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ブレイン・コード00  作者: 伊東英優
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プロローグ

世界が、ブレインシステムと呼ばれる人工知能搭載型演算装置に統率されてから、すでに1世紀が経とうとしている。

人々はこのシステムによって、毎日脳波を検知され、全人類が強制参加を余儀無くされるワールドランキングに名を連ね、自分が今人類全体のどの順位にいるのかを知らされる。

そのランキングは、会社の上下関係や、学生の入試にも用いられる。人としての甲乙は、数値化されたステータスによって管理されているのだ。

このシステムが導入されるに当たり、民族や宗教や政治家の間で多くの揉め事が発生し、時に戦争にまで発展しかけたという例もあったようだが、論より証拠とは正にこの事。システム導入から人類の上下関係は安定した。いや、正確には、上下関係がはっきりしたことで身分や地位の差が平等化したと言っていい。システムはその者の知力、体力、感情コントロール能力、全てを総合してランキングの元となるブレインナンバーを発行。そのナンバー順に並べられたのがランキングなわけである。

すなわち、裏取引やえこひいき、人種による差別がなくなったのだ。差別問題や紛争といったワードはすでに世界史のテスト問題に上がるほど、人類が「過去に」経験したものとなっている。

ブレインシステム…人類を安息へと導いた平和の象徴。その力が認められてからは、システムを敬う宗教まで出来上がった程の盛り上がりを見せた。誰もがこれを人類最大の発明と疑わなかった。しかし…


『今日、4月3日を持って、システムアウトから17年となりました。今夜のNOJでは、ブレインアウトから17年が経った世界を特集します。』


右耳にかけたイヤホンから、22時からのラジオニュース番組が流れ出した。新宿の香ばしい夜風に吹かれて物思いにふけっていた少年は、星の見えないただただ黒い夜空から視線を落とした。

「ブレインアウト…か…。」

イヤホンの接続されている小型端末「ライトフォン」を起動させ、ラジオのチャンネルを変える。ライトフォンは、昨年発売された最新型の携帯電話である。形状は半径およそ1cm、高さおよそ10cmの円柱で、そこに縦に幅数ミリに入った隙間から光の粒子が放出され、液晶を形成する。電源を入れてからタッチパネルが出現するタイプの端末は、これが3世代目となる。


この世界は残酷だ。

「ブレインアウト」。ブレインシステムに17年前、突如として発生したバグである。このバグによって引き起こされたエラーは、人類を再び争いへと手招きした。

【人を殺すとその人のブレインナンバーが自分に加算される】

最凶最悪なルールが世界に発信されて17年。人類はまだ、一つになることができていない。

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