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審判の弾丸:ジャッジ・バスター

 ■審判の弾丸:ジャッジ・バスター



「……言われるまでもないわ!」


 ミチルの右手が、残像を残す速度で動いた。

 ケルベロスによって強引に「牙」を植え付けられたグロック17が、通常の火薬の爆発音を塗りつぶすかのような、異様な重低音を響かせる。


「ドォォォォン!」


 放たれたのは、もはや既存の弾丸ではない。

 ダイヤモンドに近い硬度へと変貌し、分子レベルで対象を押し退ける「バイオ・キネティック・ペネトレーター」だ。

 それは、先頭のスライサーを衝撃波だけで塵芥のごとく蹴散らし、奥にいたリーダー格の眉間へと突き刺さる。着弾したその瞬間、ボディ全体が分子レベルにまで爆散した。

 ジャッジの装甲すら凌駕する硬度と、ケルベロスに搭載されたリチウム・イオン電池のバッテリーモジュールの全電力をナノマシン経由で一瞬のうちに解放し、銃身内に形成された強力な磁場が弾丸を電磁加速させたのである。

 その超加速が、青白いプラズマを伴う爆発的な推進力と衝撃波を生み、巻き込まれた他のスライサーたちも原型を留めていられるはずもなく、すべて行動不能の状態に陥った。


 ミチルの手の中で、グロック17が異様な発熱をし、銃身には無数のマイクロクラックが走っている。

 熱せられた鉄の匂いと共に白煙が立ち上ると、ミチルは迷わずこれを破棄した。


「何が、微細な高電流よ。その時点で矛盾してるじゃない。わたしじゃなかったら、たぶん死んでる。でもまあ、暴発させなかったのはさすがだわ、ケルベロス(ハウンド)」


 たったの一撃でその寿命を使い果たしたグロック17は、もはやただの鉄塊に成り果てていた。

最後まで読んで頂いてありがとうございます!

次回更新は2026/01/06 18:10です。

同時連載の、「契約の魔法少女/マギカ・コントラクト」もよろしくお願い致します。魔法少女×SFの作品です。

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