を返すべく、此処に居ます」


「私はアルワと言う。本来はもっと長ったらしいが、アルワで良い。こちらこそ宜しく頼むぞ」


「はい!」


 和気あいあいとする華組を他所におっさん組2人。


「思ってたより馬が合ってラッキー。 あ、吾輩此処の王様。アイダホつーんだ! 頼むぜターロさん」


「あ、これはどうも御挨拶ありがとうございます。 私、アルワさんの部下のターロと申します。この度の会談の場を設けていただき、誠にありがとうございます」


「堅いのー……もっとフランクに接してくれて良いんだぞ?」


「いやぁ……目上の年配の方に馴れ馴れしく接するのはいかがなものかと思いまして……」


「ターロさん歳幾つよ?」


「え? 年齢ですか……少しお耳を拝借させていただきまして……ゴニョニョ……」


「ふむふむ……えっ!? タメじゃん! 吾輩と! 見た目若っか!」


「左様でございますか?」


「ぐおおおやっぱり吾輩も人間辞めるかぁ!? 魔国に住みてー!

  ターロ君吾輩と同い年やん! 君もアイダホ君と呼べ! 決定! じゃなきゃ話しない!」


「え、ええ……?」


「ほらほらほらほら」


「で、では……アイダホく……さん」


「ブー! ……ま、ええわい。無理強いは良くねーわな」


「すみません助かります……」

(この人こんなノリ軽くて普段どうしてるんでしょうか……)


「あ、顔に出てんぞターロ君。仕事モードの吾輩見て驚くなよー?」


「あぁ……さすがに普段はきちんとしてるんですね……」


「ま、さすがにの。ハg……大臣にゃ迷惑かけとるが職務よ、職務」


 両手を上げおどける仕草のアイダホ。これで本当に仕事モードはできる王なのだからダイモンの頭頂部は薄くなる一方である。


 ――――


「ぶぇーくしょい! ……勢い余って奴のチェス駒に鼻水盛大にぶっかけてもうたわい。……拭いときゃ分かりゃせんじゃろ。 えーと、奴がこう来たら、こう。 そんでこう返したら、こう………


 ――――


「はあ……?」


「それじゃぁ、向こうの方も一段落着いたっぽいし、そろそろ真面目な話する? アルワ君」


「ああ。済まなかったなアイダホ殿、ターロの親族と会うとは思いもしなかったのでな。本来の目的に戻ろうか」


「おじさん! アルワさんってとても素晴らしい人ですよ! 考えと思想に僕はとても共感しています! この人ならきっと見た目が違うだけで優劣が有る世界を変えてくれるはずです!」


「まー吾輩も下らないことで差別する世界が嫌いだからアルワ君と手を組むわけなんだが。ヨシヒコ君が特殊なだけで向こう側(ヨシヒコの国以降)は魔族は人じゃねーからな」


「私もそれに関しては憤慨している。だからこそアイダホ殿の呼び掛けに応じたわけだが」


「アルワさんのような考えの人が増えればきっと彼のようなことも無かったのに……」


「……彼? ヨシヒコ君、もしかして、君だけじゃなく親友の次郎君も……?」


「はい。……僕がもっと早く気が付いていれば……」


「アハハハハハハ! 本当にお前は生まれ変わっても変わらない奴だな! ハハハハハ!」


 少しばかり湿った空気から一転、ヨシヒコを笑い飛ばす高らかな謎の笑い声が部屋の中に響き渡る。


「何奴!?」


「アイダホ殿、向こうの影だ。……気配を消していたわけではないな? ()()()()()()()()()()()()()()()()()不意討ちを行わなかったことを評価して先ずは話を聞いてやる。引きずり出される前に出てくるが良い。2()()()


 穏やかに語りつつも眼光鋭く不自然に暗い影の向こうへと静かな威圧を向けるアルワ。


「……チッ。さすが魔王とか言われるだけあんのな。ヨシヒコの野郎は元気してたか? それ以外はお初にお目にかかります。俺がその彼、ロッジ様よ。もう次郎とは呼ぶな。()()()()……おじさんも居るとは予想にしなかったがよ……」


「こんばんは。私マスターの忠実なる部下にして半身、機械人形(オートマタ)のマリエと申します。先ずは礼儀の無いマスターに代わり私が謝罪を述べます。今宵は皆様の会談にお邪魔するべく馳せ参じました」


 影の向こうから現れるはあまり面白くなさそうに頭を掻きながら出てきたロッジと丁寧なお辞儀をするマリエ。


「あークソ、あんまりにも可笑しいから出てくるタイミングが悪かったじゃねえかよ……おっと、先に言っとくがな? ヨシ、もうお前殺そうなんて思っちゃいねーよ……色々とあってな、なんかもうそういうのどうでも良くなったんだわ……やってきたことは反省するつもりはねーけどよ」


「説明不足のマスターの言葉を補足いたしますと、今回は引越しのご挨拶ですね、はい。取り出したります地図だと此処。お二人方の国の大体境目のダンジョン、此処に私たちこの度住まわせていただきたく挨拶にお伺いした次第にございます。此度の会談にお邪魔しましたのは単純に手間が省けるだろうというマスターの浅はかな謀略にございます」


「ヨシヒコ君、彼が君の言ってた因縁の相手かね?」


「はい。……その呼び方をしてくれるってことはもういいんだね……ジロ君」



「やめろやめろ、その呼び方をするな。俺は俺、お前はお前だ。この世界じゃそうなんだよ。お前は人様を救う勇者、俺は人を試すダンジョンマスターだ。 それ以下でも以上でも無い」


「何やら私の知らぬ所で何かしらあったようだが今回は本当に挨拶とやらに来たのだな? ダンジョンマスターとやら」


「魔王様の仰る通り本当に挨拶以外の他意はありませんのでご心配には及びません。勿論よくある溢れるようなダンジョンでもございませんし侵略の意思もありませんのでお互い美味しい理想のダンジョンになっております。都合が合いましたら是非一度お越しを」


「……吾輩話には知ってるが、基本人に敵対するダンジョンマスターがこうやってノコノコ出てくるってこたァ……()()()()()()()()?」


「さあな? 俺は俺でのんびりやるけどそっちがその気ならどうだろうな? わざわざ生身晒して握手しに来る酔狂な奴なんだ。対応はそっち次第さ? とにかく俺は言いたいこと済んだから見に来るのは良いけど刺激するなよ? ってことだ」


「はい。それでは何かしらご質問はありますでしょうか?」


「……はい」


「どうぞ。ターロおじ様」


「わざわざこの場に来たってことは水面下で両国と提携したいということですね?」


「ご賢察にございます。 私どもダンジョン側としては人様に来てもらってなんぼですので両国がさりげな〜く此方に人を寄越していただければ懐が潤います。勿論のこと、ダンジョン特有の産出物に関してはご自由にお持ち帰りください。危険度に関しましても区画ごとに難易度をあからさまに分けておりますので様々な方にお勧めできます」



「簡単に言ったら美味しいダンジョンできてボスも友好的だからどんどん利用してね! ってことか?」


「アイダホ王の言葉勿論通りにつきますね。まさしくそれでございます」


「真意は実際に後で確かめれば良かろう。……私としてはそこに居るダンジョンマスターの態度が少々気に入らぬが……」


「ハッ! 俺は誰にも屈しない主義なんだよ。 ……あいつは例外だが(ボソッ)」


「あーまぁ彼女はカウント外かと……」


「彼女?」


「あ、アイダホ王はご存知ないかも知れませんが以前、黒髪で緑の瞳の威風堂々とした女傑と呼ぶに相応しい方がおりまして……」


「オイッ! やめろマリエ! 話題に出すんじゃない!」


「……吾輩多分知ってる……ソイツって、髪が腰まで長くて歯が尖ってて邪魔な壁あったら迂回するんじゃなくて蹴り壊す奴じゃろ……?」



「エッ」


 不遜な態度から一変。 ロッジの顔から血の気が引く。


「……あっ」


 それと同時にマリエが察した。それと同時にカメラを用意。



「ジr……ロッジ君、その人……タマさんって人ではないです……か?」



 ヨシヒコのワードから暫しの静寂が続き、ロッジが胸に手を当てて落ち着いて深呼吸、呼吸を整えて、数歩下がってからの助走、勢いを付けて空中を飛び跳ねてスケート選手も真似できないほどの捻りを加えながらキラキラと輝く軌跡を残して、






 皆の前にジャンピングアクセル土下座が決まる。



 マリエが予め渡しておいた点数看板を皆が上げ、満場一致のALL10点。



「調子こいててすんまっせんしたぁぁぁぁーーっ! アレに言うのだけは堪忍してつかぁーーーさい! お願いします何でもしますから!」



 お引越しの挨拶、大 失 敗。




 思い出(小麦粉)は色褪せない。



 いやコレ、トラウマだ。








 ――――数行本編――――





「へー。 スマシュさんたちはメークウィンの方に向かうんだ?」


「ええはい。地図で説明させてもらいますが、ニョッキから出る船に乗って私たちはメークウィン大陸へと向かいますね、そこで旧友と待ち合わせてまして……」


「ん。会うのが待ち遠しい」


「そっかー……もう1回聞くけど仲間置いてきて良かったのか?」


「彼なら明日、追い付いてくるでしょう。よくあることですね」


「知ってるスマシュさんが言うなら言及しねーけどな……」


「お客さー! 夕飯炊けただーよー! 食べてけろ!」


「おー!? 美味そう。ラケルタさんコレなんつー料理よ?」


「これは私の村で採れだミナギイールつー魔物を捌いて干して水で戻したのを蒸して焼いたやつだーよ! コメと食べると美味いだよ!」


「(鰻……だよなぁコレ。うな丼だよなぁ……コレ)」



 主人公、うな丼を食すの回。

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― 新着の感想 ―
[一言] 改稿100ネキ到達まで残り3…。 九月からよくここまでやったと思う。 見上げた心意気。
2020/12/31 14:00 退会済み
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