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修復と悪態

 ■修復と悪態



 ラボの中央にある装備換装エリア。自動アームがミチルの周囲を忙しなく動き回り、戦闘スーツの下に装着していた、装甲パーツを剥ぎ取っていく。


「ねえ、そこのアーム! もっと優しく扱いなさい。右腕の神経が過敏になっていて痛いのよ!」


 ミチルが悪態をつくと、コンソールパネルにデフォルメされた犬のアイコンが表示され、頭を垂れた。ケルベロス(ハウンド)の、ラボ管理用インターフェースだ。


「開発担当者は不在ですが、ログにメッセージが残っています。『ミチル、グロック17は使い捨てのライターではないし、戦闘スーツもどれだけボロ雑巾(ウエス)にしたら気が済むんだ。支給品は大切に扱え。美学のない破壊を、わたしは許すことができない』……とのことです」

「あの、ロリコン……。現場の苦労も知らないで。あんな状況、銃の寿命なんて気にしてたら、今頃わたしは細切れになってたわよ」


 ミチルは毒づきながら、新しい「グロック17 Gen.9 改」を武器の収納ラックから引き抜いた。スライドを引き、装弾を確認する金属音がラボに響く。

 その横では、やはりシャワーを終えたリナが、支給されたばかりのオーバーサイズのパーカーに身を包み、不思議そうにミチルを見つめていた。地下シェルターでは気付かなかったが、かなりの美少女だ。


「お姉ちゃん……その服、また着るの?」


 リナが指差したのは、自動プレス機から吐き出された、新しい戦闘スーツだった。見た目はセーラー服にしか見えないので、彼女の疑問も無理はなかった。


「これはね、戦闘スーツなの。戦場で育った頃からの癖でね、わたしは24時間、常に戦闘態勢をとっていないと落ち着かないのよ。変かな?」

「ううん、全然変じゃない。とっても似合ってるし。お姉ちゃん、めちゃくちゃ綺麗だし」

「お世辞を言っても何も出ないわよ、リナ」

「お世辞じゃないもん、本当だもん。お姉ちゃんみたいに綺麗なひと見たことないもん」


 ミチルは苦笑しながら、戦闘スーツを着込んで、真紅の三角タイを締め、襟を整えた。戦闘時の苛烈な表情が消え、一瞬だけ年相応の少女の顔が戻る。

最後まで読んで頂いてありがとうございます!

次回更新は2026/01/09 18:10です。

同時連載の、「契約の魔法少女/マギカ・コントラクト」もよろしくお願い致します。魔法少女×SFの作品です。

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