鋼鉄の法執行者への道
■鋼鉄の法執行者への道
灰色の空から降り注ぐ酸性雨が、廃墟となった都市を徐々に霧で包んでいく。
今朝は、まだ暗い時間帯から、ゾンビ掃討のために稼働していたミチルは、束の間の待機時間、ケルベロスの運転席をリクライニングにしながら、アイドリングのエンジン音を聴いていた。
緊急時に備え、リチウム・イオン電池のバッテリーモジュールをフルに充電するために、あえてエンジンを切らずにいる。ガソリンは街中のどこにでもある経営が放棄されたGSで簡単に手に入るが、ハイブリッド車両のバッテリーの充電にはかなりの時間がかかるための措置だ。
ミチルの網膜に、政府中枢のゾンビ対策本部からのダイレクト・メッセージが明滅した。
「ミッション:地下シェルター『アーク03』の生存者確認、および障害の排除。警告:当該エリアに『ナンバーズ』の個体『ジャッジ』を確認」
「ナンバーズ……。ゾンビ細胞から生み出された反体制側の、究極のバイオ兵器」
ミチルは、さらさらのショートヘアをかき上げながら、忌々しげに呟く。ナンバーズとは、硬質化細胞を全身に纏った試作型改造人間たちのコードネームだ。その第一号である「ジャッジ」は、表向きには暴動鎮圧用に開発された歩く要塞である。彼らにとって、命令に従わない者はすべて「罪人」であり、その判決は常に「死を以て償うべし」という過激なものだった。
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次回更新は2025/12/30 18:10です。
同時連載の、「契約の魔法少女/マギカ・コントラクト」もよろしくお願い致します。魔法少女×SFの作品です。




