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10/202

10ネキ  ランクとトゥース。

  前回のあらすじ。 



  冗談は程ほどにしましょう、場合によってはハンマーが飛びます。


 ――――





  さ〜てさて、今日も別段特にやる事がないのでイスに逆座りをし、腕組からのアゴ乗せで完全にくつろぎモードにて近くに居るガンテツの仕事を眺めている。  


  いやぁ! やることが特になくてのんびり過ごすってのは最高だな! 腹が減れば飯を狩りに行くし、のびのび風呂敷(命名適当)でめっちゃ包んで持ってこられるしどっちかって言うと供給過多なんだよね。 



  そんなこんなでいろいろ聞いていたりして過ごしてたりする。  



  そういえば冒険者云々(うんぬん)ガンテツが言ってたけどなんぞって聞いたら “仕方ないなぁ……“ って感じで教えてくれた。 

  見た目の割に意外と面倒見良くて優しいとかなんだこのヒゲ。おっさんのツンデレは全然嬉しくないぞ。 


  おっとそれは関係なかった。 話戻そう。 



  基本、冒険者はランクが有るらしくて 

  G が登録したばっか


 F が駆け出し


 E がそこそこ


 D が一般人から見たらかなり強い


 C が普通 大体皆ココ


 B が一般人から見たら充分超人 


 A は英雄とかかなりの有名どころ みんなの憧れ


 S もう人間やめてる。まず居ない。単身でドラゴン狩るとか頭おかしいのばっからしい(ガンテツ談)  



  へー。 割とどこでも見るようなランク分けになってるんだね。



  んで、ついでに魔物にもランク分けされてるらしくてこれも聞いてみたんだよね。


 野良の話であってダンジョン内のは出てこられないから(基本)ダンジョンの危険度とはまた別とか何とか。



 G 野生ゴブリンや最下級スライムなどの一般人で頑張れば追い払えるくらい。


 F 野良ゴブリンリーダー とかはぐれ狼とかちょっと強くなったけど、冒険者なら狩れるくらい。村人には無理。


 E オーク単体とかウルフ系複数とか駆け出し冒険者が複数いて倒せるくらい。D冒険者なら普通。


 D 此処から明らかに魔物が強くなる。 1匹に対しD冒険者複数人で安全に狩れるくらい。


 C かなり強い。 C冒険者複数人での狩り推奨。 油断してはいけない。 


 B ヤバいよやばいよ!! すぐに腕の立つ者集めて討伐推奨。 


 A S~A冒険者緊急招集案件。町が無くなる恐れ。


 S リヴァイアサンとかフェンリルとか俗に言う伝説の生き物。 居るかどうかわかんない。 

 現在確認できてる個体に関しては住処から動く意思がない(刺激しない限り何もしてこない……らしい)  



  ランク上がるほど知恵が上がるみたいで、意思疎通できる個体もおるんやと。  


  ちなみにみんな大好き(?)岩男君ストーンマンは“付けるとするなら” G~B だってさ。  


  なんでそんなに低いのにBまで上がるの? って聞いたら、そもそも攻撃してこないし、話通じるから魔物っていうよりは限りなく亜人に近い魔物なんだってよ。つーか亜人。 


  ただし子供が襲われると、その巨体とパワーを発揮して撃退しに来るからBまでって話ぃ。


  そいでこないだ飲んだヤドカリ汁(お酒)は“隠者の雫”って言うらしく、ガンテツたちドワーフの国でも人気の種類だそうだ。 

  たーだーし、討伐(体も何かしらの素材になる)するから1個体に付き一回切しか取れないし、大抵討伐の際反撃で吹いてくるから量がかなり減るのもあって危険度の割に高級らしいよ。 

  んで巣に20m級の主おるでって言ったらちょっと引いてた。 

  ガンテツの予想だとそこまで大きかったらA+くらいあるんじゃないかって言ってた。 


  まぁ確かにあのデカさと質量なら砦と叩き潰したりハサミで退かせたりするからよく考えたら割とアイツ強かったんだな……  


  ただ蟹君は完全に俺のおさ……友達と化したからもし狩られるようなことがあったら助けてやろう。

 お酒は尊い。  コレ宇宙の真理。  




 んで、ガンテツもAっていうかなり高いランク何だけど自分で素材取りに行ってたりしたらいつの間にかAまで上がってたみたいな。

  その頃には鍛冶の腕も上がってほぼ自分では取りに行くことが無くなったからAで止まってるって聞いた。

 ま、 本人はあくまで鍛冶ができればいいからどうでもいいらしい。




  そんなこんなでのんべんだらりしつつ数日が過ぎた。  



  そんなある日、ガンテツがいつもと違って槌を握らずに、うんうんと唸っていた。 



「どった? ガンテツ?」


「なんじゃタマか。どうしたも何も仕事にちょっと詰まったんじゃよ」


 その呼び方はすごく日曜の魚介類家族の白猫感が凄いのでやめてほしい。

  表だって指摘はしないが。


「まぁ、そうだろうな〜とは思ってたけどさ、何が問題なん?」 


「あーそうじゃな……お主にもわかりやすく説明してやるとな、持ってきた魔物の素材が思ったより硬くて、持参道具と此処に置いてある道具じゃ切削加工できなくて困っとるんじゃよ……

  はぁ……道具取りに戻るのがしんどくてのぅ。何とかならんもんじゃろか……」  


「へぇ、そんなに硬いんだ。ん? 最硬とか言ってたオリハルコンの道具とか持ってないの?」


「あるにはあるんじゃが……一点物で、その道具でも削るのがしんどくてな……ついでに道具の方も削れるんじゃよ。じゃが、ちと勿体なくてな……はぁ〜めんどくせぇのぅ……勿体ぶってても仕事は進まん。また作ればええでの」


「ほーん。……ふむ……なぁ、硬くて物を削れそうなモンなら何でもいいの?」  



「あ? そんなもん此処付近の火山にそうそうないじゃろ。有ったら今すぐ欲しいわいそんな物」



「いや、あるよ。俺のぬけた “歯” が」  



「はぁ? “歯” じゃとぉ? ……いや、待てよ……お主そういや普通にモリモリバリバリオリハルコン食っとったの? どれ。 その “歯” っての見せてみろ」 


「はいはい。 確か記念にとってあったはずー……たしか、戸棚の所にぃ……あー、あった。ほい」 




 そう言ってタマは瓶に詰めてあった沢山の己の歯の中からおもむろに一つ、つまんでガンテツへと投げ渡した。


 そもそもなんで俺が歯なんて取ってあるかつーとな、岩男君たちが脱皮する周期と同じで俺にも変化があったのよ。  


  それが、歯の生え変わりってワケ。 


  生え変わりっつても、なんか口の中がむず痒いぃなと思って適当に口の中いじってたら、抵抗もなくスポッとぬけてニョキッっと歯が生えてきたんよ。 ロケットペンシルか俺は。  

  そもそも生え変わらなくても虫歯の1本もなかったのだが。  

 ほんで捨てずにとっておいた理由なのだが、歯の形がちょっと特殊だったんだよね。 


  生え変わるまで全然気にしてなかったからね、俺の歯には臼歯が無い。

  ぜーんぶ前歯から奥歯まで犬歯のような歯だったのよ。 


  平たく言うと俺はギザ歯やんね。

  確かに今まで噛み砕く。って感じじゃなかったな…… 


  そんな感じでぬけた割には白くて形も揃ってて綺麗だったのでなんか取っておいたのだが……まぁ勿体ない病ですねはい。

 下手に瓶の中でシェイクしようものなら瓶が摩耗して穴あく危険物っすよ。





「ふむ? ほうほう? ……おお!? おほっ!! こりゃすごい!! 擦り付けるだけでバターみたいに食い込むわい! タマ! もっとあるかの!?」 



  なんかガンテツのおっさんが凄い興奮してこっちに歯の催促をしてくる。 

 世の中何が役に立つか解らんもんだなぁ……


「ほいっ、全部あげる。でもそれどうすんの?」 


 瓶ごと投げつつ用途を聞く。



「おっほ! こんだけありゃ十分すぎるわい!! ちょっと見てろ。こうするんじゃよ」


  見てろと言ったガンテツは、自身の一品物のオリハルコン製のヤスリを炉に入れ、加熱。

  そして加熱し終わり、紅く赤熱したヤスリに俺の歯を綺麗に乗せ、金槌でヤスリに軽く打ち込みつつ綺麗に並べてゆく。


「後は接着用に……接着龍(ボンド・ドラゴン)の唾液と……ワシの魔術で溶接して再度焼きなおせば……ほれ。完成じゃ!!」 



 パーパパーパパーパパー!!(某大百科音)


 俺の歯ヤスリの完成……らしい。  ちなみに自分の体の一部や自身に関係するものには鑑定が効く(つーか普通の鑑定で詳細が出なかった)というのが最近分かったので、チラッとその出来上がったヤスリに自身鑑定をかけてみた。



 ――――――

 タマ歯ヤスリ 「カミスリオロシ」 

 RARE ー


  国宝鍛冶師のガンテツが、自身の愛用するオリハルコン製のヤスリに手を加え、さらなる高みを超越した一品。 その切削力たるや、オリハルコンすらもバターの如く擦り落とす。 


(っていうかコレ超凄いっすよ先輩!! こんなのポンと生み出せる先輩の先輩ってマジカっけーすね!! うほぅ!)


 ―――――――




  新事実発覚。

 鑑定神さんと創造神さん別の存在だった。

 しかもなんかパリピな感じでめっちゃ鑑定内容に軽いコメント入ってるっすね。


  創造神(後輩)さん頭痛そう。   


  問題の俺?


 クレームはTS神にメールでもハト便でも矢文でも、送ってどうぞ。 俺は好きに生きるってスタンスなんで知りませーん。



「おほーっ! おっほーーー! こりゃ作業が馬鹿みてぇにはかどるわい! 助かるぞ! タマ!」



  なんか向こうでもの凄くテンションが上がっておっほおっほ言いながらゴリゴリ素材削ってるおっさんが居るけどまぁ役に立ったようで何よりでござんすね。  


 じゃ、俺は……



「テンション高いとこ悪いんだけどさー、おやつにミスリル銀食べに来たんだけど盗っても良さげ?」



「あぁ!? そこに置いてあるワシのアイテムボックスから出して並べてあるヤツがソコにあるじゃろ! 好きに持ってけ! ワシは作業に戻る! さーて! 遅れを倍にして消しちゃるわい! おっほー!」  



 やったぜ。 思わずコロンビアの構え。


  世の中ギブ&テイクでwin-winで幸せなのである。  


  向うは仕事が進む。俺はおやつが美味しい。完璧な算段だな。(偶然





  あんまし食べ過ぎると怒られるからほどほどにしなきゃねー、俺は学習するのだ。


  体形変化しない体ってサイコー!!(体重が変わらないとは言ってない。そもそも増えてるのかも知らん)  



  ちなみに生まれて今まで一切排泄行為をしたことがない。

  なんか全然出したいとかそういったことが無いのだ。

 完全分解でもしてるんかね? 体の中で。 


  あっ、あれか!  解ったわ俺。   


  俺きっとアイドルかなんかなんだわ、だから排泄しないんだ。 


  なるほど? 謎が解けた。そうと解ればさっそくおやつタイムの続きだ!!



  金平糖感覚でミスリル銀とやらをムーシャムーシャ、ついでにガンテツの持ってきた荷物に紛れてるお茶を勝手に淹れてずずいと流し込み、ほぅと一息。

 のほほんと今日の午後も過ぎてゆく。 



  いーやー。 この世界にお茶持ってきた奴最高かよ。 心が落ち着くわー。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 瓶いっぱいのタマハの歯‥重量大丈夫なんです‥?
[一言] おやおや、タマ歯ヤスリにかっちょいいお名前ついた。あれ?もとからでしたっけ?
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