おおやさんのゆめ
なし
おおやさんは
ぼくのいえが
たつ
きかいにと
まえから
じぶんで
つくりたかった
じぶんのにわと、
はたけを
おおやさんの
いえのとなりのあきちに
つくることにしたんだって
おおやのおじさんは
もってたすいとうの
むぎちゃを
ぼくに
「のめ」
といって
わたしながら
そのことをおしえてくれた
むぎちゃは
こおりがはいっていて
とてもつめたくて
おいしかった
おもわず
がぶがぶのんで
「おかわり」
って
いってすいとうの
コップを
おおやさんに
だしたら
くちをおおきくあけて
「ハッハッハアア」
って
また、あの
きもちのよい
わらいかたをした
そして、おおやさん
「ぼうずにおれのちゃを
ぜんぶのまれてしまうわい」
って
いいながら
うれしそうに
さっきより
おおもりでむぎちゃをくれた
のみながらきいたのは
おおやさんのはたけが
まちから
はなれたところに
あって
そこに
この
あたらしいにわやはたけを
つくるための
いしやら
うえきやら
つちやら
おいといたんだって
そして
ぼくのいえがたつことに
なって
このきかいにと
おもいきって
ながねんのゆめ
かなえようと
おもいたったんだって
「ぼうずのいえが
たたなかったら
にわやはたけ
つくらなかっただろう。
ぼうずに
おじちゃんのにわ
みせたかったのかもしれないな」
って
ぼぞっといって
おおやのおじさん
ちょっと
とおいところをみてた
なんだか
かなしくなっちゃって
ぼく
「でも
おおやのおじさんいえに
いけやにわ
あるじゃない」
って
おもわずいったら
「ハッハッハアア」
って
ひとしきりわらって
「あれは、
ひいじいさんが
つくったにわじゃ。
だから、
おれもじぶんのてで
じぶんの
にわをつくりたかったんだ」
っていった
なんだかわからないけど
おおやさん
すごく
かっこいいなって
ぼく
そのとき
おもった
なし




