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亡国の剣姫  作者: きー子
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参、はかりごと

 ファーライト王国、王都ファルクス。

 その城下をはるかに見渡すことができる王城、ヴァルドル城塞。

 この城の新たな主となった男は、憤怒に顔を赤く染め上げていた。

「ふざけるなッ!!」

 彼は謁見の間で怒声を張り上げ、目の前にひざまずく男を叱責する。

 甲高い金切り声に理性の色はなかった。尋常ではない狂態である。相応の理由があるならばまだしも、一国一城の主にふさわしい姿では全くない。

 朱を基調にした壮麗な衣装を身にまとい、痩せた身体を糊塗するよう。その見かけは貧相ですらあるが、目だけが野心と欲望にぎらぎらと輝きを放っている。

 ──新生ファーライト王国国王、自称して"新王"。彼こそはルクス・ファーライト第一の王子、トラス・ファーライトその人である。

「栄えある親衛隊がなんたる無様だ! 小娘一匹も捕らえられぬとは、子どものつかいにも劣る醜態よ!!」

「……申し開きのしようも御座いません」

 憤怒をまき散らす王に対して、男は頭を垂れるばかり。顔を青くしながらも跪き、癇癪という嵐が過ぎ去るのを待つしかない。

 王の周辺を固める武官や文官からの視線はおおむね同情的だ。なにせ男の階級は"仮"親衛隊長──つまり、死んだ親衛隊長に代わって失態の責任を問われているのである。完全な貧乏くじだった。

「当然だ、そのような機会など与えるものか!! この失態、まさしく万死に値するものぞ!!」

 なおもトラスの怒りが冷めることはない。積年の恨みが晴らされると思っていただけに、期待をふいにされた失望感は大きい。

 怒るほどに憤怒の炎は燃え上がるようですらあった。このままでは行き着くところまで行きかねない。さすがに周囲の将官も焦燥するが、うかつに口を挟むことはできなかった。

 新王の癇癪に巻き込まれたくはない──という以上に、決して理由のない怒りではなかったからだ。

「親衛隊総勢で固めた結果が、これとはな────全く信用ならぬ。よくも私の期待を裏切ってくれたものだ」

 新王直参の親衛隊による屋敷の包囲。これにより、王の妾とその娘を電撃的に拘束する手筈だった。

 兵力など全く配置されていない屋敷である。邪魔が入るはずもない。実際、妾のほうはいたって簡単に捕らえることができた。今は処刑前とあって、牢獄で凄惨な拷問にかけられていることだろう。死よりも惨い苦痛を与えたあと、民衆の門前で晒し首にする算段である。前王を色に溺れさせた"傾国"の処刑。さぞ喝采を浴びせられるに違いない。

 だが、それだけでは半分だ。

 それこそが、トラス・ファーライトの激憤の理由にほかならなかった。

「小娘にしてやられたものなど、恥晒しもいいところではないか。どうしてそんなことになる? 全く理解しかねるわ!」

「そ、それは。おそらく、腕に覚えのある護衛がついていたのではないかと。あれほどの剣術が姫のものとは、とても」

「姫? 姫と申されたか、そこのものよ。民を虐げてきた逆臣の売女の娘を、姫と?」

「ひっ、も、申し訳ありませんッ! 大逆人ルクス・ファーライトの実娘、例え小娘といえども連座されるべき大罪人にございます!」

 トラスは怒りのあまりに震えてすらいた。間髪入れない追従になんとか気を取り直したようだったが、それでも平常心とは言いがたい。なんとなれば、末姫──大罪人──シオン・ファーライトは今もどこかで生きているに違いないのだから。

 なお、連座といえどトラス・ファーライトに限っては例外である。圧政を敷いていた父王を、肉親への情を殺し義によって討ち取った英雄。それがトラス、ひいては彼が率いる文官たちの描いた物語なのだから。すでに各地では、吟遊詩人などに偽装してのさかんな諜報活動が実行されていた。

「全く。それほどの護衛がついていたならば漏れ聞こえぬはずがなかろう、馬鹿馬鹿しい。第一、腕に覚えのあるものがあのような小娘に肩入れするわけがない」 

 トラスはあっさりと親衛隊員の言葉を一蹴する。

 だが、護衛か何かがいると考えなければ話が通らないのもまた事実。さすがにトラスも、屈強な親衛隊員が小娘(シオン)ひとりに不覚を取るわけがないと考えていた。そんなことがあるわけがない。決してあってはならない。

 トラスが思考に陥りそうになったとき、ふとそれを遮る声があった。齢五〇ほどの、老いた小太りの男。くすんで白色がかった金髪を横分けに撫で付けている。彼はトラスが幼いころからの補佐をしてきた男であり、新生王国では宰相の地位が約束されていた。

「陛下。現時点では推測に過ぎませんが、亡くなった親衛隊長らは凄まじく卓越した剣術で殺害されております。陛下の仰せられた通り、護衛の情報が無いのは全く不自然ですが、外から雇い入れた傭兵などなら可能性はありますぞ。奴らはどちらに正義があるかなど興味がありませんからな。金払いが続く限りは護衛を続けるでしょう」

「……なるほど。ありえることだ。いかにも下賎なあの娘のやりそうなことではないか。実に卓見だ、礼をいうぞバルザック」

「差し出がましいことを申し訳ありませぬ。つきましては、誰が隊を率いていても結果は変わらなかったのではないか、と私からは申し上げさせていただきますぞ。陛下、なにとぞご寛恕を」

 宰相バルザック。文官のトップであるこの男は、トラスからの信頼もきわめて篤い。癇癪持ちの彼が落ち着いて耳を傾けるほどのものである。

 トラスは瞑目してしばらく考えたあと、じっとひざまずいたままの親衛隊員を睥睨する。

「こたびは、許そうではないか。だが次はないと思え。私は貴様たちに、親衛隊に多大なる信を置いているのだ。そしてこれからもそうあってもらいたい。私の信用を裏切ってくれるな。なにせ国内には、まだまだ摘み取らねばならない芽が腐るほどあるのだからな──この国を根っこから崩す腐れた芽が」

「は……はっ!」

 親衛隊員は震える身体をどうにか立ち上がらせ、すぐさま敬礼の姿勢を取った。少しこわばっていたが完璧な敬礼だ。

 それを見たトラスは満足そうに頷き、退出をうながす。ようやく武官や文官からも安堵の吐息が漏れた。

 トラスの傍らではバルザックが萎びた顔に微笑を浮かべている。彼の頭脳は新生王国の立役者といっていいほどのもの。だが、周囲の風評はあまりよろしくない。

 彼がいなくなれば、まず間違いなくトラス王下での統治はまとまらないだろう。野心的な貴族や将の信任を得てはいるが、トラスに人望や王としての器は全くない。

 しかしバルザックはトラスの性根を根本的に改善しようとはしない。先のように場当たり的な最善の解決手段を持ちかけるだけ。いってしまえば、バルザックの望ましいようにコントロールしているようにも見える。

「さて」

 トラスは一言つぶやくと、周囲をゆっくりと見回した。この場には有力な武官や文官が勢揃いしている。千人単位での軍を率いる将軍もいわずもがな。いずれは万人という規模の軍を率いてもらうつもりである。

「先のバルザックの報告を聞いてもらっていたとは思うが、この件について、皆の者に意見をつのりたい──大逆人シオン・ファーライトに我々はどのように対処するべきか、と」

 つまらない怨恨は打ち捨て、後ろ盾もない小娘など放っておき、今は地盤を固めるべき。少なくない者たちがそう言いたげにしたが、あいにくトラスがそれを汲み取ることはない。実際に口にすれば、新王トラスは狂ったように激怒することだろう。

 バルザックが箴言すればトラスも耳を傾けるかもしれない。だがそうはしなかった。

「私としては、是非とも捕縛に尽力すべきと存じますぞ。なんとなれば、あの娘は先代国王があの女に誑かされた結果のもの。生かしておいては必ず禍根を残しましょう。いうなれば、あれは我が国の不和をなした象徴ともいえるものですからな。旧弊を断つという陛下の思し召しを強く喧伝するためにも、処刑は必ず行われねばなりますまい」

 間髪入れず、バルザックは王に聞こえのいい言葉を並べ立てる。他の武官らが物言いたげな視線を向けるが、歯牙にもかけない。

 時に厳しい意見でたしなめるようなことはせず、耳に心地よい甘言を並べ立ててトラスの心に巧みに取り入る。ゆえに、バルザックがトラスの傍から遠ざけられることはない。

 トラスはいかにも満足気に頷いた。

「そういってくれると思っていたぞ、バルザックよ。他には」

「陛下。捕縛と仰せですが、なにせ相手は小娘ひとり。護衛がいることを含めても、おそらく五人にも満たないでしょう。少人数であれば、とうに王都の近くを離れていてもおかしくはありますまい。その捜索はあまりに……手間と見合わないのではありませんか」

 バルザックの意見が支配的な気配を見かねてか、武官のひとりが意見する。

 王からの信においてバルザックに勝るものはいないため、真っ向からの箴言は難しい。ゆえにコスト面から再考を考慮するべきではないかと、そういう意図での発言だった。

 トラスは眉をぴくりと揺らし、顔をしかめる。だが大っぴらに怒り狂うようなことはしない。

 一理ある、と考えたのだ。実際に捕らえるためにはまず、シオンの足取りを掴まなければならない。子どもの足では移動距離もたかが知れているが、包囲を抜けられたせいで消息を見失ってしまっている。

 屋敷で抑えることができなかった以上、トラスに具体的な方策はない。どうすべきかと思考にふけりかけた、その瞬間だった。

「陛下。僭越ながら、私が独断で諜報隊のものに命じたところ、シオン・ファーライトの足取りを掴んだという報告を得ております。王都から幾分離れたところに、隠し通路の出口が見つかったようでしてな。そこからどこに向かっているかは推測するほかありませんが、おそらく亡命を画策しているのは間違いありますまい」

「な……」

 またもやバルザックが発言する。それも堂々たる独断専行の告白。これも陛下を思えばこそと、バルザックはかけらも悪びれない。

 武官の男が憮然とする。このままでは宰相の意見が通ってしまう。だがそれを咎め立てする道理はなかった。独断で兵を動かしたのは問題といえば問題だが、結果さえ残せば多少のことには目を瞑られる場合が多いからだ。

「それは真か、バルザックよ」

「は。抜け口の場所からして、おそらくは西──華陵帝国に向かっているのではないかと推測されます。今はその周辺に斥候をやり、捜索を続けているところです。妾腹の娘のことですからな、帝国に身売りを考えていても全くおかしくはありますまいぞ」

「……嘆かわしいことだ。だがそなたの言うとおりだな。戯けた売国奴め」

 トラスは苛立たしげに吐き捨てる。自らがクーデターのために帝国と共謀したことはすでに頭にない。王位を奪取してしまえば、後は全てが正当化される。

「お待ち下さい、陛下。なんとなれば、相手は親衛隊のものたちを何人も斬り捨てているのです。下手に手を出せば余計な犠牲者を増やしかねません。まずは前線の兵を退かせることを優先すべきではありますまいか」

 帝国牽制のために、と先代国王によって送られた軍団。トラスが王位についた今、彼らにはすでに撤退の命令が伝えられている。

 中には先代国王に忠実な指揮官もいるようだが、国許に帰れることを喜ぶ兵は相当数いる。そもそも命令に逆らうわけにはいかない。軍隊とはそういうものである。

 彼らが撤退を完了するまで時間を稼げればあるいは、と武官は必死に食い下がる。その間にシオンが亡命してしまえば、手を煩わされることはなくなるのだ。

 だがバルザックは横からそれを一蹴した。

「ご安心下さいスラル少将。無用に兵力を消耗するわけにはいかないのは百も承知。我々文官も、軍の困窮については憂慮しておりますからな。つきましては、私に提案がございます、陛下」

「存分に申してみよ」

 トラスは面白くなさそうに武官の男を見ている。それではシオン・ファーライトをみすみす国外に逃してしまうからだ。トラスも大軍の脚の遅さを知らぬわけはない。

「数で押し寄せても逃げられてしまうでしょうからな。先遣させている諜報隊も、戦力としては親衛隊に劣ると言わざるをえませぬ。つきましては彼らの脚を活かし、ほうぼうにお触れを出すことが肝要です。彼の者を捕らえたものには報奨を約束する、と」

「妥当であるな。私もそれは考えていたことであった」

 悪い手ではない。誰が捕らえようと、最終的に処刑できればいいのだ──失敗したとしても地方貴族の兵力を削ぐことができる。どっちに転んでも損はない。

 そのうえで、とバルザックは付言する。

「それでも逃げられる可能性はありますからな。万全を期し、少数精鋭の兵を遣わすのです、陛下。"魔剣兵"を動員する許可を、どうか頂戴したく存じます」

 その言葉を発した瞬間。文官、武官の別なく、城間がひそやかなざわめきに満たされる。

 魔剣兵。それは戦場における例外中の例外ともいうべき存在である。

 現在、歩兵といえばそのほとんどが銃剣と槍で武装している。剣の活躍の場はほとんどないといっていい。せいぜい護身用か、騎兵の旗印の代替品か。

 希少性でいえば魔術兵に近いものがあるが、彼らの役割は砲兵とおおむね同様だ。軍に組み込むにあたって差し支える要素はほとんどない。

 だが。

「ふむ……」

 トラスは思わしげに唸る。

 魔剣兵──魔剣遣いとは、いってしまえば"英雄"とでも呼ぶべきもの。一個人が一個部隊にも匹敵する傑物である。彼らにすれば、ただひとりで戦況をひっくり返すことも決して無理な話ではない。

 卓抜した圧倒的な剣技と、特異な力を有する超常の剣"魔剣"。例外なく両者を併せ持った魔剣遣いは、その数が国の力を象徴すると謳われた時代すらあった。

 戦場の主たる武器が銃火に移行するにあたってその傾向は縮小したが、それでも彼らを畏怖する声は少なくない。魔剣遣いを軽々しく動かすことも慎まれることが多かった──万が一が起こって彼らが死んでしまったら目も当てられない。

 だからこそ、トラスも安易に頷くことはできなかった。

「誰を向かわせるつもりだ、バルザック。彼らであれば賊の娘ごときに間違いはないだろうが、万が一ということもある。私としては、彼らを失うのはなんとしてでも避けたいのでな」

 現在、新生ファーライト王国が所有する魔剣は六本。魔剣遣いは五人いる。残る一本は担い手がおらず、現在は厳重に保管されている。かつての担い手は、先代国王ルクス・ファーライトその人である。新たな遣い手はまた探しだすほかにない。

「すでに話は通しております。ご希望とあらば、お呼びすることもできましょうぞ。先方は乗り気のようでありましたな」

 魔剣遣いのほとんどは軍において特例的な扱いを受けている。普段はどこの部隊にも所属しない。有事の際には臨時に適した階級と権限が与えられ、その超常的な武力を行使することが求められる。

 もっとも、近年は彼らが駆り出されることは少なかった。銃火器の登場も相まって相対的な地位の低下が起きているためだ。

 かといって完全なお飾りというわけでもない。技術的な過渡期に生じた一種の空白期間──今はまさにその真っ最中といえよう。

「時にバルザック殿。彼らを安々と動かすべきではないのではありますまいか。陛下が仰せの通り、討ち取られるようなことがあっては王国の威信にも関わりましょう」

 武官のひとりが発言する。元より傾きかけていた国の威信を回復するためにも、反体制側──トラスに就くことを選んだものである。

 王権の交代が速やかに達成されたため目論見はおおむね成功したといえる。が、国王が就任して早々に失態を犯せば全てが台無しだ。特に魔剣遣いを損なうようなことがあってはなおさら。

「私はこの問題を最優先すべき課題と考えております。しかるに彼らを動員するもやむなし。早期解決のためにも必要なことと思われますが、いかがですかな」

 バルザックはその言葉を一蹴する。

 さっさと片付いてほしい問題なのは武官らにしても同じこと。最善はそんなものは放っておくことだが、早期解決がはかれるならばそれに越したことはない。

 次善の策であることは否めないが、しかたがない。かくしてバルザックは反対の声を押し切り、伝令を遣いに走らせる。このようなこともあろうかと、件のものを事前に待機させていたのだった。

 程なくして謁見の間にひとりの男が入室する。現れたのは古びた軍服を身につけた痩身の男であった。

 年の頃は三〇ほど。身の丈は高いが、一見して武勇に長じるようには見えない。灰色の髪を全て後ろに流している。目は狡猾な銀狐のように細いが、瞳を覗かせれば蛇のような視線が見え隠れする。

 腰には時代錯誤的な長剣を帯びている。黒塗りの鞘と柄がひどく目立った。────"魔剣"である。

「魔剣兵グラーク・メルクリウス、参上仕りました。この度は若輩にお声掛けくださりまことに光栄。仰せ付かって下されれば、いつでも賊徒の討伐に向かいましょう」

 男──グラークは恭しく頭を垂れると、王の前で片膝をついた。

 トラスは鷹揚にうなずき、楽にするように命じる。そしてバルザックのほうに目をやった。

「このものの実力の程は確かか?」

 トラスの言葉に、バルザックは男の戦果をあげていく。記録は数年も前に遡るものがほとんどだが、華々しいと言わざるをえない戦果である。

 獲った首は数知れず。攻城兵器を待たずして城塞を開城させ、敵残党を完膚なきまでに叩き潰す。特に彼の"魔剣"の力は広範に渡るものであり、狙った獲物は一兵も逃すことなく剣の錆びにしたという。時に残虐と言わざるをえないその性質は、今回の仕事に実に適任であるように思われた──誤って殺してしまうことさえ無ければ。

 このとき、王の心はなかば決まっていた。武官らにもそれを止めるすべはない。

 トラスは自らの言葉をもって魔剣遣い、グラークに命じる。

「"毒操手"グラーク・メルクリウスよ。敵はひとり。シオン・ファーライト。王族に連なるものでありながら黒髪を湛える不和の娘。かのものを生け捕りにして我が方に連れてくるのだ──生きておれば身体のどこが欠けていようとも一切構わん!」

「御意に致しましょう。仰せ仕りました、陛下」

 グラークはまた深々と頭を垂れる。

 その口元に、ニヤリと深い笑みを湛える。まるで蛇のように脳裏に絡みついてくる笑み。

 事の成り行きを見守っていたバルザックもまた、ひそかにほくそ笑む。

 成功しても失敗しても、バルザックには損のない話だった。

 ────これからの時代に、一騎当千の英雄など不要なのだから。

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