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あまりに不幸な生い立ち。それは地獄に生まれ落ちたようで…

 光明は、第1次オイルショックでトイレットペーパー騒動で世の中が揺れている、1973年秋にこの世に生を受けた。



 母は、20代前半から精神疾患を持っていた。大学生時代に担当教授に片思いをし、振られ、失恋のショックから気がふれてしまった。



 光明の母は、彼が小学生のころ、病状が悪化した。大声でわめきちらし、近所には、『あそこの嫁はキチガイ』と、悪評がたった。母の両親、つまり光明の祖父母の手にも負えなくなり、精神科に強制的に入院させられた。



 光明は、小学生低学年のころから、『キチガイの子』のレッテルを貼られた。あまりにも冷ややかな大人達の対応、同級生の対応に、自身が気が狂わんばかりの社会的冷遇を幼少体験として持った。


 同級生の安秋の母は、そんな光明に慈悲の念を抱いていた数少ない理解者だった、今思えば。安秋の母は、安秋が『光明の母さんってキチガイなんだろ?』と質問したことがある。慈悲深い母は、『光明君のお母さんは、頭が良すぎたの』と苦しまぎれの回答を何度もさせられた。安秋は、小学生の頃からヤクザ肌であった。40代になった今は組の構成員だ。根っからの暴力団だ。


 慈悲深い母の思惑とは裏腹に、安秋は、光明をいじめた。『おまえの母さん、頭が良すぎたキチガイなんだろ!』小学生の六年間いい続けた。70年代80年代とはいえ、酷い話である。



 光明は、泣いてばかりいた。小学生時代は、スポーツも勉強も中の下。安秋という生まれながらのヤクザが近くに居たことも不幸に火の油を注いだ。

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