表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
3章 家に帰ろう 寄り道腕自慢大会編
107/202

90ネキ ネキ崇拝力を高めよ

 前回のあらすじ




 初期段階ではふっつーのキャラとして登場する予定のルメール。



 尚、現在版権キメラ(ア〇ト)と化した違う方向でやべー奴になった模様。


 基本全部初見殺しのくせに慣れた頃に違う初見殺しを混ぜてくるボスキャラだったら、ブッチギリでヘイトを集める仕様の奴。



 ――――



『さーさー突如変身して真の姿を現したバルバロ選手! ソレをタマ選手は意に介さず真っ向勝負! バルバロ選手が派手に転倒させられましたが、特にダメージは無い模様! それからお互い距離を取って様子を見ています! さぁ、仕掛けるのはどちらからなんでしょー!?』



「クッソ! 無敵二ナッタ筈ナノニ、何ナンダ此奴ァ!」


『おっとバルバロ選手猛ダッシュ! 先程よりも速い!』


 先に仕掛けたのはバルバロ。 叩きつけるかのような打ち下ろしで渾身の右ストレートが炸裂。 砂埃が舞い散るほどの拳圧、何かが潰れるような嫌な音が響き、観客はタマが潰されたものだと思ったが、予想は裏切られる。


「オ、グオォォォォォォ!?」


 砂埃が晴れて観客の目に入ったのは、ひしゃげた拳を空に向け、左手で右手首を掴んで痛みに悶えていたバルバロと、両手をポケットに突っ込んでやや猫背で不敵に微笑んでいるタマであった。


『な、なんと!? 我々の目に映るは苦悶の表情でのバルバロ選手と不敵に笑うタマ選手だー!? 何がいったいどうなった! と、思っている皆様のためにいつもの記録映像! 超低速再生された映像をご覧くださ……ええっ!? これは、これは! タマ選手()()()()()()()()()()()()! 迫り来る拳を振りかぶっての何の変哲もない頭突きで迎撃! そのまま拳を粉砕だーっ!? 先日の試合でも頑健っぷりを披露していましたが、まさかここまでとはーっ! これもうこの人どうやって倒すんですかね!』


「拳骨はデコで返すのが礼儀だよなぁ!」


「オグゥ……ナンテ硬サシテヤガル……化物メ……」


 あ、ハイ。 牛おじさんの自業自得なのに、なんか俺化物言われたんですけどぉ?


 ファンタジーな現世に置ける化物の定義とは何ぞや? 外見的な物か? 内面的な物か? 色々個人差があると思うので俺に関しては人間慣れる生き物なんで外見的な物では判別不能。


 これ以上は哲学になりますんで、明後日の方向にぶん投げて1人脳内会議を終了させていただきます。


 まーアレだ。アパートの隣人の見た目が形容し難い生き物でも毎朝のゴミ出しの時出くわして「あ、おはようございますー」なんて会釈しながら言われてたらそのうち慣れます。 慣れない? 慣れろ。 でFA。


 閑話休題。



「じゃあ一発殴らせてあげたから今度は俺の番ね!」


「簡単二食ラウカヨッ……グワッ!?」


 目の前に飛び上がったタマの攻撃を驚きながらも仰け反って躱したバルバロ……と、思いきや結構な衝撃波を伴う猫騙しが眼前で炸裂。 これには思わず無事な方の左手で顔を覆い、怯んでしまう。


「やっぱ猫騙しは効くなァ!」


 そりゃあ顔面に衝撃波を浴びせられたら誰だってたまったものではない。 怯まないのは彼女だけなんじゃないだろうか。


 彼が怯んだ隙にガラ空きのボディに見様見真似のフリッカージャブ。 ジャブとはなんぞやと言わんばかりの威力で腹にめり込み今度は前のめりに悶える忙しい(可哀想な)バルバロ。


「グボッ……! ウ、ウオオ!?」


「背後と股下がガラ空きだぜ!」



 腹に悶絶パンチを貰えば当然背後も糞もないが。

 サッと背後に回り込み、股下に頭を入れ肩車のようにバルバロを持ち上げてそのまま仰け反り相手をフィールドへと叩きつける。

 ジャパニーズオーシャンスープレックスホールドとも言う。

  腹パンの際に前のめりになっていたのが幸いしたのか、頭ではなく背中を強打しただけで済む。(当然悶絶ものだが)


『タマ選手、地味ながらも確実にバルバロ選手を追い詰めるラッシュ! そして豪快に持ち上げてからの投げ技ーっ! 最初のバチーン! ってなる攻撃は私もちょっとビクッ! ってなりましたのは内緒です!』


 強かに背中を打ち付けられて大の字に仰向けになるバルバロ。

 何とか残っている意識で横を向く。

 あ、もしやこの流れは……


「殺しゃしねーよ。多分めっちゃ痛ぇーだろーけど」


「待ッ……」


 アッパー気味の腰の入った張り(ビンタスイング)により宙を舞うバルバロ。

 首が繋がっていたのは頑丈な魔物の身体だったからか、はたまた、まぁ加減()したからだろうか。


 打ち上げられて落下した彼に既に意識は無く安全装置たる結界が角から解除され消え、決着が付いたことを報せる。


『き、強烈な打ち上げ~ッ! バルバロ選手の巨体が宙を舞うーっ! 受身も取れず落下したバルバロ選手! と……結界が解除された……ということは決着! 決着です! 圧倒的パワーを上回る更なるパワー! 今年の大会を征したのは予選から決勝までひたすら力で押し通した彼女に決まりました~っ! 怪我ひとつ無く優勝とか今年の新人ヤバいですよ! 本当に今年Bランクまでの大会なのかって感じでしたね! それでは皆様、決勝で変身するというサプライズをしてくれたバルバロ選手に! ソレを真っ向から打ちのめしたタマ選手の両方に盛大な拍手をっ! ……あっ。今報告入りました、バルバロ選手のお仲間、確かに各所で騒ぎを起こしていた模様ですね。当然騎士団の人たちに鎮圧されましたらしいです。 大変申し訳ないですがお上りさんでない限り此処で悪いことしない方が良いと知ってると思いますよ、はい。立場上割と容赦無い面子多いですからね、はい』


 イエーイ! どーもどーも。 やったぜコレで賞品のおやつは俺のモンよ! ……あっ! そういやまだリリーさんからオリハルコン原石貰ってねえ! ……そのうち貰いに行こ。


「優勝おめでとうございます! タマさん! 優勝賞金の金貨300! どう使いますか!?」


 アンジュが放送席から転移し、さっそく優勝者へとインタビューを行う。


「え? 賞金出んの?」


「そりゃ出ますよ! 気前の良さがウリなんですよ、毎年の大会」


「俺賞品欲しさに参加したクチだしなぁ……」


 ポク ポク ポク ポク チーン。


 顎に手を当てて考えていたタマだったが、ふと閃く。


「アンジュさんさぁ……」


「はい? なんでしょー?」


「賞金……今此処で全部バラ撒いたらカッコよくね?」


「え? はぁ……え!? 本気で言ってるんですか!?」


「おうよ。俺は賞品貰えりゃいいし、そんなに貰っても使うか分からんしな! 派手に使わね? 賞金分飲み食いタダとか」


『……皆様、今の聞きました? この人頭絶対おかしいですよ? 確認ですが冗談では?』


「頭おかしいとか失敬だなおめー。こう言うのは誰だっていっぺんやってみたいもんだろが……やっぱりやめる?」


『いえいえいえいえ! 滅相もございません! それでは会場の皆様! 大会の締めとタマ選手の豪気っぷりに感謝して吼えて締めましょう! せーーーーーの!』



『『『うぉぉぉぉぉぉおおおおーーーーーーーーッッ!!!』』』


 街に響くほどの歓声にて、今年の腕自慢大会が終了を告げられた。



 何処の世界でも奢りはテンション駄々上がるものである。







 ――――おまけ――――




「……ハッ!? 今オイラの姐さんがめっちゃカッコイイことやった気がする!」



「……先程まで寝転がっててスライムの如く溶けてたのにいきなり起きたと思ったら何を言い出すのだ」


「は!? アルドおめーわかんねーのかよ!」


「うーん……全然我には感じない……気のせいではないか?」


「かーっ! コレだからドラゴンは!」


「……我はなんで貶されてるのか全然分からん」


「良いか? まずは姐さんを崇め崇拝力を高めて…………


(あっコレ長くなるな。我でも読めた)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ