1話目
満月の夜ーーー
曇り無き夜空の下、白い服を身に纏った男が次々と屋根の上を駆け越していく。
町並みを眺めようとせず、ただ一心不乱に走りーー焦っている。
とある場所についた頃には息が切れていた。
ただ呆然と建物を眺め、唖然とし、息を整えーーーー
「おっそおおおおおおおおおい!」
「..........え?」
唐突に現れた美少女警察官、どうやらここであっているらしい。
ここはビトーリア警察署ーーーという名前で通っているが、地下には牢獄が存在するいわゆる監獄。噂では、過去1人しか脱獄が出来ていないとか........
「...........ちょっと!無視しないでよ!」
「あぁ、悪い」
暗闇で彼女の姿ははっきりと確認できない状態だったが、彼女が近づくにつれ様相が明らかとなった。
小柄で細身のあるからだであり、何より可愛い。そう、可愛いのだ!だが、その可愛いさをより引き出しているのが、妖艶の如く艶やかさを感じさせる黒い髪であろう。
「今日から配属される事になったデホォード・ライム・カイです。よろしく。」
ぎこちなく敬礼。
「私は犯罪者対策本部の機動部隊隊長を務めるアルケル・ミリヤだ。よろしく頼む。まずは警視庁長官に挨拶を」
「はい、あっ........」
隊長さんが踵を返そうとした時、段差に躓いてしまい彼女の肩に掴まってしまった。同時、二人一緒に倒れてしまいーーーモコモコと.........
「えっ..........」
彼女の矯正が耳に入り、状況が把握出来る。どうやら僕は、胸を揉んでしまったらしい。
不可抗力で揉まれた彼女が紅潮とし、それに見とれて呆気に浸った。可愛いとーーー
「あっその、悪気は」