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ハガネキ 〜彼女はメタルでハガネのやべー奴〜  作者: 爆散芋
3章 家に帰ろう 寄り道腕自慢大会編
101/202

番外ネキ 奴隷商潜入拠点崩壊編(中その3)

 前回のあらすじ


 Q 牢屋から牢を取ったら何になりますか?



 A 屋……ですかねぇ。



 建物を食い荒らす白蟻系主人公、他に居ないのでは?



 ――――



 俺、前世含め目が合っただけで漏らされるのは初めての体験。


 ……は? そんなに怖いか? ぷりちー極まるだろが。


()、替えの服」


「はい。()()()


 二つ返事でヨシヒコは手際よく彼女へと新たな服を渡し、背を向ける。


「もう少し物色してくるわ。……何かあったら呼べ」


「あ、姉さん。行く前に牢をお願いします」


「ん」

 

 くるりと戻ってきたタマは蜥蜴人(リザードマン)の娘(以下リザ子)が捕らえられている牢を事も無げにぐにゃりとひん曲げ、足早に去っていく。


 腰を抜かしていたリザ子だったが、それを見て今度は目を点にして声も出ないほど驚いた。


「これで外に出られますよ。濡れてしまった服は部屋の隅に投げていただいて結構です。それでは僕は後ろを向きますので、お着替えが終わりましたら声をかけてください」


「あ、ああ……」


 固まっていたリザ子がヨシヒコの声で正気に戻りそそくさと服を着替え、


「……終わったよ。恥ずかしいとこ見せちまったね」


「何のことでしょうか? 僕は食事と着替えを渡して()()()()()()()()()()()()()


「……そうかい、ありがとうよ。そんで、アンタの姉さんにも後で謝らせてくれ。助けに来てくれたのに怖がっちまったよ……申し訳ねぇ」


「まぁ、姉さんも怖がられるとは思ってなかったでしょうし、僕もついていきますよ」


「ああ、とても助かるよ」


「それでは、ついてきてください、外に出ましょう。先程も言いましたけど皆さんは眠ってるので起こさなければ堂々と外に出られますよ」


「……よくわかんねぇけど、アンタ凄いんだな」


「ありがとうございます」


 ヨシヒコが感謝の言葉を返すのと同時に、パチン! と指を弾き部屋の隅に投げられていた洋服を一瞬で跡形もなく灰に変えた。


「……気遣いもできると来た。魔法も半端ない腕だね……」


「火の魔法だけは得意ですから。さ、出口は此方です」


「ああ」


 ヨシヒコに連れられて徒歩で外へと向かう最中、見張りやら何やらがぐっすりと本当に寝ているのを見て、改めてヨシヒコの実力を認識して感心する。


「……本当に何奴も此奴もぐっすりだよ……こんだけ牢があるのにアタイだけ捕まってたのかい?」


「推測になりますけど、今からが増え始める頃だと思います。貴女が最初の被害者になったのだと」


「なるほどねぇ……アンタたちどうやって此処に?」


「簡単なことですよ、実際に奴隷の格好をして買われて此処まで来ました。……まぁ、慣れないことでしたが」


「格好? じゃあ首輪も偽物? よくバレなかったね」


「あ、いえ。 本物の首輪を付けてきましたよ。僕は自力で解呪できるので……」


「ほぁー……世の中にはとんでもない奴がいるもんだねぇ……(遠い目)」


「姉さんは力で外しますけどね……」


「ば、化け物……(ガクブル)……そういやアンタの姉さんと合流しなくて良いのかい?」


「姉さんにはこの“共鳴りの鈴”で合図してますので自分で脱出すると思います」


「……アタイのこと気遣ってくれてアンタの姉さん別個に行動してんだろ?」


「……そんなに姉さんって怖いです?」


「アンタは見慣れてるだろうけど、アタイから言わせたらアンタも相当だよ? 今まで魔国の何処に居たんだい?」


「まぁ、ややこしくなるので詮索は無しだと助かります」


「……そうさな。助かっただけでも奇跡なんだ。詮索はしないよ。すまないね」



「ありがとうございます。……そろそろ地上への階段ですよ。それで貴女へのお願いなのですが、近くの村に()()()()()()()()()()()()()()()()()ので、先程まで捕まっていたと助けを求めに行ってください。そしたらすぐに貴女は保護されて騎士団が此処へ押し寄せるでしょう」


 ニッコリと言い放つヨシヒコを見て、リザ子はさすがにこれからの流れを察する。


「解った。アタイは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」



「はい。……せやぁッ! ……ふぅ。 切れるもんですね、門って」


 気合いの入った掛け声一閃。 魔剣ジカビヤを(本来は・キ まで名前の一部であるが語呂的に省略)居合抜き、人が通れるくらいの穴を作る。


「……剣も凄いと来た」


「あまり良い物ではないですが武器もお渡ししますね。それでは、お願いします」


「任せときな。……これは貰っても」


「粗品ですがどうぞ」


「そうかい。遠慮なく貰うよ(めっちゃ良い剣じゃないかコレ?)」



 武器を受け取り闇夜を駆けるリザ子を見送るヨシヒコ。後は早朝に騎士団が到着すれば準備は完了である。


「……タマさん、出口解りますかね?」


 ちょっと心配になってきて砦を見つめる彼であったが、当のタマはと言うと─


「あっるぇー? 出口何処だったけ? ……お? 何だこのでっけー柱。良いもん使ってんなぁ? タマさんジャンプ! 上部分カット! 音なく着地! そして這うように下カット! うーん俺ビーム使いプロってるわ〜。そーしーてー! 突撃お前が晩御飯!(回収タックル) ……さて、多分逆だろうし良さそうなおやつ採れたから戻るか」



 結構ハッスルしていた。 ちなみであるがタマが抜いた柱。


 砦の大黒柱的な石柱であるのだが……勿論タマは知らない。


 ヨシヒコも、知らない。

※お知らせ



文章の中に “騎士団が押し寄せる” と有りますが、修正前は “岸田が押し寄せる” でした 。(修正済み)


意図しない誤字となりましたが、なんかおもしろかったのでネタとして採用し、話がねじ曲がります。 御迷惑おかけしますが、何卒ご了承ください……

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[良い点] 岸田が押し寄せる!?民が税に苦しむ()
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