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第拾漆章 血塗れの心

若干グロイのでお気をつけくださいませ。

 明るい日差しの下ゆめうつつ、あたしの中で記憶が蘇る。

 陽の光を浴びると金色に輝く茶髪が好きだった。名前と同じ色も好きだったけれど、光の加減で色味が変わる髪の方が好きだった。

 色は違ったけれど、少し癖のある髪質を受け継げて嬉しかった。一族では奇異の目に晒されたけれど、誇らしかった。

 あの夜を迎えるまでは…。

 燃え盛る炎が全てを呑み込んだ。鈍い鉄の匂いが充満して、絶えず叫び声が聞こえていた。赤黒く染まった世界、あの人は、あの人は、あの人は、父は!!母の骸を手に、私に刃をつきつけていた。何かの言葉を呟きながら。

 あの日を境に私は、宝という存在がだいっ嫌い。早く、無くなればいいのに。

 だから、椿、南雲家の当主姫。私は貴方の味方のふりをした敵なんだよ。


                   *


 歯車が真実を映し出す。ゆっくりと、ゆっくりと、壊れたように。

 「っあは、あははははははははははははは!!!!」

 闇に混じって飛び散る赤。ギラギラとした獣に似た目が狂気に笑う。

 肉片が辺りに飛び、四肢はバラバラに裂かれている。赤に染まった自身の手を愛おしそうに撫でたかと思うと、足りないと言わんばかりに更に色を染める。

 天使の王子と異名を持つ創太は、その光景に目を見開き幼い顔立ちを青ざめさせた。音の無い悲鳴を押し殺し、ひっしに意識を保つ。その脳裏に浮かんだのは、ただ一人の顔。

((ねぇ)!!)

 懐の携帯電話を震えた手で探す。早く、早くと焦る気持ちが油断を呼び、背後から忍び寄る気配に気づかない。

「!!!」

 突如、口を塞がれ引きずり込まれる。そこにいたのは―。


                   *



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