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ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
4章 家に帰ろう シンシア目指してどんぶらこ 編
115/202

95ネキ ゴットハンドタマゴロウさんと愉快な3人組

 前回のあらすじ


 片やお酒。 片や尻……失敬。シリアスになるかもしれない。



 適当に生きてる方がこの作品の主人公。




 ――――



 おぅYES(いえす)。 おはやうごぜーやす、現場のタマです。


 とか何とか心の中でふざけつつ、ハイやってきました停留所。


 地図のクオリティ高くてすんげーわかりやすい。 手描きでコレ? みたいな。俺が同じ地図描いたらグワーッと行ってガーッと曲がってヌッ! とUターンしたら着きますとか多分そうなる。



 あ、昨日は楽しかったよ。場所が場所だからドンチャン騒ぎはしねーけど静かにお酒を(たの)しんだぜー。


 ……俺の飲みかけのやつ飲みたそうに見てたからリリーさんにあげたら空になったジョッキ懐に仕舞って即座にマスターに金貨弾いて買い取りしてたのは俺絶対に突っ込まないぞ。うん。


 マリーさんは後頭部に張り付いてくるけど、リリーさんは首にかかる毛皮になる。 うん。 姉妹でも個性が出るんだね。うん。


 大した(?)ことはなく二日酔いも無しで今。



 そんで停留所。

 待機タクシーかよってくらい居る。


 馬。ウマウマ馬。形容し難い生き物。ウマウマ馬。 そんでトカゲ。


 お、多分アレか。 トカゲ戦車(チャリオット)だな本当に。


 2頭引き8輪の大きな馬車……トカゲ車へと歩み、御者らしき蜥蜴人(リザードマン)へと声を掛けた。


「ちわー。カムプス何とか便って此処で合ってますー?」


「グー? ニョッキ行きのカム車ならコレだーよ…… お客さ人間(ヒューマン)種だべか? 大きい娘さ来るとは言っとったけども」


 鳴き声返事からのお決まりのちょっと驚かれるパターン。

 割と久しぶりねコレ。


「いんや、人間かって言われるとまぁうん。 うぃー」


 そんで口の端を軽く指で引っ掛けて自慢の歯並びむぃー。


「あんれま! すんげ綺麗な歯だべ! お客さ 亜人だべか」


「そんなもんそんなもん(適当)」


 お前は聞かれたらはぐらかすかなんかの亜人だって言っとけってすこぶる教育されたからねお髭様に。


 閑話休題。


「はえー。何の亜人か自分でわからんだべか、見たところ半分魚か巨人ぽいでな」


「別に困ることじゃねーしなァ。ところで名前聞いても? 俺はタマ」


「私はラケルタって言うんだべ。しばらくよろしくお願いしますべ。タマ様」


「様なんて付けられる者じゃねえよ。むしろそう呼ばれると俺の方が気に入らねえ」


「そうだか? んだらタマさ。 でもいいべ?」


「おーけーおーけー。 それでかまいやしねぇよ、こっちこそよろしくな。ラケルタさん」


 “ん”が無くなっただけなんだけどもニュアンス的に“さん”みたいなもんじゃろ。多分ね。


 カム便に俺以外乗るメンバーが居るらしくて、ラケルタさんと話しながら待ってる次第。


「ほんでこいつたちの名前は右に繋がれてるのがレキ、左の方さリンつーんだ」


「ケー」 「ケケー」


 なんつーかちょっとした大型車並の大きさだから蜥蜴って言うより恐竜よなコレ。 刺々しいのもあるし。


「触ってもいーかー?」


「大人しいから暴れはしないように教えてはいるだが、2匹とも初めての人は嫌がるだ……ほぇ!?」


「おーしおしおし、ちょっと大きいだけで可愛いもんじゃんかよ」


「ケ〜」 「ケケ〜」



 ――――その頃のシンシア――――


「ハッ!? 今姐さんに可愛がられてる奴が居る気がする!」


「多分気の所為だからお主は寝ておれ。客が何事かと見ておろう」


「いやほら姐さんアンテナが!」


「十中八九それは寝ぐせだと我は思う」


 ――――


「は~……珍しいこともあるもんだなや。初対面でコレはすげーべよ、タマさ魔物使いの心得あんだべか?」


「いや? こういうのは裏で絶対的に此方がボスだと主張して受け入れたなら相応に可愛がってやるのが個人的なコツだと思「おー! カムプス・ランナーが本当に馬の代わりになってるじゃん!」

 

「こんにちは御者のお姉さん。正午発のカムプス・ランナー便は此処で合ってますでしょうか?」


「オサヒデうるさ……」


「だってよパピルス! ランナーっつたら魔国側にしか生息してない魔物なんだぜ!? そりゃ珍しいさ!」


 こちら側に向かってくる3人。

 オサヒデと呼ばれた青年は赤い短髪で快活そうな印象を受ける。

 背中には細身のやや反った剣を装備しているが、その得物は背負うほど大きい。 “野太刀”と呼ばれる物であろうか。


 タマを御者と間違えて声を掛けるは特徴的な整った顔立ちにピンと尖った横に長い耳、澄んだ海のような蒼の瞳、絹糸が如き金色の長髪。 所謂(いわゆる)エルフと呼ばれる者である。

 武器は背負っておらず何処かに隠し持っているのだろうか?


 パピルスと呼ばれたオサヒデを(たしな)めた少……幼女だコレ。

 彼女はともかく気だるそうにしており、服装も黒一色で暗い。

 そして何より目が死んでいるのが暗さに拍車を掛けている。

 武装は特に見当たらない。



「おー! 来たべ来たべ! 連絡貰った通りのヘンテコな3人組だべな。間違いないべさ」


「あ、この人たちがラケルタさんの言ってた俺と同じ予約してた人? あ、そんで俺は御者じゃないです。 こっち側の蜥蜴人(リザードマン)のラケルタさんがカ……カム便の御者。 んでわちきは客」


「あ、そうでしたか。これは失礼いたしました、私森人種(エルフ)のフォルン・スマシュと申します。えーと……」


「俺タマ。 種族は人。半分巨人だったり魚人だったりするかもしれない(むぃー)」


 半魚人? 半巨人? うん。 混ぜた発音できないんでハーフ&ハーフで良いです。 ……ピザかな?


「まぁ! 珍しい掛け合わせの亜人ですね!」


「うおっ! 胸と身長でけぇ! スマシュとパピルス何人分だコレ!?」



「「……死ねっ!」」


「ウギャーッ!?」


 デリカシー0発言をしたオサヒデ。次の瞬間彼の首目掛けて女性2人による前後同時ラリアットが炸裂。 彼がマスクを被っていたら確実に剥がされていたことだろう。



「おーすげ。ク()スボンバーやんけ」


「……お客さ、死んでねぇべさ?」


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