おまじないのぎしき
なし
たくさんの
ひとの
ざわめき
いえのまわりを
かけまわる子どものこえ
みんな
がやがやしゃべっている
いえのなかでは
だいくさんや
せびろすがたの
おじさんが
だまってあたまをさげている
なんだかてんぽの
ゆっくりした
おんがくが
ながれる
しろい
かみたばが
さゆうにふれる
きょろきょろと
あたまをさげながら
こっそり
まわりをみたら
みんな
むずかしいかおをして
あたまをさげていたので
ぼくは
あしもとを
みながら
わらってしまった
そしたら
よこのパパが
ぎろっとぼくをにらんだので
ぐっとがまんした
そして
おはらいが
おわって
かんぬしさんとよばれるひとと
めがあったとき
かんぬしさんのめが
にこっとした
そんな
かんぬしさんは
いろいろとすることがあるみたいで
いそがしくて
ぼくたちは
だまって
かみさまのまえに
たっていたけど
かんぬしさんは
1かいから
2かいから
ちいさなおべんとうばこに
はいった
きれぎれのかみを
それぞれのへやに
たくさん
まいた
そして
かんぬしさんが
2かいから
1かいにおりるとき
みたことのない
はいているくつが
すべらなかいかとか
かんぬしさんの
ながいふくが
かいだんに
ひっかからないか
とってもしんぱいだったけど
ひょいひょいって
おりてきて
ほんとうにかみさまの
ようだった
でも
かっこうも
かっこうだったから
むかし
ママがねるときに
よんでくれた
はなさかじいさんを
きゅうに
おもいだして
また
クスリとわらってしまった
もちろん
パパにまた
ぎろっと
にらまれたけど
ほかにも
かんぬしさんの
あいずで
やねをどしんどしんと
たたいたり
みどりのはっぱを
かみさまに
みんながひとつずつ
あげたりした
そのとき
パパは
いちばんはじめだったから
きんちょうして
おまじないの
ぎしきを
まちがえて
かんぬしさんに
「2かいれいをしますよ」
とやさしく
ちゅういをうけていた
パパはこういうの
いちばん
きんちょうするから
でも
しきがおわったあとのパパ
うれしそうだったな
なし